議会活動

本府の産業政策について

平成 24 年 2 月定例会:代表質問 (1)

◯中小路健吾君

民主党京都府議会議員団の中小路健吾でございます。

私は会派を代表いたしまして、先に通告しております数点につきまして、知事ならびに関係理事者に質問をいたします。

まず初めに平成 24 年度の当初予算についてでありますが、その編成にあたっては、少子高齢化・人口減少の進行、地域コミュニティの衰退、経済のグローバル化や TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉の動向、欧州経済危機や急激な円高など国内外の社会・経済環境が大きく変化している現状、東日本大震災と原発事故による放射能への不安や原子力発電所の停止といった事態が、府民の消費生活や観光、ものづくりを初めとする京都府産業に及ぼす深刻な影響といった現状認識を示されておられます。

そこでまず、同じ現状認識に立ったうえで、今後の本府の産業政策に関する基本的な考え方、並びに関連する施策・事業等について数点お伺いをしたいと存じます。

ここ数年の本府における最大の課題は、厳しい雇用経済情勢への対応にあります。

直近の雇用統計を見ましても、近畿の完全失業率は 4.8%とリーマンショック以降高止まっていますし、有効求人倍率も若干回復の兆しはあるものの 0.72 倍と全国平均並みとなっており、依然厳しい状況が続いております。

こうした現在の雇用失業情勢を見るとき、これまでから、私は2つの側面を考えておかなければならないと主張をして参りました。

一つは、リーマンショックや昨年の東日本大震災、タイの洪水のように瞬間的な事象に伴い生じる景気の変動によって形成されている側面と、もう一つは、グローバル化や貿易体制の世界的な変化、人口減少や少子高齢化に伴う国内市場の変化など、長期的な傾向の中で生じている産業構造の変化を要因とする側面です。

こうした二つの側面を考えれば、目の前にある厳しい状況に対応するため、まずは現状の京都経済を支え、雇用を「確保」していくことと同時に、新しい産業を育成し雇用を「創出」していくことが重要になるものだと考えます。

知事もこれまでから、「守る」という姿勢だけでは守りきれない部分があるとして上で、「攻め」の産業政策の必要性を主張してこられました。

そこでまず、平成 24 年度当初予算において「攻め」の産業政策をどのように具体化しようとされておられるのかご所見をお伺いします。

本府においては、これまでから「攻め」の産業政策として様々な施策を展開して参りました。 西陣 IT 路地やけいはんなベンチャーセンターなどベンチャー支援としてのインキュベーションルームの設置、京都企業創造ファンドによる情報通信分野、環境分野、試作産業などへの投資、京都産業21や中小企業総合センターによる技術支援、経営支援、人材育成、さらには海外への販路開拓を目指した海外ビジネスサポートセンターの設置など多様な手法での支援を行ってまいりました。

また、現在は京力中小企業 100 億円事業の一環で行っておりますが、中小企業技術開発促進事業では「環境エネルギー分野」「ライフサイエンス・ウェルネス分野」での研究開発支援に資金提供をしておりますし、「健康創出産業振興事業」や「映画・コンテンツ産業推進事業」、「京都環境産業創出・普及事業」など幅広い分野への支援、京都経済の発展・グローバル化を目指した「京もの市場開拓推進事業」のように国内外への販路開拓などにも積極的に取組んでいただいているとこです。

そこで、こうした新産業育成や新たなマーケットの開拓など、これまで本府が行ってきた施策の成果や課題を現時点でどのように総括しておられるでしょうか。ご所見をお伺いします。

本府の取組みは先に例示した以外にも、大変幅広い分野に対して様々な側面からの支援を行っていただいています。これはある意味、包括的で総合的な取組みだと評価できる反面、総花的でそれぞれの施策の成果が見えにくくなっているようにも感じます。

新産業の育成などは一朝一夕に成し遂げられるものでは決してないわけですが、少し長いタイムスパンでその成果や進捗を評価する仕組みが必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。

次に、関連し総合特区の活用についてお伺いします。

まず初めに国際戦略総合特区の活用についてです。

昨年末、京都府・大阪府・兵庫県・京都市・大阪市・神戸市の6府県市が共同で申請をして参りました「関西イノベーション国際戦略総合特区」が、全国7地域の一つとして第 1 次指定をされました。

