議会活動

「京都府水洗化総合計画2005」について

平成 18 年 9 月定例会:代表質問 (5)

◯中小路健吾君

それでは、まず、「京都府水洗化総合計画 2005」に関連してお伺いいたします。

京都府内における水洗化の整備は、安心・安全、そして快適な府民生活の実現、そして河川等の水質保全など、さまざまな面において重要かつ喫緊の課題かと言えます。昨年策定された「京都府水洗化総合計画 2005」では、平成 15 年度末現在で 89.2%となっている水洗化普及率を平成 22 年度に 94.2%、平成 32 年度には 99.3%という数値目標を掲げ、今後 15 年程度でおおむね完了することを目指すとされています。その整備方針の策定に当たっては、「より早く」「より安く」「よりきれいに」という方針のもと、整備の迅速性、経済性、環境への効果の3つの面から客観的な評価を行い、また、水洗化未整備地域の特性を考慮しながらライフサイクルコストを算出し、それに基づき「集合処理」か「個別処理」かといった整備手法を選択していくとされています。

さて、こうした水洗化事業の推進に当たっては、下水道は土木建築部、農業集落排水施設は農林水産部、また、浄化槽は企画環境部というように、複数の部局が事業を所管しております。こうした中で、それぞれの所管部局が相互に連携・協力し、「京都府水洗化総合計画 2005」に掲げる目標の達成に向けて取り組まれていることと思いますが、現在の取り組み状況とその成果、並びに今後の見通しについてお伺いいたします。

ところで、こうした計画を実現していくために重要な位置づけにあるのが「個別処理」施設としての浄化槽の役割です。今回の計画の中でも、「集合処理」による整備から「個別処理」による整備へのシフトが示されていることを考えれば、なお一層の浄化槽の活用が重要な課題になってきます。

さて、こうした生活排水処理施設としての浄化槽は、人口規模が小さく汚水処理人口普及率の低い地域における小規模分散型の施設として、水質汚濁の防止、水環境の保全という観点からも、効率性・経済性を勘案した整備手法という観点からも期待がなされているわけですが、一方で、その能力・効果が十分に発揮されるには、浄化槽設置後の維持・管理が重要となってきます。こうした観点から、浄化槽法においても水質に関する法定検査が規定されており、主に設置時に行う7条検査と、設置後、毎年一度受けなければならない 11 条検査が制度化されています。しかし、全国的にも設置時における7条検査の受検率は平成 16 年度で 84.0%と経年的にも高まりつつあり、一定の定着を図っているものの、設置後の 11 条検査においては 17.9%と極めて低い水準になっており、浄化槽の適正な管理による信頼性の向上を考えれば、その対応が急務となっています。こうした状況を受け、国においても浄化槽法の改正がなされ、本年2月に施行されましたが、その中で、浄化槽の維持・管理に対する都道府県の監督規定が強化されたところでもあります。

そこで、本府における現状と課題について、数点お伺いいたします。

本府における法定検査の受検率の状況ですが、7条検査についてはおおむね 100%を達成しているものの、11 条検査については平成 16 年度で 12.6%と極めて低い水準となっており、先ほども述べた水洗化計画の中での浄化槽の位置づけを考えれば、11 条検査の受検率向上は大変重要な課題であると言えますが、いかがでしょうか。また、今後の見通しとして、どの程度の受検率の向上を目標とされるのでしょうか。御所見をお伺いいたします。

さて、こうした 11 条検査の受検率の低さの原因の一つには、受検の義務が浄化槽の管理者、すなわちユーザーに伝わっていないという点があります。その意味で、広報等を通じてさらなる周知徹底を図っていくことが必要なことは言うまでもありません。さらに、受検の義務を知っていたとしても、浄化槽の設置、清掃、保守・点検、法定検査という一連の流れが複雑であり、それぞれの業務を扱う業者と個別に契約を行う必要があるなど、手続の煩雑さも受検率の低さの一因だと言えます。浄化槽のユーザーの多くが個人である現状を考えれば、こうした煩雑さを取り除く意味でも、一連の流れを一括で契約できるような仕組みを導入することも含め検討していくべきかと考えます。

いずれにいたしましても、浄化槽の適正な維持・管理を行い、11 条検査の受検率を向上させるためには、市町村や関連業者などとの協力が不可欠です。また、ユーザーへの周知徹底を図る意味でも、ユーザーとの接点の最も多い、メーカー、施工業者、清掃業者、保守・点検業者、法定検査機関との連携が欠かせません。その意味においても、これら関係団体への本府としての主体的な働きかけが必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。

◯知事(山田啓二君)

次に、「京都府水洗化総合計画 2005」についてでありますが、水洗化総合計画は、水質保全や費用比較による経済性等を考慮しまして、地域の実情に応じた効率的かつ適正な水洗化の方法を選定することを目的として策定しているものであります。

現在の計画の策定に当たりましては、水洗化施設整備に関係する部局からなります水洗化事業調整会議を活用いたしまして、関係部局の相互の連携のもとに、経済性、整備の迅速性、環境への効果に関する客観的な評価を行った上で、各地域の水洗化の方法を選定したところであります。この結果、平成9年度の「水洗化総合計画 98」と比べまして、約1万 8,000 人分の水洗化の方法を下水道などの集合処理から浄化槽による個別処理に変更することとし、これらによりまして、府内の水洗化施設の建設事業費を約 270 億円削減するほか、水洗化のスピードアップを可能とする計画としたところであります。

実施に当たりましては、平成 17 年度に国におきまして創設された、下水道、農業集落排水施設、浄化槽の各事業間で予算の融通などが可能になります汚水処理施設整備交付金制度を活用するなど、計画的に市町村の水洗化施設の整備を促進しているところでありまして、これにより水洗化普及率は現在のところ毎年約1%ほど伸びておりまして、平成 17 年度末では 91.4%と、全国平均の 80.9%に比べても非常に高い水準を達成しております。

今後とも、組織体制の見直しを含め、市町村とも連携し、社会情勢の変化に応じて適時整備手法を見直すことなどにより、平成 32 年度末に府内の水洗化普及率をおおむね 100%に近い数字にしていきたいというふうに考えております。

次に、浄化槽についてでありますが、京都府では人口散在地域等における水洗化の有効な手段として、これまでから市町村に助成をし、その整備を積極的に支援してきたところでありまして、府域で約6万 8,000 人が利用を行っているところであります。浄化槽の能力が十分に発揮できるようにするためには、議員御指摘のとおり、年1回の水質検査を義務づけたいわゆる 11 条検査の受検率の向上が大きなかぎの一つとなってまいります。ただ、11 条検査につきましては、まだ十分に周知徹底されていないところがありまして、京都府の水準はかなり低いところにあります。この問題は各府県でかなりばらつきがあるんですけれども、私どもとしましては、これは法定検査でありますから、やはり 100%を目指さなければなりませんけれども、当面は、そんなにすぐに上がることはなかなか難しい点もありますので、少なくとも全国平均を上回るような水準をできるだけ早く達成していきた いというふうに考えております。

このため京都府では、関係する団体等による「受検率向上対策検討会」を本年5月に開催しまして、関係団体と連携し、ユーザーに啓発文書を送付する、府民だよりや府のホームページで啓発をする、また、市町村や関係団体を通じたユーザーへの個別指導など、受検率の向上に向けた取り組みを今推し進めているところであります。今後とも、こうした取り組みを進める中で、市町村や関係団体との連携を一層強化いたしまして、浄化槽が 11 条検査の受検率の向上等を通じて適正に維持・管理されるように徹底を図ってまいりたいと考えております。