議会活動

早期療育の支援体制について

平成 22 年 6 月定例会:一般質問 (2)

◯中小路健吾君

次に、早期療育の支援体制についてお伺いします。
学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、高機能自閉症などのいわゆる発達障害については、文部科学省の調査によって小中学校に在籍する約 6.3%の児童生徒が何らかの学習・生活面での特別な教育的支援の必要性が指摘されるなど、その潜在的な対策の必要性が示されてきました。

また、こうした発達障害については、個々のケースによって様々な症例が存在し非常に重いケースから軽度なものまでが存在することが指摘されておりますが、いずれにしても早期の段階で発見し、適切な対応が取られる必要性があります。

このことは、平成 16 年に成立した「発達障害者支援法」の中でも明記されており、国および地方公共団体は早期発見のための必要な措置を講じることが求められています。

本府においてはこうした状況の下、平成 17 年度から 19 年度にかけて中丹西および南丹保健所管内において市町村等と共同して、保育所・幼稚園での5歳児を対象としたスクリーニングと事後支援のモデル事業が行われました。

この事業の目的の第一は、これまでも早期発見の機会として、1歳6か月児健診、3歳児健診があったわけですが、集団生活がスタートする3歳児健診から就学前までの期間において、そうした発見の機会がなくなってしまう点をカバーしようとするものです。

第二の目的は、実際に集団での遊びに加われなかったり集団生活を乱してしまう子どもに対して保育所や幼稚園の現場で対応に苦慮されているケースや就学後の学習に支障を来たすケース、家庭における子育ての負担感の増大に対応しようとするものです。

その後、中丹西および南丹でのモデルケースから得られた成果をもとに、平成 20 年度からは「発達障害児早期発見・早期療育支援事業」として 13 市町村を対象に、平成 21 年度には 18 市町村を対象に、そして平成 22 年度本年度からは京都市をのぞくすべての市町村を対象にと順次拡大し制度化されてまいりました。

そこでまず、これまで取り組まれてきたこうしたスクリーニング等の事業から得られた知見や傾向、今後の課題などについてどのようにご認識をしておられるかお伺いをします。

さて、このように順次拡大してこられた発達障害の早期発見への取り組みですが、平成 20 年度 13 市町村での5歳児を対象としたスクリーニングについては 2,120 名の子どもが、平成 21 年度 18 市町村でのスクリーニングでは 3,513 名の子どもが対象となっており、その内疑い例も含む発達障害の可能性の子どもが 7.5%、集団生活が苦手等その周辺の要支援児が 13.0%という結果だったとお聞きしております。

もちろんこの中には、非常に軽度のものや疑いの可能性にとどまるものなどかなり広い範囲で補足がされているということではあると思いますが、多くの子ども達にその可能性があるという点では尐々の驚きを禁じえません。

同時に、こうしたスクリーニングの結果、何らかの支援や医療的・療育的ケアが必要である子どもたちに対するフォローアップの体制を構築することが極めて重要ではないかと存じます。

現在、本府においては、こうしたフォローアップの事後支援体制として市町村に対する補助を通じて提供する必須のメニューとして、保育所や幼稚園を巡回し具体的な対応方法等について専門家も含めて指導・助言する巡回支援、オプションメニューとして心理・発達面でのチェックを行う発達相談や発達検査、集団活動の中で社会的な能力を学ぶソーシャルスキルトレーニング、保護者に対してほめ方等を指導するペアレントトレーニングなどが用意されています。

また、府としては、医療面からの専門的なチェック・相談を行う発達クリニック、府が運営する「こども発達支援センター」や「舞鶴こども療育センター」、民間施設である「花ノ木医療福祉センター」によって提供される医療的ケア、児童デイサービスや療育教室など療育的ケアなどが用意されてはいます。

私は、この間の、発達障害に対して早期発見の仕組みを導入し拡大してこられた点については高く評価いたします。しかし一方で、早期発見の取組によって新たに掘り起こされたともいえる需要に対して、しっかりとしたフォローアップ体制が十分提供されているかどうかについては不安を持たざるを得ないのではないかと存じます。

そこで次に、こうしたスクリーニング後の事後支援の体制の現状について、本府としてどのように評価され、課題等をどのように認識されておられるのかご所見をお伺いします。

また、そうした事後支援の体制をしっかりと構築しようとした場合、医師や臨床心理士など専門的な人材の育成が欠かせないのではないかと存じます。

そうした人材育成の現状等についても合わせて課題認識を含めご所見をお伺いします。

◯健康福祉部長(浅田良純君)

早期療育の支援体制についてでありますが、発達障害児の早期発見のためのスクリーニングにつきましては、21 年度において、発達障害の可能性があるとして把握された子どものうち約 4 割については、1 歳 6 か月児健診や 3 歳児健診では気付かれておらず、今回集団生活上何らかの課題を有する子どもとして、新たな把握につながったところであります。

こうした点から、スクリーニングは発達障害児を早期に把握し、療育を通じて、問題行動の軽減やスムーズな就学につなげるための取組として効果があると考えておりますが、一方で、どの地域においても判定にバラツキが出ないようにするための判断基準の統一や地域間で大きく差がみられる実施率の向上等が課題となっております。

また、スクリーニング後のフォローアップ体制につきましては、市町村と連携して、比較的軽度な子どもに対しては、保育所や幼稚園での保育士等による支援や専門職によるソーシャルスキルトレーニング、ペアレントトレーニングを実施いたしますとともに、やや重い子どもについては、各地域の児童デイや療育教室に置いて療育を実施するなどの支援を行っております。

さらに、地域での継続的な支援の充実を促進するため、京都府として、関係機関での情報の共有化を促進するための相談支援ファイルの活用、ほめかた絵本を作成し、行動療法に基づく適切な親子のかかわり方に関する技法の普及、保健所配置の臨床心理士が保育所等を巡回し、保育士等のスキルアップを支援するなどの取組を実施しているところであります。

しかしながら、事後支援の受け皿となる児童デイ等の療育の場がまだまだ不足していること、こども発達支援センター等の専門機関との一層の連携の強化が必要であること、さらには療育現場を支える医師や臨床心理士等の人材の養成・確保など、解決すべき課題が数多くあると認識しております。

このため、今年度には京都市を除く全市町村においてスクリーニングが実施されることから、こうした実績も踏まえまして、スクリーニングやその後のフォローアップ体制に関する諸課題につきまして、21 年度の実施状況を十分点検する中で、有識者で構成する発達障害者支援体制整備検討委員会においてしっかりと検証の上、判断基準の統一や療育体制の充実方策などについて対策を講じますとともに、専門的な人材について、医師会や臨床心理士会等関係団体のご協力も得ながら、その養成・確保に努めてまいりたいと考えております。