議会活動

平成19年2月定例会:討論

◯中小路健吾君

民主党・府民連合議員団の中小路健吾でございます。私は会派を代表し、ただいま議題となっております平成 19 年度一般会計当初予算案を初め、すべての議案につきまして賛成の立場から討論を行います。

まず最初に、財政運営全般についてです。

本府の財政を取り巻く環境は、府税収入の増加は見込まれるものの、退職手当の増加や福祉関係経費の増大など歳出面とあわせて考えれば、依然として予断を許さないものだと言えます。府税収入は 3,360 億円であり、平成 18 年度6月補正後と比較すると、プラス 705 億円と大幅に増加しているものの、その内実は三位一体改革による税源移譲分が 400 億円強ということであり、所得譲与税の減額とほぼ相殺されるものです。

また、地方交付税についても、1,430 億円と平成 18 年度からは 72 億円の減額となっており、平成 15 年度決算と比較すると、この4年間で 528 億円のマイナス、臨時財政対策債を含めると、およそ 840 億円を超える減額となっています。

こうした点からしても、この間進めてこられた国の三位一体改革は、表面上の数字だけを見れば「分権」が進んだように見えますが、その中身に関して、補助金改革によって地方の裁量が高まったかといえば、決して十分なものだとは言えません。

また、交付税の改革にしても、「国が果たすべき役割は何か」「地方自治体が果たす役割は何か」という「地方分権」の根幹をなす議論が抜け落ち、国の財政再建という色合いだけが浮き彫りになってきたということは、今定例会の審議の中での知事や関係理事者からの答弁のとおりかと存じます。
こうした大変厳しい状況の中で、「経営改革プラン」に基づく行財政改革を進めることによって健全財政を維持しつつ、「地域力の再生」と「中期ビジョン」の着実な推進を図る来年度予算案を編成された財政運営の手腕について、我が会派として高く評価するものであります。

次に、歳出予算や今回提案されています条例案など施策の推進に関してであります。

来年度予算案の編成の柱となっているのが「地域力の再生」であり、本府が直面している喫緊の課題に重点的に対策を行うものであります。

その1つが、「安心・安全等地域基盤の再生」です。
児童虐待防止対策に関しては、昨年、長岡京市で起こった悲劇を二度と繰り返さないという決意のもと、情報共有の徹底、児童相談所の職員の増強、保健所における虐待専任職員の配置など、積極的な対策が提案されています。

また、京都府警察本部におかれましても、今回の人事異動の中において、児童虐待の専従職員の配置を行っていただくなど、積極的な対策をとられた点も高く評価されるものです。一方で、今定例会中にも亀岡市で虐待事案が発生するなど、悲しい現実として「虐待」が存在することもまた事実です。その意味では、今後一層こうした「虐待」そのものが起こらないようにという視点からも、積極的な取り組みを進めていただきたく存じます。

その他、子育て支援に係る医療費助成の大幅な拡充により、全国トップ水準の制度整備がなされたことは大変高く評価されますし、同時に、医師確保対策においても、あらゆる手段を講じながら対応いただいていることも高く評価されるものだと考えます。

2つ目が、「産業等活力の再生」です。

今回提案されています「京都ジョブパーク」の開設は、若年者、女性、中高年齢者、障害者など幅広い層を対象としたワンストップサービスであり、公労使が一体となりながら企業側のニーズと雇用者のニーズをマッチングさせるものであり、今後の成果が期待されるものであります。

また、今回同時に提案されています「京都府中小企業応援条例」に基づきながら、産学公連携による研究開発支援、金融対策、知的財産の活用支援など中小企業対策を総合的に行われようとする姿勢、企業誘致のさらなる推進を図ることによって、本府の「未来」へと積極的に投資をしようとされる姿勢は高く評価されるものです。

さらに、こうした産業振興の重要な基盤とも言える京都縦貫自動車道について、綾部安国寺-和知間の平成 19 年度中の完成、平成 26 年度の全線完成という明確な方針をお示しいただきました点につきましても、高く評価されるものです。

