議会活動

今後の消費者行政のあり方について

平成 24 年 9 月定例会:一般質問 (3)

◯中小路健吾君

最後に、今後の消費者行政のあり方についてお伺いします。

2009 年 9 月に消費者庁が設置をされ早3年が経過をいたしました。

消費者庁の設置は、主に、近年、複雑化・多様化・広域化する消費者トラブルに対し、縦割り行政の弊害を排し一元的な消費者行政を行うことを目的としたものでありますが、同時に、これまでの産業振興の立場、供給側の観点に偏っていた消費者行政を、真に消費者の視点・立場からの行政へと大きく舵を切る転換点としての意義もあったのではないかと存じます。

また、あわせて施行された「消費者安全法」では、市町村が消費生活相談やあっせんを 行うこと、都道府県が広域的見地を要する苦情相談や消費者事故等に関して専門的な知識・技術を使って調査や分析を行うことなどが明文化をされ、地方における消費者行政の強化の方向性が打ち出されております。

本府においては、こうした一連の国の動きを受け、2009 年 12 月に「安心・安全な消費生活の実現を目指す行動計画」の改定版が策定をされ、市町村の相談窓口の開設と充実、 知識や経験を有する消費生活相談員の育成・レベルアップ、消費生活安全センターの機能充実や市町村支援の強化、関係各機関や弁護士会・消費者団体との連携による消費者被害の防止、情報提供や啓発活動による自立した消費者づくりなど様々な取り組みが進めてこられました。

一方で、本府における、消費生活相談の件数は、平成 23 年度 5,879 件で、平成 22 年度の 7,178 件からマイナス 18.1%と、この間、減少傾向にはあるものの、高齢者からの相談割合の増加、デジタルコンテンツや不動産貸借、金融商品に関するトラブルなど対象事案の多様化、手口の巧妙化など、対応すべき事案がまだまだ数多くあるのが実情です。

そこでまず、地方における消費者行政の強化という観点から、これまでの取組みを踏まえ、市町村における消費者相談の現状と課題についてどのように認識をしておられるかお尋ねします。

また、本府として、市町村への支援状況についてどのように総括をしておられるのか、今後の支援のあり方に対する考え方もお聞かせ下さい。

さて、本府におけるこの間の取組みの中で、効果をあげてきた一つに「消費者あんしんチーム」の設置があります。

「消費者あんしんチーム」は、複雑化・困難化する消費者相談に対応するため、府や市町 村の職員、消費生活相談員、弁護士から編成されるチームで、現在、京都市内と乙訓地域 を担当する消費生活安全センターを中心に、広域振興局単位で5つのチームが編成されています。

具体的な活動としては、相談分野では、困難案件についての法令解釈など専門的観点から相談者へ解決策を提示したり、弁護士を中心にした「あっせん会議」を開催し、あっせん案を関係者へ提示するなど行っています。また、調査分野では、警告発信と被害回復を行うイエローカード段階として、悪質業者の違法行為を特定し警告文書の発信をしたり、レッドカード段階として、集団訴訟にまで踏み込むなどの活動をしております。

そこで、こうした「消費者あんしんチーム」の成果についてどのように評価をしておられるのか、ご所見をお伺いします。

併せて、先ほど述べた、消費者トラブルの手口が巧妙化、悪質化している現状を見たとき、これまでの民事的な対応や行政としての法執行に加え、刑事分野における踏み込んだ対応が必要であり、京都府警との連携が不可欠だと考えますが、ご所見をお伺いします。

最後に、財源面でありますが、国においては、先ほど来述べてきた地方における消費者行政の強化のため、都道府県に消費者行政活性化基金を造成し、3年間で集中的に体制整備と強化を行う方針が示されました。本府においてもこの基金を活用した府・市町村の事業に対して、平成 21 年度から平成 24 年度当初予算による見込みも含め、約 4 億 8 千万円が充当されており、この9月補正予算においても基金を活用し、消費生活安全センター等の関係機関・団体が府民協働防犯ステーションとネットワークを構築して実施する高齢者の見守り等に約 4 千万円を計上されているところですが、これら基金の活用についても今年度で終了が予定をされており、来年度以降の動向も不透明であります。

私自身は、対応事案がまだまだ多いことに加え、この間の「消費者あんしんチーム」の取組みにより、本府や市町村など行政組織においても徐々に消費者問題への対応に関するノウハウが蓄積をされて始めていること、事業者に対しても「消費者あんしんチーム」の名前が浸透し始めていることなどを考えれば、仮に基金が終了した後も、当事業の当面の間の継続が不可欠だと考えますが、本府のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

◯府民生活部長(金谷浩志君)

市町村における消費者行政への支援についてでありますが、消費者安全法により、市町村において消費生活相談が法制上位置付けられましたことから、京都府では相談窓口の設置等に係る財政的な支援や相談員への研修、消費者あんしんチームによる支援などを行う中で、平成 23 年度には、府内全ての市町村に窓口が整備されたところであります。

この結果、府内での相談件数に占める市町村のウエイトが次第に高まり、消費者トラブルの解決に大きな役割を果たしていただいているところでございます。

しかしながら、新たに相談窓口を設置いたしました市町村では、相談員の経験が浅いところが多いことや、インターネットの利用に伴うトラブルの増加など、複雑な相談への対応力の強化が望まれるところでありまして、今後は、相談員の一層のスキルアップを図りながら、複雑な相談の共同処理を進めることなどを重点的に、市町村を支援していきたいと考えております。

また、相談件数に占める割合が増えている高齢者の被害を未然に防止するため、府民協働防犯ステーションを核に、市町村、地域等とネットワークを溝築して見守り活動を行うなどの取組も強化したいと考えております。

消費者あんしんチームについてですが、昨年度は、府や市町村に寄せられた 570 件余り の困難事案に対応し、市町村からも高い評価をいただいております。

また、未公開株等の被害者による集団提訴の支援や悪質な事業者名の公表など、被害拡 大防止に向けた抑止力としても機能を果たしていると考えております。

こうした中で、特に詐欺性の強い投資事案等、被害の防止、回復のため緊急対応が必要なものにつきましては、速やかに、警察に情報提供を行い、事業者の口座凍結等の措置も行っていただいているところであります。

また、警察とは、法令違反の疑いの高い事業者の情報提供とともに、当面の課題、対応 策等の意見交換を行っておりますが、今後とも警察との連携を一層深め、消費者トラブルに対応してまいりたいと考えております。

今後につきましても、消費者あんしんチームの取組はしっかりと進めていきたいと考えておりまして、こうした先進的な取組が恒久的に展開できるよう、財政的な支援も含めて国に働きかけているところであります。