議会活動

児童ポルノ規制について

平成 22 年 11 月定例会:代表質問 (3)

◯中小路健吾君

次に児童ポルノ規制についてお伺いします。

いわゆる児童ポルノについては、かつて日本は国際社会からその供給大国・消費大国として厳しい批判を受けてまいりましたし、現在でも先進国の中ではその規制の緩さが指摘をされています。

また、インターネットの普及・拡大によって、児童ポルノ画像の流通はより簡易になり、画像そのものの流出が急速に拡大しつつあると同時に、その内容も過激化・悪質化するなど、想像を絶するような事態が生じていると指摘されています。このことは、言い換えれば数え切れないほどの子どもたちがその被害にあっているということを意味します。

さらには、児童ポルノ画像がインターネット上で一旦流出をすると、その回収はほぼ不可能になるとも言われ、被害にあった子どもたちの苦しみも将来に渡り続くこととなります。

実際に、検挙された児童ポルノ事件の概要をお聞きしますと、被害児童にわいせつ行為をした後に写真撮影を行うなどして児童ポルノを製造した事案などに加えて、女子児童が金品欲しさから自分の裸の写真を撮影していた事案や実母らが実の娘の画像を「商品」として販売していた事案など、その問題の根深さ、大きさに衝撃を受けざるを得ません。

全国的な統計によると、児童ポルノ禁止法違反の送致件数の推移は、平成 12 年には 170 件、平成 16 年までは同様の水準で推移しますが、平成 17 年以降 470 件、平成 20 年 676 件、平成 21 年 935 件、平成 22 年は 10 月末現在で 1,118 件と増加傾向にあり、被害児童数の推移についても、平成 12 年には 123 人、平成 17 年には 246 人、平成 20 年 338 人、平成 21 年 405 人、そして平成 22 年については 10 月末現在で 520 人と増加しています。 さらには、被害児童のうち約 15%が、抵抗するすべを持たない小学生や未就学児だということでもあります。

もちろん、こうした急増は、児童ポルノ問題への注目が高まるにつれ表面化してきたものと考えられますし、これらの数字はあくまで児童ポルノ禁止法違反の数だけです。現行の児童ポルノ禁止法での規制の対象が児童ポルノの製造や販売などに限られていることを考えると、ネット上での児童ポルノの拡散とその被害の実態はさらに拡大していくものと推定されます。

さて、本府における児童ポルノ規制ですが、山田知事が本年4月の選挙戦で提示されたマニフェストにおいて、「日本で一番厳しい児童ポルノ規制条例を策定する」ことを提示され、その後、児童ポルノ規制条例検討会議が設置、11月までで3回の検討会議が開催されてきているところです。

そこでまず、こうした児童ポルノ規制条例について、現状認識および本府で検討を始めた目的について、知事の基本的なお考えをお伺いします。

今回の条例の検討に当たって、一つの論点は規制の対象・内容をどの範囲にするかということです。 現在の検討状況では、実在の児童が被写体となっている表現物を規制対象とすることとされているようですが、これは、漫画やアニメなどを検討対象としないことで「表現の自由」に関する議論を回避しようとするもので、この点については、賛否を含め様々な意見もあります。

また、禁止・処罰化の対象を単純所持まで拡大するか否かについても、今後議論がなされることかと存じます。 二つ目の論点はいかに実効性のある規制や制度を担保できるかという点です。

いかに厳しい規制が条例に盛り込まれても、そうした規制が担保されるにはやはり取締りなどの実行体制が構築されなければなりません。

児童ポルノ画像がインターネット上で流通しているという現状を考えた場合、都道府県単独での規制というのは技術的にも非常に難しいものではないかと存じますし、被害画像そのものの回収など、被害が生じた後の対策も難しいものがあります。

こうした課題を抱えつつ、現在、検討会議で慎重かつ迅速なる検討をしていただいているところではありますが、まずは、実際に被害にあっている子どもたちが存在しているという事実を重く受け止め、被害の拡大防止・根絶、被害児童へのケアなど子どもの立場に立った対策が必要かと存じます。

また、同時に府民全体で児童ポルノの現状とその悪質性・犯罪性を改めて共有すると同時に、警察や教育委員会など関係行政機関との連携もすすめていくべきだと存じますが、知事のご所見をお伺いいたします。

◯知事(山田啓二君)

児童ポルノ規制についてでありますけれども、議員御指摘のとおり本当に依然多くというか、拡大していく形で児童ポルノの問題が広がっています。

特にインターネットの普及に伴いまして、誰でも簡単に児童ポルノの閲覧・入手が可能な状況にあり、一旦ネット上に流通したデータは回収不能の中で、被害児童は将来にわたり耐え難い苦しみを受け続けることになる。本当に私は、ゆゆしき人権問題であると思っております。

私の場合には、特にこの人権問題、子どもの人権を守りたいということで、この問題にアプローチしてきたわけでありますけれど、特に子どもたちの被害を繰り返さない気持ちは、子どもを持つ親にとって共通の気持ではないかなと考えておりますし、その中において、できる限り地方公共団体としても先駆けとなるようにこの問題に対処すべきであり、これは行政を預かる者の責務であろうと思っております。

特に京都というのは、日本の文化の個京都いうべき地でありまして、文化に対しては、はっきりとした見識と見解を持つべきだと考えております。私どもの、京都の思いやりを基本にした文化と全く相容れない児童ポルノの犯罪に対しまして、京都府は絶対に許さないという決意を示すべきと考え、この条例の策定を考えたわけであります。

児童ポルノ規制につきましては、法的課題も含め多面的に検討する必要があることから、学識経験者を委員とする検討会議を設置しまして、あわせて、青少年団体やインターネット関係事業者からも意見の聴取を実施しているところであります。

今、この条例に盛り込むべき内容としては、条例の目的は児童ポルノの被害から児童の人権を守ること、そして規制する対象は実在の児童が被写体となっている画像等とし、その所持・取得についても規制していくこと、さらにインターネットについてはサイトの発見通報や削除協力を努力義務とすること、また被害児童の保護・ケア等に対してしっかりと取り組むこと、などについて議論をいただいているところであります。

今後、さらに議論を深めながら、罰則も含めて実効性のある条例となるよう検討を進めますとともに、御指摘のとおり府民ぐるみで進めていかなければならない問題でありますので、そうした運動をしっかりと進め、広報啓発にも努力して、府民全体でこの問題の悲惨さを共有して取り組めるようにしてまいりたいと考えているところであります。