国際戦略総合特区は、「我が国全体の成長を牽引し、国際レベルでの競争優位性を持ちうる大都市等の特定地域を対象とし、我が国経済の成長エンジンとなる産業、外資系企業等の集積を促進し、民間事業者等の活力を最大限引き出す上で必要な機能を備えた拠点を形成する」ことを目的とし、そのために必要な規制の特例措置及び税制・財政・金融上の支援措置等を総合的に盛り込んだ施策パッケージを、地域の責任ある戦略、民間の知恵と資金、国の施策の「選択と集中」の観点から、実施していこうとするものです。

今回の「関西イノベーション国際戦略総合特区」の申請書によりますと、重点的に取組む6つのターゲットとして、1)医薬品、2)医療機器、3)再生医療等の先端医療技術、4)先制医療、5)バッテリー、6)スマートコミュニティを掲げ、「研究開発から実用化へのさらなるスピードアップと性能評価等による国際競争力の強化」、「多様な産業・技術の最適組み合わせによる国際競争力の強化」、「イノベーションを下支えする基盤の強化」を図るため、様々な施策展開とそれを図るための具体的な規制緩和や税制上の措置、財政支援策などが 提案されています。

また、それらを推進していく区域として、(1)京都市内地区、(2)けいはんな学研都市地区、(3)北大阪地区、(4)大阪駅周辺地区、(5)夢洲・咲洲地区、(6)神戸医療産業都市地区、(7)播磨科学公園都市地区、(8)関西国際空港地区、(9)阪神港地区の 9つの区域が設定をされています。

そこでまず、今回の「関西イノベーション国際戦略総合特区」において、重点的なターゲットとなる分野選定や区域の設定に至った背景、理由についてお聞かせいただきたいと思います。

とりわけ、9つの区域選定については、それぞれの地域がこれまでから各府県市が産業育成に力を入れてきた地域でもあります。その意味において、今回、それぞれの府県市ごとではなく、共同での提案をした意義はどこにあるのでしょうか。ご所見をお伺いします。

次に、今後の見通しについてです。

今回の指定を受けて、今後、申請の際に示した青写真をもとに、より具体的な計画策定及び国との協議の段階に入って参ります。今回の国際戦略総合特区の一つの特徴は、それぞれの地域からの具体的な提案に基づき、規制緩和や税の優遇、財政支援といった施策パッケージを展開するところにあります。その意味で、今後、具体的なプロジェクトの提案や国との協議に焦点が移りますが、そのスケジュール等見通しはどのようになっているでしょうか。

さて、この度、関西広域連合においても「関西広域産業ビジョン2011」の最終案が示されました。 その中においても、今後 10 年を見据えた関西経済活性化戦略として、「世界の成長産業をリードするイノベーション創出環境・機能の強化」、「高付加価値化による中堅・中小企業等の国際競争力の強化」、「関西ブランドの確立による地域経済の戦略的活性化」、「企業 の競争力を支える高度人材の確保・育成」の4つの柱が掲げられており、これらを実現していく手段として、「関西イノベーション国際戦略総合特区」の活用も位置付けられています。

私は、このように関西広域連合や自治体の枠を超えた地域全体で経済の活性化や産業振興・育成に取り組んでいくことは、世界的な競争環境を俯瞰すればある意味当然のことであり、推進していくべきことだと考えます。

しかし一方で、そうした結果生じる利益をいかに京都府に還元をするか、京都の産業・経済の活性化につなげていくかという、したたかさと戦略性を持つことも大変重要になると考えます。

そこでまず、今回の「関西イノベーション国際戦略総合特区」の活用を、京都の産業振興や経済の活性化にどのようにつなげていく道筋を描いておられるのか、知事のご所見をお伺いします。

同様に、関西広域連合で取り組む広域産業振興において、関西広域連合でしか果たせない役割はどこにあるとお考えかお聞かせいただきたいと思います。

先般、大阪府においては、今回の特区指定を受け、大阪臨海部などを対象とした国際戦略総合特区の企業誘致策として、府外からの進出企業を対象に法人府民税や法人事業税を5年間ゼロにする方針を示すと同時に、法人府民税の均等割分の超過課税について廃止を検討しているとの報道がありました。

