議会活動

産業廃棄物税の今後のあり方について

平成 22 年 6 月定例会:一般質問 (1)

◯中小路健吾君

民主党京都府議会議員団の中小路健吾でございます。

先に通告しております数点につきまして、知事ならびに関係理事者に質問をいたします。

まず初めに産業廃棄物税の今後のあり方についてお伺いします。

本府においては、平成 17 年の 2 月定例会で「京都府産業廃棄物税条例」が可決され、平成 17 年 4 月 1 日から同条例が施行されました。

その目的は、産業廃棄物の最終処分場への搬入に課税することにより、産業廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用その他適正な処理を促進することとされており、いわゆる目的税として導入をされました。

納税義務者は「排出事業者又は中間処理業者」すなわち府内最終処分場へ産業廃棄物を搬入する者であり、府内最終処分場へ搬入される産業廃棄物の重量に対して1tあたり 1,000 円が課税されます。

税収の使途については、納付された産業廃棄物税額から賦課徴収に要した費用を差し引いた額を、「産業廃棄物の減量化・リサイクル技術の研究開発支援など減量化の促進」「リサイクル施設の整備支援など適正処理施設の整備推進」「産業廃棄物処理情報の共有化等の推進」等の費用に充てるものとされており、「京都府産業廃棄物発生抑制等促進基金」に積み立てられたうえ、当該の事業に使用されています。

さて、こうした産業廃棄物税ですが、導入から5年が経過をいたしました。

同条例の附則では、「この条例の施行後5年を目途として、この条例の施行の状況、社会経済情勢の推移等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じるものとする」とされております。

そこで、この5年間での産業廃棄物税の導入の成果や課題等を検証し、今後のあり方について議論をしていく必要性から、以下、数点お伺いをさせていただきます。
まず産業廃棄物税の大きな目的は、先ほども述べたとおり、産廃の発生抑制にあります。
つまり、従来の法律や条例による規制的手法や行政指導に加えて、税という経済的手法により市場メカニズムを通じて廃棄物の削減に向けた行動を誘導しようとするものです。
平成 17 年度からの産業廃棄物の最終処分量を時系列で見てみますと、平成 17 年度 88,202t、平成 18 年度 88,506t、平成 19 年度 78,070t、平成 20 年度 64,470t、平成 21 年度については 56,362t、そして本年度の予測としては約 51,000tとなっており、平 成 21 年度までの実績を見ても課税による抑制効果が一定現れているのではないかと存じます。

そこでまず、こうした産業廃棄物の発生抑制という観点から、現状についてどのように評価されておられるのかご所見をお伺いします。

また、産業廃棄物の削減等も含めた本府の計画として「京都府循環型社会形成計画」が策定されており、その計画期間も平成 22 年度までとされており本年度が最終年度となっています。

そこで、その計画の達成状況や課題認識等についても合わせてお聞かせいただきたいと思います。

次に、産業廃棄物税の活用・使い方という観点からお伺いします。
産業廃棄物税は目的税として導入されており、先ほども述べたように、その税収の使途については、産業廃棄物の減量化の推進や適正処理施設の整備促進、産業廃棄物処理情報の共有化等に限定されております。

平成 22 年度当初予算ベースでその使途をもう尐し詳細に見てみますと、産業廃棄物減量・リサイクル推進ネットワーク協議会の運営やゼロエミッション・アドバイザーの派遣事業などを含む「産業廃棄物減量・リサイクル推進事業」として 480 万円。リサイクル技術の開発や施設整備への補助事業などを含む「産業廃棄物発生抑制等促進事業」として 2950 万円。また、商工観光労働部が所管する「グローバル産学公研究開発成果展開事業」の一部として 2950 万円、「京都エコ産業推進事業」として 300 万円、合計 6680 万円の予算が計上されており、その多くはリサイクルや産業廃棄物減量のための新技術の開発に使われているのが現状です。

ここで尐し例を挙げてみますと、下水道汚泥を炭化し土壌改良材、ダイオキシン吸着剤、脱臭剤等に活用するための技術開発や動植物性廃油をバイオ燃料に再利用するための装置開発、食品残渣を家畜飼料へと転用する技術などの開発に使われているとのことです。

こうした技術開発や研究開発への取組を短期間で実用化・事業化していくということ、絶対的・客観的に評価をしていくことは非常に難しいことではありますが、こうした事業の進捗や現状について、本府としてどのように捉えられているのかそのご見解をお伺いします。

その上で、毎年度の「税収」とその税収が積み立てられている「基金」の年度末残高の状況を経年変化で見てみますと、初年度の平成 17 年度は税収約 6521 万円に対して基金残高約 3804 万円、平成 18 年度は税収約 8888 万円に対して基金残高約 7786 万円、平成 19 年度は税収約 8136 万円に対して基金残高約 1 億 1033 万円、平成 20 年度は税収約 6756 万円に対して基金残高約 1 億 1506 万円、平成 21 年度は税収約 5521 万円に対して基金残高約 1 億 2947 万円となっています。

