議会活動

京都府財政の中長期的な見通しについて

平成 21 年 11 月定例会:代表質問 (1)

◯中小路健吾君

民主党京都府議会議員団の中小路健吾でございます。

私は会派を代表いたしまして、先に通告しております数点につきまして、知事ならびに関係理事者に質問をいたします。

はじめに、京都府における中長期的な財政運営の見通しについてお伺いします。

今定例会に提案されています 11 月補正予算案についてでありますが、年末・年度末を迎えるに当たり厳しい状況が予想される中小企業に対する制度融資枠の拡大、失業者や低所得者への生活福祉資金貸付制度の原資追加などの生活支援、未だ明るい兆しすら見えない雇用情勢に対応するための高校新卒未就職者への緊急支援、生活・就労年末緊急ワンストップ相談窓口の設置、さらには新型インフルエンザ対策など総額約 225 億円の規模となっています。

本府では、本年度当初予算において、「京都温め予算」と銘打ち、「雇用・経済」を温める、「生活」を温める、「未来」を温めるという基本的な姿勢が示され、その後、6月補正では総額約 745 億円、9 月補正では総額約 96 億円の補正を行ってまいりましたが、今回の補正予算案も基本的にはその延長線上にあるものであり、知事の「厳しい時代だからこそ公共がより一層の役割を果たすべきだ」という理念に基づくものではないかと存じます。こうした知事の府政運営に対して、我々民主党議員団として高く評価するものであります。

現在、こうした一連の予算に基づいて事業の執行に日々ご尽力をいただいているところかと存じますが、全体としての事業の進捗状況やその成果について、どのように総括されておられるでしょうか。日々刻々と変化する経済・雇用情勢や事業を執行していく中で新たに浮かび上がる課題など、来年度予算の編成作業を向かえるにあたり、編成の指針となる考え方について知事のご所見をお伺いします。

さて、こうした厳しい経済・雇用情勢などに対応するための積極的な予算編成は、当然のことながら、大幅な歳出の増加につながることは言うまでもありません。このことは、今回の 11 月補正を行ったとすれば一般会計予算額が約 9,552 億円となり、昨年度 12 月補正後の約 8,399 億円という数字と比較してみても明らかであります。

一方で、先ほど知事の答弁にもありましたように、本年度の府税収入は大変厳しい状況にあるとのことですが、来年度についてもさらなる減収が懸念されるところであります。

そこで、まず、中長期的な財政運営という観点から、公債費プログラムについてお伺いします。

本年度現時点での府債発行額は予算ベースですでに 1,600 億円を越えています。この中には、臨時財政対策債も含まれておりますし、年度末の決算時において来年度への繰越等が発生する可能性もあるわけですが、平成 20 年度決算ベースの 1,150 億円からは大幅に増加する見通しです。

こうした状況の下、公債費プログラムで計画されているように、平成 24 年をピークに臨時財政対策債や災害復興関連の起債をのぞく府債残高は減少に転じるということは可能とお考えかどうか改めて知事のご所見をお伺いします。また、仮に平成 24 年をピークに府債残高が減少に転じることが可能だとしても、その額についてはどのように見込まれているでしょうか。

併せて、公債費プログラムの運用から5年が経過した現在、今後の公債費プログラムのあり方や課題についてもご所見をお伺いします。

さて、今後の本府の財政運営について中長期的により大きな視点から考えるとき、極めて重要な要素となるのが国と地方をめぐる財政構造改革の方向性です。

現在、国での政権交代を受け、様々な面で変化の兆しが見え始めています。

我々民主党は、先の総選挙のマニフェストにおいて「地域主権社会の確立」をうたい、地方における自主財源の増加を目指した地方交付税制度の改革や「ひもつき補助金」の廃止と「一括交付金」の創設を国民に対して約束をいたしました。

現在、そうした改革のための議論がまさに端緒についたところであり、国で進められている「事業仕分け」もまたそうした議論の一過程に他ならないと存じます。「事業仕分け」については、来年度予算の編成との兼ね合いもあり、廃止や減額といった削減額などその結論だけがあまりにもクローズアップされてしまっている感が否めませんが、あくまで、行政が税を使って行うことの妥当性や合理性、その優先順位について個別事業ごとの論点を明確にするものであり、同時に、分権改革の観点からは、「誰が」その事業を主体的に担っていくべきなのかを議論していくためのツールでしかありません。

その意味において、事業の裏づけとなる財源の議論と表裏一体でなすべきものであり、分権改革を求める地方自治体の立場から言えば、税源移譲や交付税改革、新たな一括交付金制度など、国と地方の財政構造をどのように変えていくのかという議論がセットとして行われてこそ、真の地域主権社会の確立がなされるものだと言えますし、そうした議論の過程において、我々地方の側からもより具体的に制度設計に携わっていく必要があろうかと存じます。

そこで、これからまさに進んでいくであろう、国と地方をめぐる財政構造改革に向けて、知事はどのような姿を目指しながら、国との議論に臨んでいこうとされておられるか、率直な思いをお尋ねいたします。

