議会活動

産業集積・企業誘致に関する基本的な考え方について

平成 20 年 12 月定例会:一般質問 (3)

◯中小路健吾君

最後に、先ほども少し触れましたが、税源涵養という観点から、本府の産業政策、とりわけ産業集積・企業誘致に関する基本的な考え方について、お伺いをしたいと思います。

現在、我が国においては、企業誘致をめぐって熾烈なまでの自治体間競争が行われています。その背景には、年々厳しさを増す地方財政と地域における雇用確保など、企業の存亡が自治体の死活問題に直結しかねない状況があると言えます。

こうした中で、本府においては、この間、「京都府雇用の安定・創出と地域経済の活性化を図るための企業の立地促進に関する条例」に基づく補助金・低利融資・税の減免を柱とした企業誘致戦略により、着実に成果を上げてきていますし、その積極的なお取り組みに対して心から敬意を表する次第です。

しかし、一方で、こうした熾烈な自治体間競争が過剰化しつつある現状も指摘されており、ある意味で、自治体間でのパイの取り合いは限界に近づきつつあるのではないでしょうか。そこで、これからはパイ全体を大きくしていく視点から産業集積や企業誘致について考えていかなければなりません。

現在、グローバル経済の中での状況を俯瞰的に見れば、ここでもまた同様に、企業誘致をめぐる熾烈な競争が繰り広げられています。まさに、我々は好むと好まざるとにかかわらず、国境を越えた激しい地域間競争の真っただ中にいるわけです。とりわけ、東アジアという土俵だけを見渡しても、中国沿海部での主要都市だけではなく、香港、シンガポール、台湾、韓国の釜山(プサン)など、製造業のみならず、ハイテク産業、観光コンベンション産業、医療産業、物流産業といった、これからの主要産業における主導権争いが激しくなりつつあります。その意味において、日本の中だけでの競争や均衡だけを目指していると、日本全体が国際的な地域間競争に脱落してしまう可能性すらあります。
ではこうした世界的な大競争時代において、我々京都府における産業政策はどうあるべきなのでしょうか。その一つの答えは、若干言い尽くされた感はありますが、これまで培ってきた高い技術力を生かすという点にあります。

先般、政府が先端医療の早期実用化を目指す先端医療開発特区、いわゆる「スーパー特区」の指定を行いました。これは、従来の構造改革特区とは違い、地域ではなく研究機関や企業などのグループを対象にしたものですが、今回の指定の中では関西圏での指定の多さが注目されています。その中には、京都大学や府立医科大学などの研究機関はもとより、島津製作所などの京都企業も名を連ねています。

この背景には、昨年来話題となっている新型万能細胞、いわゆる「iPS細胞」に関して、京都大学に「iPS細胞研究センター」が発足し、国も研究開発に巨額の費用を投じることを決定するなど国家プロジェクトとしての拠点を有することに象徴されるように、再生医療のみならず、医療用ロボットや免疫研究などの分野における関西、とりわけ本府の優位性があるのではないでしょうか。

そこで、こうした状況を勘案したとき、本府の今後の産業政策においても、国を挙げて取り組まれている先端医療をその柱とし、国の施策と連携していくことが必要になろうかと存じますが、いかがでしょうか。基本的な御所見をお伺いいたします。

◯商工労働観光部長(山下晃正君)

先端医療を柱とした産業政策の推進についてでありますが、「iPS細胞研究センター」が京都に設けられるなど先端医療研究が加速しており、産学公の連携により、産業集積や企業誘致につなげていくことが重要であると考えております。このため京都府では、先端医療はもちろん、中小企業が取り組みやすい予防医療、機能性食品の開発など幅広い分野を「ウエルネス(健康創出)」産業分野と位置づけ振興を図っているところでございます。

具体的な取り組みとしては、中小企業が産学連携により研究開発を行う拠点の確保と、入居企業に対する研究開発資金のサポートを行っておりますほか、けいはんな学研都市では、レーザーの研究機関を核としたがん治療器などの開発や、奈良先端大学などを核とした生体計測のための医療用汎用デバイスの開発などにも、中小企業の参画を得て進めているところであります。

さらに、人材育成については、京都大学や京都府立医科大学の協力を得て、iPS細胞など最先端の医療分野から臨床現場に至るさまざまな基礎知識を学びながら、京都のものづくりの強みである計測や材料技術などを生かし、ウエルネス分野への進出を探っていただいているところでございます。

なお、このような先端医療の持つ可能性を幅広く府民に知っていただくため、第5回STSフォーラムでは山中教授に御講演をいただいたところであります。

先端医療分野などの実用化には、人の健康にかかわる重要な問題を抱えていることから、相当な期間にわたる地道な支援が必要なことや、大阪の彩都や神戸の医療産業都市を初めとしたオール関西の連携も必要と考えております。

今後とも、広域連携を図るとともに、中小企業に新たな市場を開拓していただくため、研究拠点の提供や人づくりなどのサポートの充実を図り、先端医療分野を初めとしたウエルネス産業の育成に、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

◯中小路健吾君

二点目、産業政策については、またいろいろな課題もあろうと思いますし、規模としては世界的なインパクトがあるものだと思っていますので、またこれからいろいろな提案なり、ぜひさせていただきたいと思います。

以上で質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。