内容の是非はともかく、こうした動きがすでに始まっているのも事実です。

こうした状況を考えれば、関西経済全体の中にあって京都府としての求心力を高めていくための施策展開が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。ご所見をお伺いします。

総合特区の活用に関連して最後に、映画・映像等コンテンツ産業の育成についてお伺いします。 先般、1月20日に開催された京都府・京都市の成長戦略本部会議において、「京都コンテンツ産業総合特区(仮称)」を府市共同で申請をしていく旨、表明されました。

私も、コンテンツ産業については、2006 年 9 月の代表質問でも映画製作における物品調達の波及効果の高さやロケ誘致やそれに付随する観光振興へのプラスの効果などからも積極的な活用を提案してまいりましたし、その後本府においても、オール京都体制で、産学公連携による映画産業振興、ベンチャー育成、人材育成、技術開発、さらにはコンテンツの祭典「KYOTO CMEX」の開催、企業立地促進条例に基づく拠点づくりなど「太秦メディアパーク構想」を推進してこられました。

そこで、今回、新しい展開として「京都コンテンツ産業総合特区(仮称)」を活用していく方針が示されたわけですが、その目的・ねらいについて、知事のご所見をお伺いします。

次に、海外人材の活用についてお伺いします。

経済・社会のグローバル化が進展する中で、世界的に優秀な人材の獲得競争も激化してきています。

同時に、京都企業が活力を持ち新たなマーケットの開拓を海外へと求めていくとするならば、世界各国・地域との人的なネットワークの構築は欠かせないものでもあると言えま す。

その点、本府の一つの特徴は、人口当たりの大学・短期大学の数がいずれも日本一であることからもわかるように、「大学のまち」「学問のまち」「学生のまち」というところにあります。その意味においては、そこに集う多くの人材を通じたネットワークづくりにおいては非常に有利な位置にあるといえます。

こうした認識の下、本府においては平成 16 年度に「KYO の海外人材活用プラン」を策定、平成 22 年度まで施策展開を図って参りました。その上に立ち、「明日の京都」の中期計画においては、府内の留学生の数や京都企業に就職する留学生の数を今後5年で 1.5 倍 にしようという数値目標を掲げ、新たに策定した「明日の国際交流推進プラン」に基づく施策を推進しようとされております。

そこでまず、これまでのアクションプランや中期計画を踏まえ、今後、新しいアクションプランをどう展開していこうとされているのか、ご所見をお伺いします。

今回の「明日の国際交流推進プラン」においては、新規施策の方向性として、留学前段階においては、海外での京都留学情報のアクセシビリティ向上と広報・宣伝活動の強化、在学中の段階では、生活支援、交流支援等による受け入れ環境の整備、就職時段階として産学公が連携したマッチングの促進をあげておられます。

私自身は、こうした国際交流推進の最も基本的な価値として、単に京都に来られる留学生を増やすということだけではなく、世界各国・地域との人的ネットワークをより太くし、双方向でのコミュニケーションの密度をより濃くしていくことにあると考えています。

そこで、そうした観点から、いくつかの提案を踏まえ、今後の施策展開についてお伺いします。 まず、「京都府名誉友好大使」との連携です。

本府においては、平成 4 年度から、世界の各地域と京都府の架け橋になろうという熱意にあふれた留学生の方々を「京都府名誉友好大使」として任命し、各種事業へのご協力をいただいているところです。

本年度も新たに15名の方を任命し、これまでの累計で220名、うち国内在住者133名、離日者87名という状況にあり、各地域・各方面でご活躍されております。

私は、こうした長年蓄積してきた「京都府名誉友好大使」の皆さんとの信頼関係やネットワークは本府にとって大変貴重な財産だと考えます。とりわけ、京都での留学生活を終えられた後、日本国内にとどまられる方のみならず、帰国をされた皆さんとのネットワークは、世界各地と京都府のつながりをより太くしていく上で欠かせないものではないでしょうか。

そうした意味においても、「京都府名誉友好大使」が帰国等をされた後の、フォローアップの体制をよりシステマチックに継続していく仕組みが必要かと存じますが、ご所見をお伺いします。

