議会活動

(社)京都府森と緑の公社の経営問題について

平成 22 年 11 月定例会:代表質問 (4)

◯中小路健吾君

次に「社団法人京都府森と緑の公社」の経営問題についてお伺いします。
京都府森と緑の公社は、昭和 42 年、京都府、府内市町村、京都府森林組合連合会の出資によって、分収林特別措置法に基づく分収造林事業や森林の経営・施業の受託に関する事業などを行うことを目的として設立された本府の外郭団体でありますが、木材価格の大幅な下落、伐採収入が得られるまでの間、自主財源がない中で借入金に頼って事業を実施せざるを得ないという構造的な要因、公益的な観点から造林が困難な山間奥地での事業展開を行っている点など、様々な課題を抱えつつ、その経営の先行きに大きな懸念が示されてまいりました。

一昨年6月の私の代表質問では、2007 年度末現在での累積債務が 211 億円、事業終了を予定している 2064 年度末には累積債務 636 億円、収入見込みが 132 億円、差し引き債務が 504 億円にものぼるという見通しが示され、知事からも極めて深刻な状況であり、損失補償をしている府の財政に対する影響も大きいという危機感が表明されました。

その後の状況を見ても、累積債務は 2008 年度 216 億円、2009 年度 222 億円となっており、民間金融機関からの資金調達も困難なものになりつつあるとお聞きをしております。

また、京都府からの貸付も平成 21 年度で 25 億円にのぼるなど本府財政への影響も決して小さいものではなく、そのリスクへの対応と改革の必要性はますます高くなっているといえます。

知事はこうした課題に対して、第一に、分収造林事業という施策を推進してきた国の責任や貸し手としての旧農林漁業金融公庫、現在の日本政策金融公庫の社会的責任なども明確にし、国との協議を行っていくという方針を示されました。

この点につきましては、全国的にも同様の課題を抱える府県とも連携をしながら国に働き掛け、「林業公社の経営対策等に関する検討会」を設置、昨年6月に最終報告書が公表されました。

その中では、利子負担軽減に向けた公庫資金の拡充、事業負担の軽減につながる国庫補助制度の充実、全国統一の森林資産評価基準の作成などが盛り込まれ、本府としても一定評価できる内容であり、その着実な実行を求めていくとのご答弁を昨年の6月定例会でいただいたところです。

そこで、まず、こうした検討会での結果を受けた具体的な成果がその後どのように現れているのか。また国との協議の状況はどのようになっているのか。お伺いをいたします。

第2に、改革の方向性として、本府における公社経営のあり方についても問題提起をされました。 その一つが、事業コスト低減に向けた様々な経営改善努力とこれから伐期を迎えていく森林資産をいかに活用していくのかという観点であり、まさに公社としての経営のあり方が問われています。

そしてもう一つが、収益を前提とした経済林から、森林の持つ公益的機能を重視した環境林へのシフトであり、もちろんその過程では、分収契約そのものの見直しが不可欠になります。

こうした改革の方向性を考えた時、現在の公社方式による運営のあり方そのものも見直していかなければならないのではないでしょうか。

同様の課題を抱えた他県では、公社を解散し債務と事業を県が直接引き受けたりするなどの動きも出ています。そうした他府県での動向も注視しながら、本府においても公社のあり方や事業そのもののあり方について抜本的に検討すべき時期にきているのではないかと存じますが知事のご所見をお伺いいたします。

◯知事(山田啓二君)

次に、森と緑の公社の経営問題についてでありますけれども、公社が国の造林政策に応えるためにそもそも民間では採算のとれないような地域において、昭和 42 年から分収造林事業を都道府県が担ってきたという経緯があります。

その後、ライフスタイルの変化や外材の増加などがありまして、ただでさえ採算のとれないところは、もはや悲惨な状況になりつつあるというのが現状であります。

そして、ただ私は、この問題は抜本的な解決のためには、都道府県が全て被るという形でなくて、関わってきた国としての責任を明確にすべきでありますし、森林所有者もその中で役割と責任を明確化していかなければならないと思っております。

従いまして、この政策を主張してきた国に対して、まず国の責任を明らかにするためにも検討会の設置を要請し、その結果、日本政策金融公庫資金の融資対象資金の拡充や、府県が利子補給を行った場合の特別交付税措置の拡充などが実現したところでありますけれども、引き続き、私たちは国の責任をさらに明らかにしていく必要があると考えておりまして、たとえば、利子負担軽減のための助成制度の創設や、公庫資金の繰り上げ償還、事業費負担軽減のための森林整備事業や補助率嵩上げなどを要望しているところであります。

また、森林所有者に対しましても、厳しい経営状況の中で、分収割合の変更、契約期間の延長などをお願いしていかなければなりません。

いかに原価がかかろうと、いかに赤字が出ようと全て利益は分収するというのは、今の契約状況の中で私はどう考えても理屈に合わないというふうに思っておりまして、そのためにもこれから分収契約の変更を求めていかなければなりませんけれども、すでに相続等によりまして全てに個々に当たっていくことが大変難しい状況にありますので、これは、所有者の半数の同意で契約の延長や改定が可能となるような特別立法の制度の要望も行っているところであります。

他府県では、公社の解散の動きもありますし、私としてもそうした方向というものを見据えていかなければならないと考えておりますけれども、今申しましたように、国や所有者に対しても、責任を求めている段階に置いて、公社を解散することは、責任が不明確なまた分担が不明確な形になりますので、そうした状況を踏まえながら今後公社の存廃についての判断をしていきたいというふうに考えているところであります。

京都府といたしましては、その間は、これまでから事業費の助成や無利子資金の貸付等を行いまして、公社の経営支援に努めるとともに、公社自身も、徹底した人員削減や効率化等によって経営改善をこれからも進めていきたいと思っているところであります。

こうしたことを通じ、府民の財産である森林が、しっかりと次の世代に引き継がれるように努力をしてまいりたいと考えております。