議会活動

障害者のグループホームの整備促進について

平成 21 年 6 月定例会:一般質問 (2)

◯中小路健吾君

次に、障害者のグループホームの整備促進についてお伺いします。

本府においては、平成 19 年 12 月、障害者自立支援法の施行や障害福祉計画の策定といった大幅な状況変化を踏まえ、障害者自立支援計画が改定をされました。その中においても、障害のある方々が地域の中で安心して暮らしていける場所が少ないという現状認識のもと、グループホーム等の整備を促進するため、新設や増設に必要な既存建物の改修及び備品購入に対する支援を行う、府営住宅などの府有財産の活用を行う、事業者の経営安定化のため、夜間支援体制の強化や利用者が入院する場合の運営支援を行うなど、住まいの場の確保を図っていくという方針が打ち出されています。

また、本年3月に策定された第2期京都府障害福祉計画においては、こうしたグループホーム等の整備について、定員数を、平成 21 年度で 926 人分、平成 22 年度で 1,078 人分、最終年度の平成 23 年度には 1,225 人分にまで順次拡大をしていくという数値目標も示されています。

そこでまず、この間、本府が進めてこられた障害者のグループホームの整備促進について、グループホームに対するニーズの把握、整備の実績や成果、課題など、現時点での総括をお伺いさせていただきたいと存じます。

さて、こうしたグループホーム等を運営されている事業者の方々からお話をお伺いすると、実際にグループホーム等を設置する際に、さまざまな御苦労があるとお聞きしています。

まず一つ目が、物件の確保です。多くのグループホームが民間の物件を借り上げて運営される中で、そのための家賃は設置後の運営経費の大部分を占めます。その意味で、そもそも物件探しには予算上大変大きな制約があります。加えて、家主の理解は当然のことながら、施設の近隣の方々の理解も得なければなりません。

こうした条件をうまくクリアし、物件にめどがついたとしても、次のハードルがあります。さまざまなグループホームの整備状況を見ていますと、新規に建物を新設するケースよりも、既存の建物を改修するケースのほうが圧倒的に多いのが実態です。こうした改修を行う際、当然のことながら、各種法令での基準をクリアすることが求められます。京都府の場合、建築基準法や消防法など国の法律によって定められている基準に加え、京都府福祉のまちづくり条例に定められた独自の基準をクリアしなければならないことになります。

具体的には、条例第 17 条の「特定まちづくり施設」の別表に掲げられる「老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの」の場合、規模の大小にかかわらず、すべての施設で次のような基準が求められます。例えば、一つに、通路に段差がある場合はスロープを設置すること、二つに、トイレは車いす使用者が円滑に利用できるスペースを確保すること、三つに、エレベーターはかごの奥行きが 135 センチメートル以上のものとすること。これは、小型規格ではなくフル規格の9人乗りを設置しなければならないということになります。幾つか例示をいたしましたが、これ以外にも廊下幅などいろいろと基準が設けられています。

先ほども述べたように、グループホームの設置に当たり、予算面からも非常に限られた物件の中で、既にある建物を改修し、こうした基準を満たすというのは、実際には極めて困難であることは十分に予想されます。こうした実態を勘案したとき、これらの基準が大きなハードルとなり得るケースが数多く生じてくる可能性は否定できないのではないでしょうか。

障害者の方々の日常生活の場であるグループホームにおいても、必要最低限の安全基準などを満たすことが必要であることは当然のことであります。京都府福祉のまちづくり条例の前文にあるように、「心身に障害があっても、高齢になっても、地域社会を構成する一員として、安心して生活を営むことができ、みずからの意思で自由に移動ができ、社会に参加することができるまち」を創出するために、「施設や交通機関等の整備を進めるとともに、日常的に交流し得る地域社会づくり」を行っていくというのは、極めて重要な本府の姿勢だとも思います。

そうした意味において、本府が行うまちづくりの理念、あるいはグループホームの整備促進を図っていくという施策の方向性と、実際に事業が行われている現場で発生しているさまざまな課題の両立を図っていくためには、目標を達成するための手段である条例の運用について、それぞれの現場での実情に合わせた柔軟な運用が必要であると同時に、福祉施策を推進する健康福祉部と実際の条例を運用する建設交通部の連携が欠かせません。今後の条例の運用等について、本府の御見解をお聞かせください。

◯健康福祉部長(浅田良純君)

障害者のグループホーム等の整備促進についてでありますが、グループホーム等は、障害者の地域生活を支える上で重要な施設でありますことから、これまでから、施設の新設・改修や備品の整備等に対する助成を行うほか、府営住宅の有効活用も図りながら重点的に整備を進めてきたところであります。

その結果、本年4月1日時点においては、京都府障害福祉計画で定める 20 年度の必要量を超える 913 人分の整備が図られたところでありますが、今後も、21 年度以降の必要量を確保するため、整備を促進する必要があると考えております。

一方、障害者自立支援法の施行後、グループホーム等における人員配置に係る報酬算定上の評価が十分でないこと等により経営状況が厳しくなっていることから、報酬体系の充実について、引き続き国に対し要望してまいりたいと考えております。

また、京都府福祉のまちづくり条例についてでありますが、条例制定時から、グループホーム等の福祉施設については、規模の大小にかかわらず、車いすで利用できるトイレやエレベーターの設置等整備基準への適合を義務づけてきたところです。しかしながら、条例制定当時と比べると社会的状況が変化し、高齢者や障害者が地域の身近なところで暮らせるよう民家などを改修して小規模な福祉施設を整備するケースがふえてきたことから、御指摘のとおり、条例における基準への適合が必ずしも実態に見合ったものとならない例も見受けられているところであります。

このため、高齢者や障害者が住みよいまちづくりを進めるという条例の理念を生かしながらグループホームなど小規模施設の整備を促進する観点から、実態に見合った適切な対応ができるよう関係機関が連携する中で、規則の改正を含めその運用の検討を行うなど、すべての府民が暮らしやすい福祉のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

◯中小路健吾君

御答弁ありがとうございました。現場のお声を聞いていますと、当然この福祉のまちづくり条例だけにかかわらず、例えば消防法ですとか建築基準法も含めてですが、群馬での事件とか事故がありました関係で、実際、かなり運用も厳しいものになっているということであります。この問題は大変難しい問題でありまして、当然、入居者の方の安全性の確保ということが最優先するという部分については当然のことではありますけども、規制を厳しくすればするほど、今度は、実際には供給の側が追いついていかないということでありますので、その適度な基準というのがどこにあるのかということをしっかり考えていかなければならない。そうなってくると、やっぱりその答えというのは、実際に事業を運営されているそれぞれの現場の中にしか見えてこないと思いますので、その意味では、ぜひ 本府としましても、京都府の南部と北部では状況が違うかもしれませんが、やっぱり幅広い中で実態を把握していただく中で、どういう課題があるのかということについてはきっちりと見ていただきながら条例を含めた運営をしていただきたいなということを要望させていただきたいと思います。