議会活動

障がい者の雇用促進について

平成 24 年 9 月定例会:一般質問 (2)

◯中小路健吾君

次に、障がい者の雇用促進についてお伺いします。

来年4月、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく、法定雇用率が引き上げられ ることになっています。民間企業ではこれまでの 1.8%が 2.0%に、国や地方公共団体等では 2.1%が 2.3%に、都道府県等の教育委員会では 2.0%が 2.2%へとそれぞれ 02.%引き上げられることになりました。また、法の対象となる事業主の範囲も、従業員 56 人以上から 50 人以上へと拡大されることになります。

さて、本府においては、平成 22 年 12 月、『京都府障害者就労支援プラン(一般就労への道を拓く「はあとふる」プラン)』が策定をされ、民間企業の障害者雇用率の2%達成や法定雇用率達成企業の割合 60%、はあとふるジョブカフェ登録者の就職内定数 500 人達成といった数値目標を掲げ、各種施策の展開を図っていただいているところです。

私自身もこれまでから、障がい者雇用の促進に関しては、「特例子会社制度の活用」の提案など、雇用の場の確保という観点から取り上げて参りましたが、今回は、福祉的就労から一般就労への移行促進という観点から質問させていただきたいと思います。

障がい者の皆さんのライフステージを考え、その中に「就労支援」を位置づけた場合、それを支える教育、福祉、労働部門など関係各機関の連携が欠かせません。

「はあとふる」プランにおいても、地域における「障害者就業・生活支援センター」を核とした関係各機関の連携強化や障害者就労支援ネットワークの強化、労働局やハローワーク、府立高等技術専門校との連携による実習受入企業の開拓の強化などが施策として示されています。

そこでまず、こうした関係各機関の連携状況の現状と課題についてどのように認識をしておられるのかお伺いをします。

次に福祉部門との連携についてです。

福祉的就労から一般就労への移行を考えた場合、一つの大きな課題は、企業が求めるスキルと障がい者の方々が有するスキルのマッチングが必要になります。その意味では、障がい者のスキルアップを福祉就労の事業所の中でどう培っていくのかが重要な要素になります。

また、これまでから障がい者が一般就労した後の職場への定着率の低さが指摘をされてきましたが、定着率を高めるためには、福祉就労段階での経験の蓄積やコミュニケーション能力の向上など、ステップアップを図ることが有効だと言えます。

そこで障害者自立支援法を見てみますと、就労支援関連の事業としては、「就労移行支援事業」、「就労継続支援 A 型事業」、「就労継続支援 B 型事業」の3つのメニューが用意をされています。

「就労移行支援事業」は、就労を希望する 65 才未満の障がい者で通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者を対象として、1)生産活動、職場体験等の活動の機会の提供、その他必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、2)求職活動に関する支援、3)適性に応じた職場の開拓、4職場の定着支援を行うとされています。

また、「就労継続支援事業」は、通常の事業所に雇用されることが困難なものに対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供、その他必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等の支援を行うとされており、A 型は雇用契約に基づく就労が可能な者を対象に、B 型は雇用契約に基づく就労が困難な者を対象としています。

つまり、A 型事業所と B 型事業所の大きな違いは雇用契約の有無という点にあり、より一般就労に近い形態が A 型事業所と言えます。このことは、平成 23 年度のそれぞれの平均工賃額が、A 型 87,760 円、B 型 14,307 円となっていることからもうかがえます。

そこで、こうした制度を前提に、福祉的就労から一般就労への促進という課題を考えた場合、B 型事業所から A 型事業所へ、そして就労移行支援を通じて一般就労へという流れが、基本的なパターンとして想定されるわけですが、実際には様々な課題があるのが実情 です。

例えば、就労継続支援の事業所数を見ても、本年 8 月現在で、A 型事業所が 27 ヶ所、定員数 496 名であるのに対し、B 型事業所が 192 ヶ所、定員数 3,903 名となっており、A 型 事業所の数がまだまだ少ない状況にあります。

また、事業所にとっては、限られた定員数の中での経営を考えれば、スキルアップした方を別の会社に送り出すよりも、自らの事業所で抱え込む傾向にあり、一般就労に向けての働きかけが弱いと言った課題も指摘されています。

こうした課題の背景には、国の制度である自立支援法の制度に原因があることも承知をしておりますが、私は福祉的就労を担う事業所に対して一般就労へのインセンティブを与えていく仕組みも必要になるのではないかと考えます。

そこで、こうした課題や指摘に対してどのように取り組まれようとされておられるのかご所見をお伺いします。

◯健康福祉部長(山口寛士君)

障害者の雇用促進についてでありますが、京都府では、これまでから、「京都府障害者就労支援プラン」により、「障害者就業・生活支援センター」に企業と福祉事業所等をつなぐコーディネーターを配置し、一般就労に向けた障害者の実習先となる企業の開拓や、障害者向けの就労セミナーを開催するとともに、各保健所において、市町村、ハローワーク、特別支援学校、経済団体、福祉事業所等が連携して、障害者の自立に向けた支援方策を協議し、障害者の雇用促進に努めているところであります。

しかしながら、現状において、議員ご指摘のとおり、福祉事業所から一般就労へ移行する障害者が少ない中、こうした取組みを一層促進していただくためには、中小企業において障害者雇用の理解をさらに深めていただき、障害者の雇用の場を確保するなど、企業と福祉事業所との連携を一層強化することや、福祉事業所に対して、一般就労につながるような効果的な支援方策を具体的に検討することが大変重要な課題となってまいります。

このため、京都府では、本年 8 月に、福祉事業所、経済団体、特例子会社等多くの関係者からなる「障がい者の働きがいと能力を活かす地域の実現に向けた地域力再生プラットフォーム」を立ち上げ、障害者の雇用を一層促進するとともに、特に一般就労へつなげていく効果的な支援方策について検討を進めることとしております。

こうしたプラットフォームの取組を通じて、ひとつには、障害者雇用の理解促進を図るため、中小企業と福祉事業所の交流の場を設けるとともに、こうした交流を通して、福祉事業所においても企業の求める人材を理解し、障害者のスキルアップにつなげていただくなど、相互の意識改革を促し、連携の絆を一層強固なものとなるような取組を、今後、積極的に展開してまいりたいと考えております。

また、中小企業等において障害者が担える業務を抽出し、福祉事業所から一般就労への移行がスムーズに進むような新しい支援方策についても検討を進めております。

さらに、就労継続支援A型事業所になっても経営が成り立つように、一般市場でも顧客を獲得できる新商品の開発や、共同受注の仕組みづくりを積極的に支援するとともに、併せて福祉事業所が、意欲を持って取り組むことができる報酬体系となるよう、国に強く働きかけるなど、一般就労に向けた取組を今後とも一層推進してまいりたいと考えています。