次に、日本人の留学生支援です。 先ほど発表された文部科学省のデータによれば、2009 年の日本人海外留学生は 5 万 9,923 人、前年比マイナス 6,910 人、5年連続での減少だということで、ピークの 2004 年と比較をすると約 2 万 3 千人、28%の減少になるそうです。文科省によれば、「長引く不況 と、就職活動の早期化から日本の学生の内向き志向が続いている」とその要因を分析しています。

私は、国際交流の推進を考えたうえで、双方向でのコミュニケーションは欠かせないと考えます。その意味において、こうした傾向に懸念を持っています。

そこで、海外からの留学生の受け入れを増やしていくことと同時に、日本の若い世代が、高校生等の若い段階から海外に留学し、豊な語学力・コミュニケーション能力を身につけ、異文化体験を出来るような施策や環境づくりが重要になると考えます。

そこでお伺いします。今議会に提案をされている、国際社会で活躍できる「グローバル人材」の育成に向けた『府立高校生「グローバルチャレンジ500事業」』について、今後の施策をどのように展開されようとしておられるのか、ご所見をお伺いします。

最後に、就職時段階の支援としての企業とのマッチングについてです。

本府においては、平成 17 年度末から「海外人材ジョブカフェ」を京都府国際センター内に設置をし、就職相談等の事業を行ってまいりました。この間、平成 19 年度から 22 年度については、経済産業省のアジア人財資金構想の事業も活用して参りましたが、本年度からは府単独事業として実施をされているところです。

この事業の成果としては、開始から平成 22 年度までの5カ年で、34大学、36ヶ国・地域の 485 名の方がこの事業を利用され、168 名の方の就職内定につながったとお聞きをしております。 そこで、まず、この間の取組み実績の評価とそこから見える課題認識をお聞かせ下さい。

また、今回のプランでは、「留学生には企業の情報、企業には留学生の情報がなく、両者の出会いの場もない」との課題が指摘をされています。

こうした課題を克服していくことを考えれば、対象が「留学生」という特殊性はあるものの、これまで本府が蓄積してきた商工労働観光部のノウハウを最大限に活用すべきではないかと考えます。

本年度から、留学生支援の中でも就職支援に関する事業を京都ジョブパークに統合されるとお聞きしていますが、そのねらいや期待される効果についてどのように考えておられるのでしょうか。ご所見をお伺いします。

◯知事(山田啓二君)

中小路議員の御質問にお答えいたします。

産業政策についてでありますけれども、とにかく経済環境が、グローバル化の進展や東アジア等の新興諸国におけるものづくり技術の高度化、そして円高等による企業の海外流出による国内産業の空洞化、雇用の減少など、社会環境においても、少子高齢化社会の到来で社会の構成自体が大きく変化する中、インターネット等、通信手段の発達によりライフスタイルが大きく変化していく。このように、内需、外需の在り方が根本的に今、変わってきているんだと思っております。

従いまして、産業を伸ばしていくためには、こうした状況変化を捉えて、それに合わせた変革を実施しなければならないということは必然のことでありまして、時代のニーズを踏まえた事業展開を図る「攻め」の施策が、今、大変重要になっているのだと思っております。

とはいっても近道はなく、京都の大きな活力源である中小企業に着目して、そうした構造変化に合った形で新しい芽を生み出し、その芽をしっかりと育てるというガーデニング的な手法で産業政策を行っていくことが重要であると思っております。

成長分野とか色々な分野はあるのですけれども、どこの分野にどのようなものが出てくるかというのは、今の大きな流れの中でそう簡単に行政が感知できるものではない。それだけに一つ一つの中小企業に着目をして、そしてその中から育てていくという方向を取らなくてはいけない。それを見方を変えると総花的になる、という話だと思うのですけれども、これはある程度やむを得ないのではないか、これはやはり行政としての土台作りではないかなという気がします。

そのために平成 24 年度は、「育成型」中小企業振興事業の推進や中小企業の応援条例、そして企業立地条例の改正によって、創業から経営の安定、成長までの一貫支援や小規模企業の府内立地促進、そして、イノベーション創出を狙う共同研究開発への新たな支援や設備投資への支援、そしてそういうもので生み出された京都製品のブランド化と国内外の市場開拓というものを総合的に行っていくという体制を採っているところであります。

