議会活動

京都市・乙訓通学圏の入試制度改革について

平成 25 年 12 月定例会:代表質問 (5)

◯中小路健吾君

次に、公立高等学校の入試制度改革についてお伺いします。

平成 26 年度の公立高校における入学者選抜から、京都市・乙訓通学圏においては、入試制度が大きく変化をいたします。

その内容は、類・類型制度の廃止や南北通学圏の統合、総合選抜制度の廃止と単独選抜 制度の導入、受検機会の複数化など、ある意味、大変大きな制度変化であると言えます。私は、今回の制度改正について、より主体的に生徒自身が自らの進路を選択する機会が増えるという観点から、その目指すべき方向は正しいと考えますし、今回の制度改正を評価したいと思っています。

実際に、生徒や保護者の声、また実際に進路指導を行う学校現場でのお声をお聞きしますと、南北通学圏の統合により志望する学校の選択肢が増えた点やこれまでの総合選抜制度での地理配分から決せられていた進路が単独選抜制度のもとで自らの志望により進路を選べるようになった点など制度改正そのものへの評価は高いものの、一方で、多くの不安の声があることも事実であります。

私は、新しい制度がより機能し、本当の意味で、実際に生徒自身が自らの進路について選択の機会を得ることができ、その機会にチャレンジをし、その結果を納得し受け入れていく制度となるためには、前提条件が必要だと考えています。

それは、選択するための十分な環境が整っていることであり、言いかえれば、選択に際 して十分かつ適切な情報があるということです。

入試制度の仕組みそのものは当然のことながら、選択される側の学校に関する情報、志望する学校を取り巻く競争環境、自らの実力や立ち位置を図る情報など、適切かつ十分な情報が信頼に値する形で与えられてこその、主体的な選択であり、その環境を整えることこそが、教育委員会に課せられた使命ではないかと考えます。

先ほど挙げた不安の声も、もちろん、今回の制度改正による入試制度が初めてであるということもありますが、その多くは、制度に対する情報不足や実際の進路を選択する際の判断材料が不足している点から生じているものではないかと考えます。

こうした中、府教育委員会では、今回、初めて中学生の進路希望状況を公表されました。これは、生徒や保護者の不安解消に向けた大きな材料となると考えますが、更に受験環境 を整えることを念頭に置きつつ、以下、2点質問をいたします。

まず、進路指導への支援についてです。

今回の制度改正を受け、進路指導を行う中学校の現場においても、過去のデータによる 進路指導では対応できない状況となり、ある意味、手探り状態での進路指導にならざるを得ないのではないかとの懸念が示されて参りました。

この点については、本府教育委員会として、中高連携のネットワーク組織である「京都市・乙訓地域公立中学校・高等学校連絡協議会」を支援することによって対応するとされて参りましたが、その実績や状況についてはどのように評価しておられるでしょうか。ご所見をお伺いします。

次に、今回の制度改正のポイントの一つである、受検機会の複数化についてお伺いしま す。

今回、これまでの「推薦入学」や「特色選抜」等にあたる選抜制度を「前期選抜」へと、現行制度で3月に実施している「一般選抜」を「中期選抜」へと変更し、「前期選抜」及び「中期選抜」を実施した後に、なお相当の欠員がある場合は「後期選抜」を実施するとし、 複数の受検機会を設けることとされておられます。そして、普通科第I類で実施してきた総合選抜制度を廃止し、すべて単独選抜制度での実施になることが大きな変化となります。

また、京都市・乙訓通学圏においては、「前期選抜」では、専門的なコースの普通科および専門学科については募集定員の100%が、職業に関する専門学科では募集定員の70%が、そして専門的なコース以外の普通科では募集定員の30%が選抜をされ、それぞれ各高校が独自の試験方式での選抜を行うこととされています。そして、その後、「中期選抜」において、専門的なコース以外の普通科の残り70%、職業に関する専門学科の残り30%が選抜をされるという流れになります。加えて、「中期選抜」では、第1志望内で順 位をつけて2校まで志願することができ、第1志望優先で合格者を決めた後に欠員がある場合に生かされる第2志望も志願することができるとされています。

こうした今回の制度改正の特徴を考えると、一つに、「前期選抜」については、募集定員が拡大したこともあり、より多くの生徒にとって、自らの志望校にチャレンジする機会が増えたことになると言え評価することができます。

一方、これまでの「一般選抜」に代わる制度としての「中期選抜」については、それ以 上に制度改正の影響が生じてきます。

確かに、志望校を自ら選べるようになったわけではありますが、その意思決定は非常に 難しく複雑なものとなる可能性があります。

「前期選抜」の結果発表から「中期選抜」への出願期間が極めて短期間である上、増加が予想される「前期選抜」から再度「中期選抜」に挑戦する生徒の見通しも不透明であろう点、加えて、並行的に私立高校の選抜も行われている点などを考えれば、どの高校を志望していくかという判断は大変難しいものがあるのではないでしょうか。

その意味でも、生徒自身が判断できるための材料やデータがしっかりとそろった中で進路指導が行われることが極めて重要になってくると考えますが、教育委員会として、その環境づくり、学校現場での進路指導への支援などどのように考えておられるか、ご所見をお伺いします。

◯教育長(小田垣勉君)

京都市・乙訓地域公立高校の新しい入試制度についてでございますが、保護者や中学生が制度変更に対して不安を感じることがないよう、しっかりと進路指導していくことが必要であります。

そのため、各高校の特色や求める生徒像、前期選抜の選抜内容などを理解した上で、適切な進路指導をしてもらえるよう、中学生の教員を対象とした説明会などを実施してきたところでございます。

また、さらにきめ細やかな連携を図るため、今年度新たに、京都市・乙訓地域の中学校を 7 グループに分け、近隣の高校が参加する形で「京都市・乙訓地域公立中学校・高等学 校連絡協議会」を立ち上げたところでございます。

この協議会では、中学校の進路指導の状況や高校の選抜方法等に関しまして、きめ細かな情報交換が行われ、密接な連携が図られているところでございます。

また、初めて、中学校、高校の実務レベル担当者の会議も開催されるなど、その成果は大きいものと考えております。

今後も中高連携が一層充実していくよう、校長会等からの御意見も聞きながら、支援をしてまいります。

次に、受験機会の複数化に対応した進路指導についてでございますが、この間、市町教 育委員会や中学校から御意見をお聞きしながら、支援の在り方について検討をしてまいりました。

そうしたなか、乙訓地域の中学校と京都市立中学校が連携をして、学習方法の改善や学力向上の取組を進めるなかで、生徒一人一人の学習状況をしっかりと把握をする、学習プログラムの取組を進めておられるところでございます。

こうした新たな取組に加え、府教育委員会では、各中学校で適切に進路指導が行われるよう、議員御紹介のとおり、今回初めて現時点での進路希望状況を広く公表したところで ございます。

入学者選抜まであと 2 カ月あまりに追るなか、進路指導が円滑に進められ、中学生や保護者が混乱することなく、進路を選択しその実現に向けて努力していけるよう、引き続き 関係機関と連携していくとともに、適切な時期に必要な情報をしっかりと提供してまいります。