3点目が、「府民や地域の連携・交流の再生」です。
今回、市町村未来づくり交付金を拡充する形で地域力再生推進枠として3億円が設定されています。これは、これまで本府で推進してきた「府民とのパートナーシップ」によって公的な課題を解決していくという方針をさらに強化するものであります。また、NPO パートナーシップセンターの開設なども、こうした府政運営の方向と軌を一にするものであります。こうした喫緊の課題への対策と同時に、「中期ビジョン」の着実な推進も図られようとされています。

スクールカウンセラーの積極的な配置やフリースクールとの連携強化、「(仮称)家庭総合支援センター」の開設に向けた取り組み、京都モデルの子育て応援中小企業認証のシステムづくり、発達障害のある方への療育・相談支援体制の整備、障害者施設への経営安定化支援、屋上緑化の推進、景観条例に基づく良好な景観形成の推進、安心・安全確保のための警察官の増員など警察力の強化、耐震対策の推進など、これまでから我が会派が提案してきた多くの事項に対して積極的な取り組みを進めていただいた内容も数多く取り入れられたものとなっています。

このように、事業の「集中と選択」によって喫緊の課題、長期的な課題について積極的な投資をされながらも、全国の各都道府県と比較してもトップ水準の財政の健全性が保たれていることは、「財政健全化指針」や「経営改革プラン」による努力の成果かと存じます。

今後、さらなる徹底した行財政改革を続けていただきつつ、今回提案された予算を速やかに執行していただきますとともに、事業の展開、制度の運用に当たりましては、「府民の目線」という観点を忘れずに推進していただきますよう、あわせて申し添えさせていただき、今回提案されましたすべての議案への賛意とさせていただきます。

さて、先ほど来の議論の中で、来年度予算案などに対して幾つかの批判が展開されました。我々府議会に課せられた使命は、私たちが直面している今日的な課題に対して果敢に取り組むことであると同時に、これからの京都府の「未来」に対しても責任を持つことではないかと考えます。

こうした観点に立ったとき、企業誘致の成果に対して、将来的な雇用の創出の効果や地元経済への波及効果を評価することもなく、単に現状にだけ文句をつける姿勢は余りに近視眼的と言わざるを得ません。商工業の予算の「額」だけを見て、「それが減ったから悪い」とか、「頑張る中小企業だけを応援するのはおかしい」という議論は、民間企業の活力を引き出すことによって、消費者、事業者ともに利益を分かち合える経済の活性化の方向性と相入れるものではありません。

また、「安心・安全」を支える「呑龍トンネル」や北部地域の活性化に資する「和田埠頭」など、さまざまな公共事業を不要不急とし、批判だけをする姿勢は京都府の未来への責任を放棄したものですし、これらを中止すれば、さも目の前にキャッシュが出てくるように主張することは、余りにも現実の財政運営、そしてその基本を無視したものであります。

こうした「安心・安全」の基盤、「京都府産業の活性化」のための基盤づくりを先送りしてきた結果、よりこうした基盤整備のためのコストが大きくなってしまったことについては、京都府政の歴史が如実に物語っています。

府営水道についても、またしかりです。私たちの暮らしの基盤である府営水道を、単に「負担の押しつけである」とする議論は、「安定的な水の供給」という受益の面を無視した議論であり、その点については明らかにしない姿勢は無責任と言わざるを得ません。今、本当に必要なことは、「暮らしを支える水」を供給するためのコストを効率性・公平性の観点から、地域間で、世代間でどのように負担をしていくべきなのかという議論であり、そのための具体的な方法論を府と市町がともに検討していくことではないでしょうか。

こうした観点からも、来年度予算案などに対する批判は当たらないものであることを申し添えさせていただきます。

最後に、議長のお許しをいただき、一言申し上げます。

平成 15 年4月に多くの府民の御信託をちょうだいし、いただいた4年の任期もあとわずかとなってまいりました。私ども民主党・府民連合議員団においては、今期にて、8期 32 年間、京都府政の推進に取り組んでこられた大橋健団長が引退されます。私どもは、この志をしっかり引き継ぎ、経済状況や社会情勢など変化の激しい激動の時代において、さらなる京都府政の発展の一翼を担っていくためにも、来月に予定をされています統一自治体選挙において、必勝を期して戦い抜くことをお誓い申し上げます。

結びに当たり、この4年間、お世話になりましたすべての皆様方に、会派を代表し、心から感謝を申し上げ、討論を閉じさせていただきます。

御清聴まことにありがとうございました。