これまでの取組の中でも、ある程度成果が出ていることを踏まえていると考えておりまして、例えば、130 を超える企業が、けいはんなベンチャーセンターや新風館のデザインインキュベート等から羽ばたき、府内で事業を拡大しております。

それから 100 社近い企業が参加する試作グループを核に、500 社以上が試作産業に今、集積をしております。

また 800 社を超える企業が、新しい取組にチャレンジしておりますし、ハイブリットカーなどの駆動に欠かせない超強力磁石の事業化が、京都企業創造ファンドの支援で出来ているとか、ストレス抑制に効果のある酵素、ギャバというものですけれども、中小企業技術センターとの共同研究で特許取得までいっている、そして製品化しているなどというものが出てきております。

こうしたことをしっかりと踏まえた形で、今回、育成型の振興策をしっかりと行っていきたいと思っております。

これは育成型ですので、余計に時間がかかる。もしかしたらこの瞬間に花開くものもあるとは思いますけれども、基本的にはやはり結果が出てくるには、かなりかかってきますし、結果がむしろ出ていても判らない場合もあると思いますので、私どもはやはり長い期間を視野に入れて目標設定をしていかざるを得ないと思っております。

どうしても短期間で変動する経済動向等に影響を受けていまいまして、それによって左右されてしまいますと、やはりこの分野はいけないということで、これは是非とも私どももしっかりと目標設定も考えながら行いますので、議会の御理解もお願いをしたいと思います。

次に、関西のイノベーション国際戦略総合特区についてでありますけれども、やはり大きな目で見た場合に、東京一極集中が進んでいる、そして、中部圏が人口とか産業基盤を伸ばしているといった時に、関西圏というもの全体でまとまって地域間競争力を付けていかなければ、グローバルな観点からの競争力は付かないだろうということが、実はこれは私どもにとりまして大きな危機感としてあります。このために、この危機感に基づいて、まず最初に行ったのが関西広域連合という形を取って、産業基盤というものについて、関西という視点からしっかりと整備をしていこうじゃないか。大阪港・神戸港にどうしても兵庫県と大阪府はなってしまう。でも関西を見たら日本海側に舞鶴港があるんですよ、その間を結ぶということで初めて関西という視点を作らなければいけませんよという主張が できるということも、やはり関西広域連合を中心とした産業基盤政策というのが出てきて、初めてできるんではないかなと思います。そしてそれが、実はこの前の舞鶴港の拠点港の指定にもつながっている。関西全体で推す日本海側の港は舞鶴港であるということが主張できたということが舞鶴港自身、京都にとっても大きな利点になっているわけであります。

そして、その関西の強みというものをもっと集積し、特に医療、環境・エネルギーの分野という関西の得意な分野で連携をすることによって、国際競争力を付けようというのが、今回の特区の一番の思いであります。ですから、関西の 9 拠点、これまでそれぞれ一生懸命やってきたわけでありますけれども、例えば、スーパーコンピューターが神戸にある。これを他の拠点でも利用できるようにした方がですね、もっと大きな医療ができるのではないだろうか。医療とバイオと、そして様々なナノの問題、こういうものを組み合わせることによって、それぞれの得意の分野を組み合わせることによって、新しい分野を開拓できる。そういう大きな視点を持った形で、今回場を持とうというのがこの特区であります。スケールメリットを活かし、バラバラになりがちであった各拠点の連携によってスピードアップや相乗効果を高めていく。これによってこれは本来、国が考えた特区のスケールより遥かに大きなものになってしまったんですけれども、それに合わせていただいたということであります。

総合特区申請では、学研都市におきましては、旧私のしごと館の無償譲渡に向けた国有財産法等の改正や、スマートグリッド技術確立に向けた電気事業法の改正など数項目の規制緩和を提案しておりますけれども、現在、この問題について、関係省庁と事務協議を行っておりますけれども、財源確保の目途や規制緩和の必要性等の観点から、なかなか国の方のハードルは高いのが現状であります。思いきればいいと思うんですけれども、まだまだ厳しいものが多くて、全国的に規制緩和項目が多数に及んでいることもありまして、もう一つスピードが上がっておりません。したがいまして、協議体制をもう少し絞り込んで、事務レベルから政務レベルに上げて協議を重ね、4 月の末を目途に一定の結論を導き出すことといたしておりますので、これに向けて私どもも、しっかりとした対応をしていきたいと思います。

