議会活動

京都府の人口変動について

平成 22 年 11 月定例会:代表質問 (1)

◯中小路健吾君

民主党京都府議会議員団の中小路健吾でございます。
私は会派を代表いたしまして、先に通告しております数点につきまして、知事ならびに関係理事者に質問をいたします。

まず今定例会に提案されています補正予算案についてでありますが、現下の大変厳しい雇用情勢や国の補正予算や経済対策等に呼応した安心・安全対策が盛り込まれたものとなっています。

とりわけ大学生・高校生等の新卒者の就職内定状況は大変厳しいものとなっており、まさに対応すべき喫緊の課題です。今回の高校・大学新卒等未就職者対策については、対象者の拡大や研修期間の延長、また新規施策として新卒未就職者の継続雇用につなげていくため、企業とのマッチングを図る「企業公募型就職対策」など、評価できるものが計上されています。

併せて、国が新たに措置することとなりました子宮頸がん予防ワクチンやヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンなどの助成制度につきましても、制度の拡充や新設を行うなど府民の安心・安全にとって必要かつ時宜にかなったものであり、我が会派としても高く評価する次第です。

さて、今日、我が国を取り巻く環境、あるいは京都府や市町村など地方自治体を取り巻く環境は内外を問わず激しい変化の時代にあり、そうした変化にいかにして適応しいくかが問われています。

そうした変化のうち、内在的かつ最も深刻な変化が人口減少という現実です。

人口減少という現実は経済活動の面においても、またそれに付随して行政運営を行うための財政的な面でも大きなマイナスのインパクトを与えるものだと言えます。

また、外的な変化としては経済活動のグローバル化に伴う世界的な競争の激化が挙げられます。そのことの是非や功罪を問う議論もあろうかと存じますが、もはやそうした現実を我々は受け入れることを拒否できる状況にないこともまた事実ではないでしょうか。

こうした、変化の時代にあって、我々地方自治体のあり方、行政運営のあり方もやはり大きく変化をしていかなければなりません。

そうした観点から以下、数点につきまして、質問をさせていただきます。

まず初めに、今後の京都府の人口変動についてお伺いします。

本府における平成 21 年 10 月 1 日現在の推計人口は 263 万 1441 人とされ、対前年同月比で 3693 人の減、0.1%のマイナスとなっており、平成 17 年以降5年連続での減少となっています。

また、出生者数と死亡者数の差である自然動態を見ても、平成 21 年はマイナス 2133 人 で、平成 17 年度以降は自然減少となっています。同様に、転入者と転出者の差し引きである社会動態を見ても 1976 人の転出超過となっておりますが、これは昭和 53 年以降続いている傾向で、大規模住宅開発の影響と考えられる昭和 57 年・58 年、阪神・淡路大震災の影響と考えられる平成 7 年を除いては毎年、転出超過が続いています。

さらに、京都府統計書によれば、今後の人口推計としては、10 年後の平成 32 年(2020年)には約 253 万人、これは平成 17 年を基準とすると 5%弱の減少となり、20 年後の平成 42 年(2030 年)には 237 万人、同じく 17 年比では 10%強の減少という予測がなされています。

また、人口構成では 15 歳から 64 歳までのいわゆる生産年齢人口が平成 17 年には約 176 万人であったのが、平成 32 年には約 152 万人、平成 42 年には約 141 万人と総人口が減少する勢い以上に激減していくと推測されています。一方で、65 歳以上の老年人口は逆に、平成 17 年で約 53 万人であったのが、平成 27 年には約 71 万人、平成 32 年には約 74 万人と向こう 10 年間は急激に増加を続け、その後は 73 万人前後で推移すると予測されています。

こうした人口変動、とりわけ生産年齢人口の激減や老年人口の増加が、府内での生産活動や消費活動などの経済活動、社会保障などの行政活動に多大な影響を与えることは想像に難くありません。

さて、この間、今後 10 年から 20 年先の京都の姿を展望した「長期ビジョン」や「地域振興計画」などからなる「明日の京都」が府議会においても特別委員会等を通じて議論がなされてまいりました。

