議会活動

今後の財政運営の見通し及び行財政改革について

平成 25 年 12 月定例会 : 代表質問 (1)

◯中小路健吾君

民主党京都府議会議員団の中小路健吾でございます。

私は、会派を代表し、先に通告しております数点につきまして、知事ならびに関係理事者に質問をいたします。

平成 25 年も 12 月に入り、いよいよ新しい年を迎える準備が進みつつあります。

今回、平成 26 年へと臨む 12 月定例会には、「災害復興・防災対策」「経済・雇用対策」「健 康・医療対策」等を柱とした総額 47 億円余の一般会計補正予算案が提案をされております。 これらは、本年 9 月の台風被害への対応や年末・年度末を見据えた就職支援や中小企業支援など、時宜を得たものであり、我が会派としても評価するものであります。

さて、本年を振り返れば、9 月の台風 18 号による府内各地での甚大な被害や、8 月の福知山での花火大会における事故、本年も相次いだ悪質な飲酒運転や無謀運転による交通事故など、本府内においても様々な課題に直面した一年でもありました。

また、本年度は山田知事の3期目最終年度であるというだけではなく、様々な府政運営上の取り組みや計画の一つの区切りとなる節目の年でもあります。

そこで、そうした観点から以下、数点に渡り質問をさせていただきます。

 

初めに、今後の財政運営の見通し及び行財政改革についての知事のお考えをお聞かせいた だきます。

まず財政運営について数点お伺いをいたします。

京都府内における景気や企業生産の動向は持ち直しの動きがみられ、雇用情勢も緩やかながら回復の兆しが見え始めております。しかし、その効果が中小企業や消費動向に十分に波及しているかどうかと言えば、必ずしも十分だとは言えません。また、台風等の被害が生じるなどマイナスの要因もあります。

まず、来年度以降の税収の見通しについてお伺いします。

とりわけ、来年4月には消費税の税率が引き上げられ、地方消費税の税率についてもこれまでの 1.0%から 1.7%へと引き上げられます。これだけを見れば、当然増収要因と考えられるわけですが、政府において現在検討が進められている来年度地方財政計画に、このことがどのように反映されていくのかはまだまだ不透明な点が多いと言えますが、報道等によれば、全体的に抑制傾向になる方向で検討がされているように見受けられます。

そこで、まず、今回の消費税率の引き上げが本府の財政運営に及ぼす影響についてどのよ うに考えておられるのか。また、国の地方財政計画の策定に向けて、本府としてどのよう な要望を行っておられるのかお伺いいたします。

併せて、来年度税制改正や予算編成の議論においても、消費税増税時における自動車取得税の廃止や成長戦略として固定資産税の償却資産分の減税などが検討されておりますし、地方法人課税についても、法人事業税だけでなく法人住民税についても一部国有化のうえ 再配分する案が検討されるなど、地方自治体の財政運営に大きな影響を及ぼす議論がなされています。

そこで、こうした国での地方税をめぐる議論について、知事はどのように考えておられるのかご所見をお伺いします。

次に、国の経済対策に係る基金事業への今後の対応についてです。

リーマンショック以降、国においては緊急的な経済対策として「基金」の造成による事業を数多く実施してきました。

本府においても、各種事業の財源として多用して参りました。国の経済対策に係る 13 の 基金だけでも、平成 23 年度予算で約 321 億円、平成 24 年度予算で約 247 億円、平成 25 年度予算でも約 235 億円が事業の財源として活用されておりますが、来年度以降、多くの基金事業が終了する見通しでもあります。

こうした基金の中には、「医療施設耐震化特例基金」や「子ども未来基金」による保育所整備のように、緊急経済対策として、集中的にハード整備を一定期間で行っていく場合には、基金という手法はなじむと言えるかもしれません。一方で、ソフト事業や毎年継続していかなければならないような事業についても基金という手法が活用されて参りました。

