議会活動

コミュニティ・スクールの推進について

平成 18 年 9 月定例会:代表質問 (7)

◯中小路健吾君

最後に、京都府の教育改革についてお伺いいたします。

本府の教育改革の指針である「京の子ども、夢・未来」プラン 21 を見ますと、その方向性として「府民の信頼を高める学校づくり」「家庭・地域社会の教育力の向上」という大目標が掲げられています。前者の「府民の信頼を高める学校づくり」の中では、「保護者や地域社会に信頼される学校づくり」を推進するために、学校評議員制度や保護者などの声を生かした学校評価の実施などを行うとされています。また、後者の「家庭・地域社会の教育力の向上」に向けては、「家庭・地域社会との連携強化」をうたい、地域社会全体で子供を育てる環境づくりへの支援を行うとされています。こうした改革は、学校のあり方、とりわけ公立学校のあり方を大きく変革させるものであります。もちろん、私も学校のあり方は変革していくべきものであると考えます。

では、その変革の方向性はどこにあるのか。それは「与えられる教育」から「ともにつくる教育」へのパラダイムシフトであり、その結果として、教育現場における多様性を認めていくものだと考えます。そして、それは一個人、一家庭を出発点としたボトムアップによって形成されるべきものであり、教育の担い手として家庭や地域の役割をより重視していくべきものだと考えます。

さて、本府においても、先ほど述べた「京の子ども、夢・未来」プラン 21 に基づき、平成 14 年度から学校評議員制度の活用が図られています。これは、学校外部の視点を入れることによって、保護者や地域のニーズを把握し、それを学校運営に反映させるべく導入されたものです。また、昨年の一般質問でも取り上げましたが、学校評価制度の導入も、部分的にではありますが、学校運営をめぐるPDCAサイクルの中において地域住民や保護者などの視点を活用しようとするものであります。これら施策からもわかるように、本府の教育改革のキーワードの一つは「参加」であり、私が先ほど述べた方向性と軌を一にするものだと考えますし、より一層「参加」のための枠組みづくりを促していくべきだと考えます。

こうした方向性の先にあるのがコミュニティ・スクールです。コミュニティ・スクールの概念についてはさまざまな議論があるものの、一般的には地域住民や保護者によって運営される学校で、イギリスにおける「地域による学校運営」というローカル・マネジメント・オブ・スクールの考え方やアメリカのチャーター・スクールの取り組みを参考にしたものだと言えます。これらコミュニティ・スクールの意義は、学校経営や教育内容など学校運営に係る権限を大幅に学校運営協議会に移譲することによって、地域住民や保護者が校長を初め教職員など学校関係者と責任を共有する中で、教育に対する多様なニーズを把握し、それを学校運営に反映させることができる点にあります。

さて、日本においては、平成 16 年6月に「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正がなされ、保護者や地域住民が合議制の機関である学校運営協議会を通じて、一定の権限を持ちながら学校運営に参加することが可能になりました。文部科学省によれば、本年5月現在、13 都県で小学校 34 校、中学校 13 校、幼稚園3校、高等学校2校、養護学校1校がコミュニティ・スクールとして指定されており、とりわけ京都市における取り組みが全国的にも先進的な事例として注目を集めています。また、本府においては、京丹波町立丹波ひかり小学校が文部科学省の「コミュニティ・スクールの活用を推進するための調査研究事業」に指定され、その取り組みが端緒についたところであります。

そこで、コミュニティ・スクールに関してお伺いいたします。

まず、本府においては全国で始まりつつあるコミュニティ・スクールの取り組みについて、どのように評価されているのでしょうか。御所見をお伺いいたします。

さて、こうしたコミュニティ・スクールの導入に際しては、まだまだ課題があるのが現状です。先ほども触れたように、コミュニティ・スクールの特徴は学校運営協議会への権限委譲であり、裁量権を持ちながら学校運営を行うことができる点にあります。コミュニティ・スクールの設置に関して、その是非を主体的に判断するのは学校の設置者である市町村でありますし、さらに言えば、それぞれの学校あるいは学校のある地域の住民及び保護者の方々の自発的な取り組みということになります。その意味において、一義的にはそれぞれの市町村教育委員会の判断が重要になるわけですが、一方で、京都市外の小・中学校の場合、人事面など多くの権限を有する府教委との連携なしにはコミュニティ・スクールの積極的な設置は難しいのではないでしょうか。

そこで、今後、各市町村や地域の中からこうしたコミュニティ・スクールの設置の意向が示された場合、府教委として積極的に連携していくことはお考えになられているのかどうか、御所見をお伺いいたします。

また、他府県の例を参考にしながら、学校現場への権限委譲、裁量権の拡大等について研究・検討を進めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。積極的な御答弁をお願いいたします。

◯教育長(田原博明君)

中小路議員の御質問にお答えいたします。

コミュニティ・スクールについてでありますが、この制度のねらいは、保護者や地域の方々などが一定の責任と権限を持って学校の運営に参画することを通して、保護者・地域の方々と学校が一体となって、より開かれた学校づくりを推進するものであると受けとめております。

府内では、現在、学校評議員制度を活用して開かれた学校づくりを進めているところでありますが、コミュニティ・スクール制度の導入に当たりましては、まず、保護者や地域の方々がより主体的に学校運営にかかわろうとする土壌づくりが何よりも重要であると考えております。このため、議員御紹介のように、今年度から京丹波町立丹波ひかり小学校において国のコミュニティ・スクール推進事業の指定を生かし、地域住民に対する意識啓発と住民ニーズや地域社会の教育力を学校運営や教育活動に生かすための具体的方策等について、先導的な取り組みに着手したところであります。府教育委員会といたしましては、この取り組みで得られた成果を各市町村に広めるとともに、コミュニティ・スクールを設置する意向がある場合には積極的に支援してまいりたいと考えております。

今後とも、議員御指摘のとおり、他府県や先進校の取り組みも参考にしながら、現地・現場主義に立った権限委譲や裁量権の拡大のあり方について研究を進めるとともに、現在実施しております学校評価制度における外部評価なども生かして、市町村とともに、より地域社会に開かれ、信頼される学校づくりに全力を挙げてまいりたいと考えております。