議会活動

地方分権改革について

平成 20 年 6 月定例会:代表質問 (1)

◯中小路健吾君

民主党京都府議会議員団の中小路健吾でございます。

先に通告しております数点につきまして、知事ならびに関係理事者に質問をいたします。

最初に、現在まさに議論が行われております地方分権改革に関しまして数点お伺いをいたします。地方分権改革をめぐっては、これまでから知事も様々な場面やチャンネルを通じて発言をされております。是非とも積極的なご答弁をよろしくお願い申し上げます。

先般、政府の地方分権改革推進委員会の第 1 次勧告が提出されました。

この中では、団体自治の拡充と住民自治の実質的な確立による「地方政府」の実現を理念とし、「身近な行政はより身近な地方自治体が担う」という、いわゆる「補完性・近接性の原理」に立ったうえで、幼保一元化や教育、医療、生活保護などの「くらしづくり分野」、都市計画や農地などの土地利用、道路や河川の管理といった「まちづくり分野」において、国から地方への権限移譲に関しての勧告がなされています。また、市町村への具体的な事務権限の移譲や補助対象財産の処分の弾力化など、基礎自治体への権限移譲に関しても提案がなされています。

私自身は、今回の勧告について、昨年 11 月に発表された「中間的な取りまとめ」でなされている問題提起に対する回答としては、いささかトーンダウンした感が否めないと思っています。とりわけ、いわゆる「上書き権」を含む条例制定権の拡大など法制面での見直しについては、期待をしていた分、今回の勧告で具体的に踏み込まれていない点は残念な気がいたします。

もちろん、今回の勧告は、来年度中の立法作業を目指した、まさに文字通り「第 1 次」の勧告であるわけで、今後、国の出先機関の見直しや税財政構造の再構築などより難しい課題に踏み込みつつ、さらなる分権の進展とその実効性の担保を期待するところではありますが、政府の地方分権改革推進本部が 6 月 20 日に決定した「改革推進要綱」を見ている限り心もとないと言わざるを得ません。

そこでまず、この第 1 次勧告における「分権」の内容に関して、知事の率直な評価、ご所見をお伺いいたします。

さて、今回の勧告に関して、都道府県という観点からすると、国からの権限移譲を受ける立場でもあり、同時に、基礎自治体である市町村に対して権限を移譲する立場でもあります。

今回の勧告では、基礎自治体への権限移譲については64の法律、359の事務権限を都道府県から市町村へ移譲するよう勧告しています。

そこで、次に本府における市町村への権限移譲に対する考え方についてお聞きします。

本府においては、昨年 10 月に「京都府分権型行政推進本部」が設置されました。この中では、諸課題ごとに行政経営品質や人材育成交流など特命担当チームによって検討がなされ、市町村への権限移譲についても権限移譲・事業共同化チームにおいて議論されてきたとお聞きしております。

そこで、まず市町村への権限移譲など現在の検討状況、検討結果はどうなっているのでしょうか。とりわけ、条例による事務処理特例制度を活用した京都府独自の権限移譲のあり方について、知事のご所見をお伺いします。

次に、こうした市町村への権限移譲をはかるに際して、今回の勧告では、基礎自治体の中でも、市と町村を明確に区分しています。本府においても市町村合併がすすむなど、状況は変化しつつありますが、実際に権限移譲をはかっていく上では、市と町村を一律にすすめていくことが難しい側面もあろうかと存じますが、知事のご所見をお伺いします。

さらに、こうした「京都府分権型行政推進本部」の今後のあり方について、政府の地方分権改革推進委員会での議論が第 2 次、第 3 次勧告と続いていく中で、本府における分権議論の進め方についてはどのようにお考えでしょうか。特に、市町村との連携をさらにすすめていく必要があろうかと存じますがいかがでしょうか。ご答弁をよろしくお願いします。

◯知事(山田啓二君)

中小路議員の御質問にお答えいたします。

地方分権改革についてでありますが、今回の第1次勧告は、これまで手がつけられてこなかった道路や河川などの国の基幹施設に関する権限移譲を盛り込むなど、一定のメニューを示したことは、私は大きな前進ではないかという風に受け止めております。

しかし、権限移譲には、財源と人が伴わなければ、これは単なる地方への負担転嫁に終わる可能性もありますだけに、私はこうしたものの移譲が不可欠であり、本格的な分権についての具体的な協議がこれから始まる、スタートラインに立ったという風に考えるべきではないかなという風に思っております。今後も抜本的な国の出先機関の廃止・縮小や税財源移譲という二次、三次勧告に向けての、いわば第一段階に入ったということでありまして、その段階であまり評価をしてということよりも、こうしたものを的確に進めていくことが必要ではないかなという風に思っております。

また、今回の勧告では、主として市に対してでありますけれども、都道府県から市町村への権限委譲については大きな部分を書いております。まさに都道府県に対しましても、分権の推進を求めているわけでありまして、この勧告を進めていくためにも、京都府としましても、市町村に対して積極的な権限移譲を考えていくことが必要であります。

もともと身近な行政は、できる限り住民に身近な地方公共団体が行うというのが地方分権の理念でありますので、京都府は、第1次分権改革でも279項目の権限を市町村に移譲してまいりました。

ただ、その一方で、福祉・介護などの市町村事務が大幅に増える中で、各市町村からは「これ以上の権限移譲はなかなかもう難しい」という声も出てきたのは事実であります。こうした意見を踏まえて、府といたしましては、市町村による自主的な合併の取組を支援いたしますとともに、情報システムの共同開発や税業務の共同化、相楽東部3町村の広域業務連携への支援などを通じて、小規模な市町村でも住民ニーズに対応した行政サービスが行える条件の整備に努力してきたところであります。

また、府の地方機関の再編に併せて、府民に、より身近な広域振興局に約 1300 近い権限を移譲し、そうした中で市町村との協力を深めてまいりました。

今回、第2期地方分権改革を推進するために、私どもは昨年10月に「京都府分権型行政推進本部」を設置しまして、その中に「権限移譲・事業共同化チーム」を設けましたのも、まさにそうした考えからであります。

今後、第一次勧告を踏まえ、さらに市町村に対する権限移譲を進めるためには、こうしたこの間の経緯を踏まえ、勧告のように、市に対する一律・画一的な権限移譲にとどまらず、基礎的自治体である市町村を支える府として、市町村の自主的なまちづくりを進める観点から各市町村の立場に応じた進め方をしていきたいという風に考えておりまして、そのために 6 月19日に、私と市長会会長、町村会会長とで協議を行い、「第1次勧告に関す る府・市町村の権限移譲推進会議」を設置いたしました。

これからはテーマ別の作業部会を設けまして、勧告に盛り込まれた権限が市町村で効果的に発揮できるように、国の法整備を待たずに、可能なものから段階的に検討を進めてまいりたいという風に考えております。

今後、分権論議は、国の出先機関の廃止・縮小や税財源の移譲へと関心が移っていくことになると思いますけれども、これは同時に道州制議論など都道府県のあり方についても見通しながら議論を進めていくことが求められているという風に思います。

しかし、いずれの場合におきましても、住民に最も近い市町村の行財政能力の強化はその前提となるものでありますので、住民自治の力を強化する地域力の再生とあわせ、府民の視点に立った地方分権改革を目指してまいりたいと考えております。