とりわけ「緊急雇用対策基金」については、ジョブパークをはじめ、本府の雇用行政で大変多くの事業にあててこられました。

確かに、緩やかに回復している雇用情勢などを勘案すれば、リーマンショックによる景気の大幅な後退など「緊急的」な状況は脱したかもしれませんが、まだまだ決して予断を許す状況にあるとは言えません。同時に、本府の雇用情勢や今後の雇用対策を考えた場合、若年層の非正規雇用対策や高齢の離職者対策、長期離職者の就労支援、企業と求職者のマッチングなど、「緊急的」に職を確保していくというよりも長期にじっくりと政策課題として取り組んでいかなければならない。そんな時期に来ているともいえます。

そこで、とりわけ影響が大きいと思われる雇用政策について、その財源のあり方を含め、今後どのように臨んでいかれるのか。知事のご所見をお伺いします。

 

次に、行財政改革についてであります。

この間、本府における行財政改革は、平成 11 年度から 15 年度の「財政健全化指針」により、給与と事業費の一律カットを行い財政再建団体への転落を回避、続く「経営改革プラン」では、平成 16 年度から 20 年度にかけて、経営概念の導入と府民サービスに直接結びつかない内部組織・業務の徹底した簡素化、公債費プログラムによる府債残高のコントロ ールなどに取り組んでまいりました。そして、本年、計画期間の 5 ヶ年の最終年を迎える、現在の「府民満足最大化プラン」においては、京都指標などベンチマークを活用したマネ ジメントによる重点課題の絞り込みと集中的な投資、地域包括ケアや家庭支援総合センター、京都ジョブパークなどワンストップサービスによる府民満足の向上、地域力再生プロジェクトや府民公募型安心・安全整備事業など府民参画・協働型事業の展開などに取り組み、取り組み成果は 750 億円にも迫る見通しだとお聞きをしております。

我が会派としては、こうした行財政改革の推進と、その成果を府民サービスの維持確保と充実、とりわけ医療や福祉、雇用、中小企業対策等に重点的に充ててこられたことを高く評価する一方、給与費プログラムによる職員定数の削減、給与構造の改革、諸手当等の抜本的な見直しや内部事務等の効率化についてもそろそろ限界に近い水準まで取り組みを進めてきたのではないかとの懸念を示してまいりました。

そうした状況を勘案すれば、新しい行財政改革プランの策定においては、広域行政を預かる京都府としての役割の明確化と取り組むべき公共的課題の優先順位を明らかにしていく中で、市町村や国など行政部門における役割分担のあり方、企業や大学、NPO といった民間との連携・協働のあり方をしっかりと示していく必要があるのではないかと考えます。

そこで、新たな行財政改革プランの方向性に対して、知事のご所見をお伺いします。

また、その中で、これまで公債費プログラムとして取り組んできた、投資的経費と財政健全化のバランスを維持していくための仕組みついて、どのように位置付けていかれるのか。ご所見をお伺いします。

◯知事(山田啓二君)

消費税増税による府財政への影響についてでありますが、今回の消費税率引上げは、社会保障の維持・充実を図ることを法律にうたい実施されることになりました。

引上げ後の消費税収にかかる国・地方の配分に当たりましては、地方の状況を踏まえて、国・地方協議で、社会保障の地方単独事業についても配分の基礎として反映するよう強く主張していく中で地方消費税の税率が、1%から 1.7%に引き上げられた場合、まず 3%の 時に来るわけですけれども、その増収分は、平年度化する平成 27 年度で、約 200 億円の増収となる見込であります。

ただ、これはもちろん、本来でありますと、これは社会保障の自然増で負担が出てくるわけでありますから、それの方に回されるという部分と、それから、社会保障の安定的な財源という面があるのですが、その場合において、税収が増えた場合に、現状は、そもそ も、それが組み込まれても不足をしているわけですから、地方交付税の原資が、臨時財政対策債で、起債で、借金で補っている現状がある。