そこでまず、こうした本府の府政運営の基本ともなる「明日の京都」を作成するに当たり、人口変動をどのように予測・分析しておられるのでしょうか。

また、今後の人口変動というのは都道府県や市町村単位で見た場合、必ずしも所与の条件というわけではありません。むしろ、地方自治体間の政策的な判断によって変化するものですし、今後そうした人口獲得の競争がさらに激化していくことも予想されます。そこで、本府の基本的な考え方として、行政運営の評価指標としての「人口」というデータをどう 位置づけておられるのか。併せてご所見をお伺いします。

本府においては先般、京都府と市長会、町村会が各市町村の人口構造の見通しをデータで検証し、今後の府や市町村のあり方を議論するための研究会を設立したとのことであります。

研究会では、本格的な人口減少社会の到来に備え、市町村や地域ごとの人口減少や社会保障関係費の増加、経済活動の動向などをデータで取りまとめ、今後の自治体間連携のあり方や行政サービスのあり方について議論をするとのことでありますが、この時期にこうした研究会を設置した目的や論点、さらにはその活用方法等について知事のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。

◯知事(山田啓二君)

中小路議員の御質問にお答えします。中小路議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、今回の補正予算案に対しまして高い評価をいただき、厚く御礼を申し上げます。

まず、「明日の京都」策定に当たっての人口変動の分析についてでありますが、確かにこの問題は非常にシビアな問題となっていますが、基本的には中立性を維持するために我々 は国立社会保障・人口問題研究所の推計を基に、そこから一定の上げ下げをしていく形で考えていかざるを得ないと思っています。ただ、かつての高度成長のころのように巨大な団地を造って人口を増やすといった形の施策はもはやとりようのない時代であることから、その点で人口ができる限り維持され増えるということは地域にとって大きな意味がありますが、それ自身を一つの成果指標としてやっていくことは、前回の新京都府総合計画でも、あくまで参考数値として記述しており、今回もそうした総体の数字について目標数値を設定することはしておりません。

その中におきまして、我々は個々の施策目標としてやっていく中で、人口に対するものについて、いくつかの指標を示すことで、京都府全体の活性化や京都府全体の立ち位置のためのものをつくり上げていくという手法をとっております。

具体的には、例えば、不妊治療助成事業を行っていくことで出生率の回復を狙うことや、増加する高齢者が住み慣れた地域で暮らせるような形にしていくことで定住を促進していくとか、農業などの担い手や観光振興、交流基盤整備、こうしたものを含めて合計特殊出生率や他府県からの転入者の増加、さらにはUターン就業者や観光入り込み客数、また地域の雇用増加につながる企業立地、こうしたものについての人口指標を盛り込んでいるところであります。

ただ、こうすると全体像が非常につかみにくくなるということもあると思いますが、そこは施策を講じながら、全体像についての数字を常に参考として、PDCAサイクルを回すことによって、これから作り上げていかなくてはいけないと思っているところであり、そうでないと、たとえば、外国人労働者問題などの違う問題がでてくることもあることから、そうしたところは峻別をして施策ごとのものとしてやっていく必要があると考えております。

その時に、こうした施策の実行の上では、同時に府内の市町村の違いにも目を向ける必要があると思っております。

人口問題研究所の分析に基づく25年後の府内の人口推計では、人口が増え続ける地域がある一方で、高齢化率や人口減少率がともに40%を超える地域も存在するということであるので、人口減少・高齢化の進展は、地域ごとに非常に多様な状況がこれからの10 年、20年で生まれてきます。

そうした時に、いままでの個々の施策の進捗や適応状況というものについては、市町村に置いて工夫していかなくてはならない。そうした面から「明日の京都」に掲げる社会の姿を実現するためには、こうした市町村の違いにきめ細やかに配慮しながら、連携体制を保っていくということが不可欠であるという観点から、この度、「府と市町村のあり方研究会」を設置したところでありまして、今後、持続可能な地域づくりのための行政と住民の役割分担、市町村・府・住民の連携、地域への支援のあり方等について検討を進め、施策の効果的な実現へとつなげていきたいと考えております。