関西イノベーションによる京都の利点ですけれども、だいたい今申し上げたことに尽きると思うんですけれど、やはりこうしたことをやっておりますと、京都というと学術研究拠点ですから、こうしたものでは自然と京都の力が高まってくると思いますし、中小企業の成長の原動力という点でも、京都にとっての大きなポテンシャルがあると思います。

ips 細胞等の最先端の研究における産学公連携をはじめとした新しい研究ですとか、グリーン分野におけるスマートグリッド実証実験、これはやはり京都の次世代電池の研究等も非常に得意ですので、大きな力になって、京都産業全体にも振興につなげていきたいと思っております。

ただ、関西全体の事情があって、初めて京都の事情があるという考え方の方が、今は取りやすいのではないかなと私は思っております。

あとは、この中で税の問題等も積極的にやったらどうかとの話も御指摘があったわけですけれども、臨海部に膨大な企業用地を有する大阪と違いまして、大規模な開発等が京都は非常に難しい。京都がやはり得意とするのは最先端の大学やオンリーワンの技術力を持った中小企業の集積、こうしたものを活かしていくというところがやっぱり京都らしい強みを活かした産業振興政策ではないかと思いまして、その点から申しますと、今回は中小企業応援条例や立地条例を改正し、つまり立地条例というのは不動産取得税の減免の期間を伸ばす、こういうことをしながら、中小企業の育成、産学公の連携、こうした分野に我々は、やはり焦点を絞った形で産業育成手法をとっていきたいと考えております。

次に、京都コンテンツ産業総合特区についてでありますけれども、このコンテンツ産業というのはやはり、ライフスタイルの変化やインターネットの普及、デジタル放送の多チャンネル化が進む中で、本当に大きな発展を遂げておりまして、2020 年には国内外で 20 兆円の市場という巨大市場に成長すると予測されております。

また、日本発のゲームがそのキャラクターグッズを含めた多角的展開によりまして、世界で約 3.5 兆円の市場を生み出している例に見られますように、これはものづくり産業や観光などの幅広い分野にも、たいへん大きな波及効果を期待できる分野だと私は考えております。

特に京都は、映画、ゲーム、アニメなどコンテンツ関係の企業や大学が多数立地しておりますし、コンテンツ産業を振興する点では、大変優位性を持っていると思っておりますので、京都産業の未来展開の上でこの優位性を活かすことこそ大きな発展の土台ではないかと私は考えております。

そのため、京都コンテンツ産業総合特区を申請し、「KYOTO CMEX」などの成果もございまして、異分野のコンテンツを組み合わせたコラボレーションを行いまして、クロスメディア展開によって、今までにない新しい市場開拓を目指していきたいと思っております。

総合特区制度の指定は、こうした産業発展の基盤を作るために、規制緩和や優遇措置等を活用して人材の育成、国際発展、新事業創出などの一段の加速を狙うものでありまして、具体的には、クリエイターの集う交流拠点やインキュベート施設を整備して人材を育成していく。さらには、国祭展開や新事業創出のための税の減免措置を溝じて、内外のこうしたコンテンツ関連産業の集積を高めていく。その上で、政策環境の整備のために、例えば、著作権処理システムの導入ですとか、建築基準法上の緩和措置による共同利用オープンセットの整備などを検討していきたいと思っております。

かつて日本のハリウッドといわれた太秦、そして任天堂など、世界的なゲームのコンテンツを生み出してきた京都が、これからも日本を代表する国際的なコンテンツ産業の拠点となるように、総合特区の中でもハードルの高いと言われております国際戦略総合特区の指定に向けて、オール京都体制でチャレンジしていきたいと思っております。

次に、海外人材の活用についてでありますけれども、私どもは「KYO の海外人材活用プラン」におきまして、御指摘のありましたように「海外人材ジョブカフェ」を開設いたしまして、そこで一定の成果を挙げております。