だから、社会保障の自然増だけという形になってしまいますと、臨時財政対策債が減って、社会保障の安定財源として消費税が入ったということにしかなりかねないというところがあります。

しかし、私どもといたしましては、やはり、未来に向かって、地方消費税の増収分が福祉政策の充実に活用できるということが、府民にとりましても大きな目的ではないか、そしてそのことが、消費税の増税の効果を実感できる道だということで、是非とも、来年度の地方財政計画において、地方が果たすべき役割に応じた、経費・需要が盛り込まれなければいけないということを国に対して言っているところであります。

このために、去る 10 月 11 日の国・地方の協議の場におきまして、地方単独事業を含めた社会保障関係費の増など、地方の財政需要を地方財政計画に的確に反映し、地方の一般財源総額を確保することなどを、地方 6 団体として国に要請をしたところでありまして、近々、また協議があると思いますので、その場でもそのあたりのことが中心となって、国に対して要請をしていくことになろうかなというふうに思っております。

それから、地方税を巡る国での議論でありますけれども、来年度の地方税改正の中で、成長戦略の中で経済界からはやっぱり企業関係の税を少しでも減らしたいという意向が出てきておりますけれども、自動車取得税の廃止に伴う税財源の確保ですとか、償却資産に係る固定資産税ですとか、ゴルフ場利用の利用税などが、問題にされているわけでありますけれども、いずれもこれは地方の貴重な財源でありまして、景気優先の中で財源のほうの確保が疎かになれば、税の持つ再分配の機能は弱まり、格差を広げることになるだけに、私は税収としてはきちっと確保してもらう必要があると考えているところであります。

さらに、都市部と地方の格差の問題は、地方税源の偏在是正のための措置というふうにも、また言っているわけでありまして、現在は、地方法人特別税という形で、東京都とかですね、そういったところの法人事業税の一部を国税化をして、そして、それを法人事業税収入の少ないところに割り振っているという形になっております。

で、この税については、正直言いまして、あまり筋のいい税ではないと。「毒饅頭」という表現が使われましたけれども、そういう税であって、臨時的異例な措置であるから解消していかなければならないというのが大前提だと思っております。

しかしながら、一方で、地方消費税が充実をされてまいりますと、やはりこの場合にも、東京を中心とした大都市に多く、どうしてもいくという傾向がありますので、地方法人特別税を廃止をして、地方消費税が、もしも来年から上がっていくことになると、ダブルの意味で格差が拡がるという事態に、いま直面をしているところであります。

このために、地方法人特別税の廃止・縮小とあわせて、何らかのやはり偏在是正のための措置を行わなければならないのではないか、という議論が出てきておりまして、それが法人住民税の一部交付税の原資化という話であります。

ですから、私どもといたしましては、そういう筋の通った話の中で、ある面でいきますと、地方税源が本当に充実して、偏在のない税体系が築かれるまでの間ならば、やむを得ないのではないかというスタンスで、今、知事会を中心に話を進めてきているところであ りますけれども、一方では、地方法人特別税は手つかずで、そのまま法人住民税のですね、交付税原資化とか、交付税の、今、国のほうから別枠加算で収入を得ている部分を振り替えるとか、こういった議論がありますので、この問題については、私どもも強硬に国に対して、地方の交付税総額が維持をされて、偏在是正がしっかり行われ、そのうえで、やっぱり地方の税源というものが確保されるようにしてもらうことを要請をしているところで あります。

かなり厳しいこれからもやりとりが、この分野では出てくると思っております。

次に、緊急雇用対策基金についてでありますが、この基金は、雇用情勢が悪化する中創設されまして、主に失業者のセーフティネットとして雇用創出事業に活用した他、京都府としましては、単に緊急的な雇用創出ではなくて、持続性のある人づくり、そしてそこから正規雇用、きちんとした常用雇用に結びつくような人づくり事業というものを特徴として取り入れてきたということであります。

