議会活動

景観条例の策定と景観行政について

平成 18 年 12 月定例会:一般質問 (2)

◯中小路健吾君

それでは、次の質問に移らせていただきます。

次に、現在検討いただいております景観条例を含めまして、景観形成の推進についてお伺いをいたします。 本府における景観行政をめぐりましては、平成17年12月に「京の景観形成推進プラン」が策定され、また、仮称「京都府景観条例」の制定に向けてパブリックコメントを行うなど、現在、積極的な取り組みが進められているところであります。

我々の日常生活における景観は、生活に潤いを与え、豊かな心をはぐくむ貴重な財産であるという点においてはだれしもが理解しながらも、景観に対する主観的な要素や価値基準など、景観そのものの定義の難しさ、景観を形成する個々人が有する権利の制限に対する難しさなどから、これまでも多くの議論がなされてきましたし、今なお議論がなされているところであります。その意味において、「経済活動との調和」「景観の多様性」「景観形 成における住民、事業者、行政の協働」を基本理念とした「景観法」の全面施行は、今後の本府における景観行政に大きな可能性を与えるものですし、より積極的に景観を形成しようとする市町村にとっても、大きな期待を与えるものであると言えます。

「景観法」の意義は、景観の形成や保全に向けて多くのメニューを用意し、それぞれの地域における取り組みに法的な根拠を与えたことにとどまらず、そのプロセスにおいて、住民参加が明確に制度化された点にあります。先ほども述べた景観をめぐる議論の難しさを考えた場合、「景観の定義」や「景観形成のルール」策定のプロセスにおいては、住民のコンセンサスが必要であることは言うまでもありませんが、そのコンセンサスを得るためには、多くの価値観や利害がぶつかり合うことも想定されます。だからこそ、住民参加のもとでの納得できるプロセスを抜きにして景観形成や保全の実効性のある取り組みはあり得ません。その意味では、まさに地域初の取り組みが、今後、より一層期待されると言えます。

こうした観点に立ったとき、行政として、より一層主体的な役割を果たすべきなのが市町村であります。景観法においては、政令指定都市及び中核市を除き、やる気のある市町村が知事の同意を得て「景観行政団体」となることができるとされています。現在、本府では、政令市である京都市、その他、宇治市と南丹市が、既に景観行政団体として取り組みを進めておられるところです。

そこで、まず、本府内におけるその他の市町村の景観行政団体取得に向けての動向はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

次に、現在策定中の景観条例案についてです。今回、骨子が示された条例案は、本府の景観施策に取り組む基本的な姿勢を規定した「基本条例」、景観計画の策定手続など景観法における条例委任規定の整備をするための「委任条例」という性格に加えて、法を補完する本府独自の施策を規定した「独自条例」としての性格も有しており、「景観資産登録制度」「景観府民協定制度」などのメニューが提案されている点は高く評価できるものであると考えます。

これら制度は、まさに府民を出発点とした制度であり、今後、条例が制定され、より活発に利用されることが期待されますが、そのためには、先進的な事例などの情報提供や、法や条例案に用意されている制度を活用する際のアドバイザー、議論を進めていく上でのコーディネーターなど、人的なサポートも欠かせないと考えます。そこで、こうしたソフト面での支援策については、どのようにお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。

◯土木建築部長(森田悦三君)

景観条例についてでございますけれども、政令市、中核市以外で、府県との協議・同意により「景観行政団体」となっている市町村は全国に 149 ございまして、京都府では、議員御指摘のとおり宇治市と南丹市という状況でございます。このほか、長岡京市において、市全域を対象とする景観計画の策定を目指して、市民参加により具体的な検討が進められております。先日も、シンポジウムが開催されております。私ども府としても、検討委員会に職員を派遣して助言するなど、積極的に支援しているところでございます。 地域の魅力を生かした身近な景観形成は、市町村が住民との協働により主体的に取り組むことが望ましいと考えており、府としても、今後も、研修会の開催などを通じまして、より多くの市町村が景観行政団体になれるよう助言していきたいというふうに考えております。

法や条例の制度活用に向けましたソフト面での支援策についてでございますけれども、まず第1に、府民が良好な景観の形成について理解を深めることができるよう、「土台づくり・人づくり」として、シンポジウムや学習会の開催などにより意識啓発に努めてまいります。続いて、府民による自発的な取り組みの初期段階から、必要な情報の提供や活動ノウハウの助言などが行えるよう、景観やまちづくり、郷土史などの専門家をあらかじめ登録しておきまして、要請に応じて派遣できるような支援の仕組みも検討しているところでございます。

いずれにしましても、「住民みずからが身近な景観に気づき、その価値観を共有し、誇りを持って守っていく」、そのような活動が多くの地域で育っていくことが大切なことだと考えておりまして、府といたしましても、ソフト面の支援に積極的に取り組んでまいる所存でございます。

◯中小路健吾君

御答弁ありがとうございました。

条例制定に当たりましては、まず、府民が使いやすい実効性のあるメニューがしっかりと用意されていることが必要だと思いますし、さらにはソフト面での支援というのも必要だと思います。その点、ぜひ積極的に進めていただきたいというふうに思います。

あわせまして、最後に1点要望だけ申し上げて、終わらせていただきます。

やはり、景観ということを考えましたときに、景観を形成する重要な要素の一つというのは、緑にあると思います。国におきましても、景観法の制定とあわせて、都市緑地保全法、都市公園法などが改正され、届け出制による緑を保全する緑地保全地域制度や、敷地が大規模な建築物の新築・増築について、その敷地内の緑化を義務づける緑化地域制度などが創設されております。また、農山村地域の景観形成においても、棚田の保全など農地の位置づけが重要になりますし、都市の中におきましても、そうした農地というものも景観を形成する非常に重要な要素かと存じます。

その意味では、今回、景観法を受けて、京都府も景観条例を策定され、積極的に取り組みを進めていただくということでありますが、その中で、そうした我々の身近なところにある農地の保全という観点も重要でありますし、そうなってきますと、さまざまな、農林水産行政部門ですとか、いろんなところとの連携というものが必要になってくると思います。そういう意味では、そうした所管を超えた総合的な取り組みというものをぜひ進めていただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

御清聴ありがとうございました。