また、例えば、「STS フォーラム」ですとか、「KYOTO 地球環境の殿堂」等におきまして、海外から多くの文化人等を招いて、その時にコラボレーションを行っていくとか、留学生の体育大会やクッキング大会にも、日本の方にも来ていただいたり、留学生の居住環境の改善から、さらには海外の文化の交流までやってまいりましたけれども、若干やはり総花的なところがございましたので、こうした実例を踏まえて、今後は、後発の「明日の国際交流推進プラン」では、留学生を 10 年間で倍増させるという一つの目標を立てて、集中的にこの問題に取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。

そのために、留学前の支援としましては、例えば、京都府と京都市と大学がバラバラにホームページを使ってやっていたのではいけないので、これを一元化していくことや、短期留学生に府内各地での体験研修など京都の魅力を知ってもらう、そうしたものを行って正規留学に繋げていくとか、在学中の支援では、これは本来 3 月 23 日からいよいよ「きょうと留学生ハウス」、大きな規模ではありませんけれども、こういうものもオープンできますけれども、更にきめ細かい相談体制を作っていく。そして、就職時の支援といたしましては、今回は留学生・企業向け相談の日数の増加体制を考えておりますし、いよいよ「京都ジョブパーク」に統合することによって、「海外人材ジョブカフェ」で培った中でのものを活かして、ジョブパークの京都企業とのマッチング技術というものを融合することによって、非常に幅広い形で私は「海外人材ジョブカフェ」で培った機能を活かせるのではな いかなというふうに思っておりまして、就職数の更なる増加に繋げるようにしていきたいというふうに思っております。

名誉友好大使につきましても、単発的には、上海ビジネスサポートセンターのスタッフとして活躍いただいている方もいらっしゃいますし、色々な点があるんですけれども、これからは、御指摘のようにシステムが必要だと思いますので、例えば、フェイスブックのような SNS のサービスを使って、全体としてお互いに交流できる環境を作る、そうした中でフォローアップ体制についての組織化というものを図っていきたいというふうに思っているところであります。

今後とも、大学や経済界、京都市と協調・連携をしながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております

○教育長(田原博明君)

中小路議員の御質問にお答えいたします。

「府立高校生グローバルチャレンジ 500 事業」についてでありますが、高校生に高い語学力と豊かなコミュニケーション能力を身に付けさせるとともに、異文化理解を促進し、豊かな国際感覚の育成を図るため、高校生の海外留学や英語力向上のための実践研究校での取組などを実施しようとするものであります。

特に、海外留学につきましては、単に語学研修にとどまらず、高校生に目的意識を持たせる取組として参りたいと考えております。

このため、本府と友好提携を結んでいるエディンバラ市をはじめ世界各地で、例えば、現地で演劇やスポーツの指導を受けたり、先進的な経営をしている農業で働くなど、将来の夢の実現に向けてチャレンジする高校生を支援することといたしております。

この事業を通じて、今後 5 年間で 500 名の高校生が海外で様々な経験ができ、世界に飛躍する契機となるよう、積極的に取り組んで参りたいと考えております。

また、英語力向上の実践研究校におきましては、英語指導助手による指導やトーイックなど外部の検定試験を効果的に活用した取組を進めるとともに、留学や旅行で日本を訪れる学生との双方向の交流を積極的に行うなど、生きた英語に触れる機会を充実させ、異文化を理解し尊重する資質や能力の育成を図って参りたいと考えております。

府教育委員会といたしましては、京都府の特色を活かした多様で国際色豊かな取組を通じて、将来、国際社会で活躍できる「グローバル人材」の育成に取り組んで参ります。

◯中小路健吾君

新産業の創出には長い期間を要するし、成果を評価するということが非常に難しいことはよく理解している。

ただ、いろんな分野に対して、いろんな施策が今、展開されている中で、その投資をしてきた結果が今、どれくらいの立ち位置にあるかという結果がなかなか見えてこないところに、果たしてうまくいっているかどうかが分かりにくくなっていると思われる。これだけ幅広く施策展開を行っている中で、府としても産業振興のビジョンと時間軸をどの程度持って、今どこに事業の進捗があるのかといった計画やビジョンというものが必要になってくると思うので、その在り様も含め、検討していただきたい。