結果、失業率や有効求人倍率は大幅に改善するなど、着実な成果を上げてまいりましたけれども、一方では、最近やはり、若年層を中心とする非正規雇用の拡大の流れがまだ止まらない。離職率が増大をしていく、更に女性や高齢者、障害者の一層の社会参画といった課題が大きくなっておりまして、私どもはそういった点から人づくりですとか、女性の参画ですとか、少子化対策といった観点からしっかりした雇用対策を講じるべきではないか。そのため財源が必要であるということを知事会でも私を中心に訴えてきたところであります。

そしてその中におきまして、今回たぶんこれから決定されると伺っているんですけれども、消費税の増税を踏まえた 5 兆円とも言われる経済対策の中で、ある程度雇用に関する財源が措置されるという見通しでおります。

これは私、厚生労働大臣と膝詰めで話してまいりまして、厚生労働省もいま頑張って動いてくれておりまして、たぶん大丈夫だというふうに考えているところでありますけれども、これから議論が出てくる可能性はありますけれども、いまこうした形で動かしておりますけれど、この対策を通じて、私どもの雇用対策が引き続き実施できるよう、さらに全力を傾注してまいりたいと考えているところです。

新たな行財政改革プランの方向性でありますけれども、これまで給与費や事業費の一律カットから、内部管理業務の簡素・効率化、そして、府民満足に照らした施策・事業の見直しというように、段階を踏んでまいりました。

行政改革の一番のポイントは、いかに迅速かつ簡潔に府民の皆さんのニーズに応える体制をつくっていくかということでありまして、このことを抜きにして行政改革とを語るべきではないかというふうに私は思っております。

したがいまして、今回の新行政改革プランというのは、この方向を一番に意識し、これまで進めてきた府庁改革を市町村や企業、大学、NPOなども含めて、様々な主体と協働するオール京都体制の質の高い府民サービスへと、きちっと転換できるということを一番の目標に掲げていきたいと思っております。

現在、私どもは、例えば京都動物愛護センターを京都市と共同設置していくとか、それから、京都工芸繊維大学も含め、3 大学連携で教養共同化を行っていくというような、そうした様々な機関によるワンストップ、連携・協働を進めておりますけれども、これが行政改革にとって大事な方向であるというふうに思っております。

また、先程も質問にお答えいたしましたけれども、「里の仕事人」で公務員を派遣しているわけでありますけれども、公務員はいずれ転勤しなければならない、いずれその地を去らなければならない。そうしたことを考えた場合に、公務員でそれをやっていくのか、それとも、地域にきちっと根ざした方をリーダーとして、公的な位置付けを与えて、そしてその中でこれからもずっと住み続ける中でリーダーシップをとれるようにしていくやり方、こういうことも一つの改革の方向として、私はあろうかと思っております。

さらにIT化による効率化に加えて、人づくりやエコノミックガーデニングによる中小企業の成長促進、民間活力の積極的な利用によって、地域経済を活性化させて、財政面の好循環を則していく。

こういうことの組み合わせというものを、私は今回新しい行財政改革プランの中では、基本的な方向として示していきたいと考えておりますので、また、府議会のご意見をいただきたいと思っております。

公債費プログラムにつきましては、安定成長に入っていく、税収も増えない、そしてその中において、どれだけ持続可能な公共事業を実施するのかという形で講じてまいりましたけれども、今やはり、アセットの時代、いろいろ老朽化したものについてもう一度きちっとした安心・安全体制を講じていかなければならない、その中で成長戦略も踏まえた重点投資もしていかなくてはならない時代に入ったという時代認識のもとに、より国の成長戦略や経済情勢に応じた柔軟な投資を進められるような形で、府債残高とのバランスを考えていけるような方策というものを考えていきたいというふうに思っているところであります。