◯知事(山田啓二君)

中小路議員の御質問にお答えいたします。

中小路議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、府政運営につきまして高い評価を賜り、厚くお礼を申し上げます。

今年度は、雇用・経済問題等で冷え込んでいる京都を温めるために思い切った当初予算を編成し、各補正予算につきましても、一貫して、京都を温める施策を進めてきたところであります。

こうした中で、雇用につきましては、有効求人倍率が全国平均を上回っておりますものの、以前大変厳しい状況が続いております。ドバイショック等によりまして、景気の二番底が懸念される中、なお一層の取組を進めるために、今回も 11 月補正予算をお願いしているところであります。こうした事態を考えますと、これはやはり、かなり長期戦を覚悟しなければならないというふうに思っております。

また、今年講じました多くの温め予算の中には、特に人づくりを中心としたものがございますので、そうした面から、こうした成果が出ていくのも、やはり長い目で見ていかなければならないというふうに考えておりまして、私は、今は、着実に「京都温め予算」を実行していかなければならにと思っているところであります。

それだけに、逆に、地域力再生ですとか、府民公募型公共事業など、府民の皆さんとの連携のもと、京都府の基盤、絆を一層強くする事業が、職員の皆さんの頑張りのもと、一定の成果を上げてきていることを、私は大変心強く思っているところであります。

来年度は、いわゆる骨格的な予算となりますけれども、府民の雇用・生活対策など、年度当初から待ったなしの取組が必要な緊急課題につきましては、その対応は欠かせないと考えており、こうした観点から、今議会にも債務負担行為をお願いしているところでありまして、今後また議会のぜひとも御議決の程を宜しくお願い申し上げたいと思っております。

次に、公債費プログラムについてでありますけれども、今年度は、地方財源の不足を補填する為に、都道府県におきましては、これは、全体として地方交付税が増額されたということになっているんですけれども、増額分の殆どは市町村に振り向けられまして、都道府県の方は、臨時財政対策債の増額で措置をされました。

私は、この制度というのは、まさに先送りの制度ではありまして、国と地方の両方が何となく、責任感を持たないまま、地方の債務が増えていく、なんとかしなければならない制度だというふうに思っておりますけれども、とにかく、人件費を含めまして、基本的な費用を賄わなければならないものでありますので、こういった中で、やはり府債残高が増えているという事実があります。

公債費プログラムにおきましては、こうした国の財政上の都合によるものをのぞいた、府債残高を見ておりまして、今年も投資的経費を中心に、大変のばしましたけれども、今の段階では、これが、一時的なものに止まれば、まだ平成25年度からの減少見込みというものは、困難ではないというふうに考えているところであります。

そうした中で、恐らくピーク時の残高につきましては、今申し上げました、臨時財政対策債等を除きますと、1兆2,000億円をちょっと超える程度になるのではないかなというふうに思っておりまして、それからは、これからは毎年減っていく形になって参ります。

しかしながら、減らすことを目標というよりは、これは、安定的なやっぱり公共事業と、公債費との関係を築いていくためのものでありますから、今後の経済情勢を見据えながら、公債費の適切な管理を行っていきたいというふうに考えているところであります。

次に、国と地方の財政構造改革についてでありますけれども、議員御指摘の通り、事業仕分けというのは、これは、本来、事業の論点を明らかにすることによって、事業の本質的な改革に繋げていこうということを、目的とするものであります。ただ、国の事業仕分けの場合には、膨れあがりました概算要求を抑えるために、歳出の削減に、マスコミも含めて話題が集中してしまった感があります。

しかしながら、問題点はここで指摘された様々なことについて、これから、どういうプロセスを辿って、一番いい方向に持って行くべきなのか、例えば、まちづくり関連事業や下水事業などが地方移管というふうに結論づけられておりますけれども、元々、下水道事業を実行しているのは、下水道事業団を除きますと、都道府県とか市町村でありますので、この移管というものが、一体何を意味しているのか、そして、そういう時に、どういう形で、財源措置を持って行くのか、今回、公共事業も大幅な削減になっておりますけれども、例えば、維持管理など、いつまでも、国が直轄事業でやっているのか、これは、やっぱり、国・都道府県・市町村との間で、きちっとした役割を移管すること、財源も一緒に移管することによって、初めて効果的な公共事業の執行が出来ることによって、この目的が達せられるということを考えますと、議員ご指摘のとおり、これから、オープンな国と地方の協議というものがなければ、こうした事業仕分けの前向きな結論は得られないと考えております。

それだけに、私どもは、真の地域主権社会を目指すために、国と地方の協議の場というものを、設けようということを、今、国に対して申し出ておりまして、そのための交渉がこれから始まって参りますけれども、私も知事会の責任者になっておりますので、本当に形式的な協議ではなくて、実質的な前向きの協議を国と地方がお互いの課題を指摘しながらできるようになるように努力をしてまいりたいと考えております。