議会活動

「障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らせる京都づくり条例(仮称)」について

平成 25 年 12 月定例会:代表質問 (4)

◯中小路健吾君

次に、現在、制定に向けて策定作業が進められております「障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らせる京都づくり条例(仮称)」についてお伺いします。

この条例の策定については、これまで「京都府障害者基本計画」において取り組んできた各種取り組みの成果の上に立ちつつも、依然として、障害者福祉サービスが不足をしている、障害のある方への配慮が足りないサービスや商品がまだまだ見受けられる、障害への理解不足等による差別事案が少なからず生じている、といった現実を直視し、障害のある人が普通に地域で暮らせる環境づくりや障害福祉サービスの一層の充実、障害に対する府民理解の促進など社会のあり方を変えていけるよう、関係する機関や団体、府民が連携・協力し、オール京都体制で取り組んでいくことを目指して、平成 24 年 3 月、検討会議が設置をされ、障害のある人やその家族、福祉、医療、教育、経済、労働、学識者、市町村など様々な立場の委員からなる場で、幅広く議論を積み重ねてこられました。

また、こうした検討会議での議論を経て示された「中間まとめ」においては、不利益取り扱いや合理的配慮の不提供にあてはまる具体的な事例を10の分野に渡り、具体的に例示・分析をされるなど、工夫を重ねて来ていただいたところでありますし、加えて、6度に渡るタウンミーティングの開催やパブリックコメントの実施など幅広く府民全体からも意見を聞いてこられました。

まずは、私どもの会派は、こうした条例策定のプロセスを進めてこられたことを高く評価するものであります。

また、国においては、本年6月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」、いわゆる「障害者差別解消法」が成立をいたしました。

この法律では、地方公共団体の責務として、必要な施策の実施や障害を理由とした差別的取り扱いの禁止、国や地方公共団体の職員が適切に対応するための対応要領の策定などが盛り込まれていると同時に、その附帯決議において、地方公共団体が、いわゆる上乗せ・横出し条例を制定することを妨げたり拘束するものではないことが明記をされています。

このように、国における法律の成立に加え、これまで積み重ねてきた、本府の取組みや条例策定に向けた議論を考えれば、これまでから知事が述べてこられた「京都ならではの高い理念をかかげた」条例制定に対して大変高い期待が寄せられているものと考えます。

そこでまず、この間の条例策定プロセスの中で寄せられた多くの声、とりわけ当事者でもある障害のある方やその家族の声をどのように受け止め、条例案に反映されようとしておられるのか、知事のご所見をお伺いします。

次に、条例案の骨子で示された内容について数点お伺いします。

一つは、障害者の権利利益の擁護のための施策についてです。9月に示された骨子案では、法に規定された「不当な差別的取扱い」に該当する行為について、障害者の生活に関わる、福祉、医療、商品販売・サービス提供といった主な分野ごとに、できるだけ幅広く具体的な行為を明示することによって、障害者の権利利益を侵害 してはならないことを規定すると同時に、「社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮」について、本人又は補佐する者の意思の表明に基づき、その実施に負担が過重でないときは、障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じた配慮を行うことを規定するとされています。

その上で、障害を理由とした不利益取扱いや合理的な配慮の不提供、障害者に対する虐待と思われる個別事案については、身近な地域で相談できる地域の相談員及びより専門相談員を設置するとともに、相談体制のみで解決が図られず、より専門性の高い事案等の解決を図る手段として、公平・公正な立場から、助言を含むあっせんを行う第三者機関を設置するとされ、そのあっせん案を受諾しないことに正当な理由がないと認められる場合等には、知事が必要な措置をとるよう勧告を、さらにはその勧告に従わない場合は公表をすることができる仕組みを導入するとしています。

こうした第三者機関の設置は、本府の条例独自の踏み込んだ内容であり、大変期待の高いものでありますが、こうした仕組みが有効に機能するためには、新たに設置する組織が持つ権限や体制、人材の確保などが重要になります。また、第三者機関が扱う事案の対象についても明確にしておく必要があろうかと存じます。

そこで、今回の条例案が目指す第三者機関の組織や運用のあり方について、具体的にどのようなイメージを持たれておられるかご所見をお伺いします。

二つ目に、性別と障害の二重の差別に苦しむ女性障害者についてです。

この点については、我が会派の北岡ちはる議員が6月定例会において、「中間まとめ」で示された具体的な事例を挙げながら、社会的な認知の低さを指摘するとともに、女性障害者の現状の改善と複合被害の救済、社会的地位の確認と保証がなされるような条例づくりを求め、知事も答弁の中で、条例制定にあたり、「法律との整合性を十分考慮し、男女の性別の問題をはじめ、障害のある人それぞれの特性を考慮したきめ細かな検討が必要」としたうえで、こうした観点からの条文が入るよう努力をしていくとされています。

そこで、今回の条例制定にあたり、女性障害者の問題についてどのように反映されようとしておられるのか、知事のご所見をお伺いします。

◯知事(山田啓二君)

「障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らせる京都づくり条例(仮称)」についてでありますけれども、現在、パブリックコメントの段階までまいりまして、多くの御意見、延べ 900 件程度の意見をいただいております。改めて、府民の皆さんの期待の高さを感じているところであります。

パブリックコメントでは、特に女性障害者の問題や相談体制整備ですとか、共生社会の実現に向けた施策、例えば、一番端的に申しますと、「もっと働けるようにしていただきたい。」とか、「もっと生きる希望がもてるような社会参加をさせてもらいたい。」というような率直な意見をいただいているところであります。

私どもといたしましては、こうした中で、身近な地域の相談に応じる相談員の選任ですとか、より専門性の高い事案等の解決を図る第三者機関の設置ですとか、障害のある人に対する就労支援、そしてスポーツ・芸術をはじめとする社会活動の推進など、京都ならではの条例として、この条例を規定していきたいというふうに思っております。

この中で、第三者機関組織・運用についてでありますけれども、これは、先進県の例なども、今参考にしておりまして、今後、具体的な検討を進めることとしておりますけれども、まず、委員会の人選に当たっては、障害当事者や家族、福祉・教育・医療関係者、経済界、学識経験者などに参加いただく予定としております。

また、個別事案の調整に当たりましては、事案の内容に応じて担当委員を指名した上で、実質的な審議を行う体制を構築することを想定しております。

さらに、第三者機関が実効性のあるものとなるよう、禁止される不利益取扱い等の具体例をできるだけ分かりやすく盛り込んだ条例推進のためのガイドラインを策定して、対象をしっかりと分かるようにしていきたいと考えております。

また、女性障害者の問題についてでありますけれども、障害当事者などから、障害があることと女性であることによって複合的な差別を受けている実態があるという御意見を多数いただいております。

このため、条例におきましては、新たに女性障害者に対するきめ細かい配慮の必要性な どを基本理念に盛り込みますとともに、女性障害者の権利擁護のための相談対象として条例に位置付けるなど、実効性のあるものとしていきたいと考えているところであります。