つまり、税収は先ほどの課税による産廃発生抑制効果によってある意味順調に減尐をしています。しかし一方で、毎年入る税収から毎年使う事業費を差し引いても基金残高については増加をしているのが現状だと言えます。

その意味においては、税収の活用の仕方、税収の使い道という観点から尐し見直しをしていくべき時期に来ているのではないかと存じます。

目的税という性格上、その使途が当該目的に叶うものでなければならないという点は言うまでもありませんし、適正に納税をしていただいている方が公平性の観点から納得していただける使い道でなければならないことも当然のことです。

しかし、現状のようにリサイクル技術の開発や廃棄物減量のための新技術の開発なども毎年定量的に確保していくには限界もあるでしょうし、そのことが有効であるかどうかを検証していくのも非常に難しい点があります。

その意味において、産業廃棄物税導入から5年という節目を迎えるにあたり、その使途のあり方についても柔軟に見直しをしていかなければならないのではないでしょうか。

また、この4月の知事選におけるマニフェストでは、廃棄物の排出サイドでもあります
産業界や廃棄物処理団体、京都府が協調をし、産業廃棄物の減量及びリサイクルに取り組むための「産業廃棄物リサイクルセンター」の開設がうたわれております。その構想および実現に向けた道筋について知事のご所見をお伺いします。

◯知事(山田啓二君)

中小路議員の御質問にお答えいたします。

産業廃棄物税についてでありますけれども、制度施行依頼、産廃税の課税標準となります府内の最終処分量は、年々減尐しておりまして、平成 17 年度の 8.8 万トンから平成 21 年度は 5.6 万トンへと 36%の大幅減になっています。

その要因としましては、産廃税そのものによる抑止効果とともに、事業者による廃棄物の減量・リサイクル努力もありますけれども、同時に最近では景気の低迷ということもありますだけに、これは楽観できないなと思っておりまして、現在、産廃税の施行状況等について、もう尐し状況を見ていく必要があるのではないか、そうして、関係業界の意見聴取なども一緒に進めて行く必要があるのではというふうに考えております。

また、「京都府循環型社会形成計画」では、府内で発生する産業廃棄物の府外処分を含む最終処分量を平成 11 年度 37 万トンから 22 年度に 17 万トンに削減する目標を設定しております。こちらのほうも順調に来ておりまして、推計値ではありますけれども、平成 20 年度では約 19 万トンまで減尐しているところあります。

この中で今後の課題となってまいりますのは、やはり下水の汚泥でありまして、ここは、なかなか有効なリサイクルができないまま、発生量の 4 割近くを占めておりますし、今後も増加が見込まれております。それから、レアメタルなどのように単純には廃棄物といえないものが出てきておりますので、多様化に対応する態勢も必要となってきているところ であります。

こうした課題に対応するために、まず、下水汚泥に関しましては、本年度新たに、これを土壌改良材として、民間の会社も入ってやっていこうじゃないかという、再生利用の開発を、私共重点的に支援をして行きたいということで、必要な予算を本議会にお願いしているところであります。

レアメタルの回収などにつきましては、どちらかと言えば市町村が中心に行っておりますけれども、私どもも、ゼロエミッション・アドバイザーの派遣や事業者に対する情報提供などの取組を推進しているところであります。

次に、産廃税を活用した技術開発支援につきましては、これまで、微生物を利用した土木工事用資材の開発など研究開発 7 テーマを助成してまいりましたけれども、議員御指摘のように、まだまだ、アイデアが現実に結びつかない、商品化や市場開拓という面からすると非常に難しい面がまだ残っておりまして、この隘路の部分を克服するために、今後とも、京都産業エコ推進機構を活用した新技術の事業化についての取組を支援してまいりたいと考えているところであります。

また、基金につきましては、研究開発支援やゼロエミッション・アドバイザー派遣のほか、減量・リサイクル施設整備への助成、そして、リサイクル情報のデータベース化による、提供、事業者に対する研修事業などに活用してまいりました。

厳しい経済環境によりましてリサイクル設備等への投資が低迷する中で、基金残高の方は増えていますので、その有効利用を図るために、排出事業者や処理事業者、学識経験者などで構成する「減量・リサイクル推進ネットワーク協会」で議論をしていただきまして、まず、本年度から、大学等研究機関との共同研究に対する補助率の引き上げ、小規模な減量・リサイクル施設を補助対象に追加するなど制度の活用、基金の活用を図って来ているところであります。

さらに現在、基金の利用範囲の拡大を考えておりまして、そのひとつが御指摘のありました「産業廃棄物リサイクルセンター」でありまして、府内の排出業者と処理業者、そして、リサイクル業者を結びつけることによって、より効果的な廃棄物の処理から、是正、リサイクルを一貫して行える体制を作っていこうではないか、というふうに考えておりまして、本年度、この協議会を中心に、産業界や廃棄物処理団体などとの協議を進め、来年度開設をし、そのときに、運用については、この基金も使っていきたいと考えているしだいであります。

こういったことを通じまして、産業廃棄物税のこれからの適正化、また、産業廃棄物行政の効率化を図っていきたいと考えているしだいであります。