議会活動

児童虐待防止対策について

平成 21 年 11 月定例会:代表質問 (3)

◯中小路健吾君

次に、児童虐待防止対策についてお伺いします。
平成18年10月に長岡京市内で発生した大変悲しい虐待事件から3年が経過をいたしました。その後、様々な対策がなされてはいるものの、未だなお子どもが犠牲となる悲しい事件を報道等で目にしてしまうのが現状です。

本府における児童虐待相談の受理件数についても、平成 17 年度 293 件、平成 18 年度 381 件、平成 19 年度 485 件と急激に増加しておりましたが、平成 20 年度には 370 件、前 年度比 76.3%と減少に転じています。これは、宇治、京都、福知山の3つの児相に共通の傾向でもありますが、まだまだ多くの虐待に関する相談が寄せられているといえます。

さて、本府における対策ですが、平成 18 年の事件を受け、48 時間ルールによる安否確認、見守り対応のルール化、虐待相談 IT システムの導入による情報の共有化、保健所への虐待対応専任職員の配置など組織強化といった対策がなされているところです。

また、関係諸機関の連携については、すべての市町村に要保護児童対策協議会が設置されるなど、地域における連携もすすめられています。

さらに、これらの対策や取組みについては、平成 19 年度以降、児童相談所業務外部評価委員会が設置され、様々なケースを事例に取り上げながら、外部からの評価がなされているところでもあります。

そこで、まず、こうした外部からの評価も含め、児童虐待対策に関する現状と課題について、どのように捉えておられるのでしょうか。

近年、本府に寄せられる虐待の相談内容についても、身体的虐待以上にネグレクトが増加しているともお聞きをしておりますが、こうした発見が非常に困難な事例の増加など、対応すべき事例も変化しつつあるのではないかとも存じます。こうした傾向も踏まえたうえで、本府のご所見をお伺いします。 次に、こうした児童虐待問題を考えるとき、本質的な問題の解決という観点からは、虐待そのものを未然に防止すること、あるいは虐待がエスカレートするのを早期の段階で食い止めることにあることは言うまでもありませんが、極めて難しい課題であることも事実です。

以前の質問のご答弁では、子育てに対する不安の解消や地域で子育てを支えあうための相談体制の整備や子育て支援団体とのネットワーク構築を図っていく旨のご答弁がありましたが、その後の取組状況についてお聞かせ下さい。

また、来年度には「家庭支援総合センター」が開設を予定されていますが、児童虐待対策やその未然防止対策においても多くの機能が求められると存じます。そこで、現在、児童虐待対策という観点から、「家庭支援総合センター」が果たすべき役割、具体的な機能等についてどのように考えておられるのか本府のご所見をお伺いします。

児童虐待の問題は、家庭という極めて閉ざされたプライベートな空間で起こる問題だけに、地域や行政などの外部から対応するのが非常に難しい課題です。また、それぞれのケースにおいて、虐待が起こった背景や要因も決して一律ではなく、ケースごとに難しい判断が迫られます。先ほどの、外部委員会の評価報告書の事例や様々な現場で活動をされている方々からお伺いする話からも、そうした状況の中で、現場で事例に当たられている関係者の皆さんが、「保護者との距離感をどうとるか?」「どこまで踏み込んでよいものか?」など、日々、ご苦労と苦悩を抱えながら対応されていることがよくわかります。

確かに、この問題は、家庭生活に対して公共がどのように、どこまで関わっていくのかという極めて難しいものかもしれません。

しかし、まったく罪もない子どもたちが虐待の被害にあっているという悲しい現実あるいはその可能性が私たちの目の前にある事実を受け止めるとするならば、社会全体として虐待に対して深く関わっていくという強い意志をなくして、この問題の解決はあり得ないのではないかと考えます。

本府においては、「京都府子育て支援条例」の第 12 条において児童虐待の防止等の推進を規定はしておりますが、今申し上げたような観点からも、さらに踏み込んだ児童虐待の防止および児童虐待ゼロを目指していくための条例制定を考えるべき時期に来ているのではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いします。

◯知事(山田啓二君)

次に児童虐待防止対策についてでありますけれども、長岡京市で発生しました悲惨な事件に対しまして、検証委員会の提言を踏まえ、京都府としては業務の総点検を行い、迅速な対応や組織的な情報共有、市町村における「要保護児童地域対策協議会」の設置促進など、虐待防止に向けて全力で取り組んできたところであります。

その結果、児童相談所棟の機関による48時間以内の安否確認と情報共有の徹底、それから協議会も全市町村での設置といったような一定の成果を上げて、外部評価委員会からもその店については評価を受けているところであります。

しかしながら、議員ご指摘のとおり、今や身体的な虐待よりもネグレクトのほうが件数としては多いという時代になってまいりましたし、こうした中、なかなか外部から非常に探知しにくい困難な、また複雑化するケースが多くなってきております。相談件数は、ご指摘のように20年度からは一時的に減少しましたけれども、今年度に入ってから、また 2割程度増加が見られます。こうした安心できない状況でありまして、検証委員会からも市町村における安全確認の仕組みづくりですとか、関係機関相互のさらなる情報共有、そして専門性、スキルのアップといったものが指摘をされているところであります。

このため、乳児のいる家庭への全戸訪問の推進や、育児不安や負担感を軽減するため、NPO等とのプラットフォームを踏まえまして、地域の人脈・資源を活用した継続的な子育て支援のネットワークづくりなど体制の整備を進めているところであります。

また、複雑・困難な事例に対しましては、「家庭支援総合センター」、来年度開設予定でありますけれども、ここに福祉司や心理士等の集中配置を行いますとともに、医師・弁護士等による専門家チームの新たな設置、重点的に心のケアの必要な子どもの一時保護など、非常に専門的な立場からの横断的かつ多角的な相談支援できる体制の充実を図ろうというふうに考えておりまして、これが児童相談所をバックアップして、しっかりと体制を整えていきたいというふうに思っております。

条例につきましては、条例という性格上、義務付けや禁止措置などの条例事項の問題がありますので、こうした点を今後検討しながら進めていきたいというふうに思っておりますけれども、まずは「京都府子育て支援条例」、これに基づいた措置というものを徹底していくことが一番喫緊の課題ではないかと考えております。