議会活動

京都府内における分権について

平成 18 年 9 月定例会:代表質問 (3)

◯中小路健吾君

さて、次に、こうした事業仕分けの結果明らかになるであろう課題は、府と市町村の間での分権のあり方という点です。

そこで、先ほどの質問に関連して、京都府内における分権の推進についてお伺いいたします。

この 10 年間の地方分権の歴史における一つのメルクマールは、平成 12 年4月の「地方分権一括法」の施行であるかと言えます。本府における市町村への権限移譲については、分権一括法の施行以前から、平成 10 年1月に「知事と市町村代表者との分権意見交換会」を開催、同年4月には「市町村における地方分権推進のための協議会」を設置し、ワーキンググループにおける検討、市町村へのアンケート調査の実施を行うなど、実務レベルで検討をしてこられました。その結果、平成 11 年2月には権限移譲について市町村との間で基本合意がなされ、財源措置の検討やマニュアル等の策定など準備作業を経て、同年 10 月までに 25 法令 185 項目の権限移譲がなされました。その後部分的な権限移譲がなされ、分権一括法の施行にあわせて「京都府の事務処理の特例に関する条例」を施行、その後は法律改正に伴う移譲事務の追加・変更を行い、平成 18 年4月現在で 45 法令 325 項目の権限移譲がなされているところです。

このように、本府の権限移譲の歴史を概観すれば、分権一括法の施行を契機に一段落といったところにあるのかと存じます。しかし、先ほどから触れてきたように、今後の地方財政改革の方向性や事業仕分けの結果次第では、さらに本府と市町村との間での分権議論が活発化されることが予想されますし、また、本府として主体的に議論をしていくべきではないかと考えます。

そこで、まず、今後の本府における市町村との分権の議論のあり方について、知事のお考えをお聞かせください。

さて、地方分権の推進という観点からは、今触れたような法律面での権限移譲や財政構造の変革など、制度そのものが重要であることは言うまでもありません。しかし、それと同時に重要になるのが、そうした制度の中での自治体職員の意識であり、行動原理ではないでしょうか。そういった面において、戦後長く続いた国・都道府県・市町村という縦の上下関係に基づく行政運営によってつくり上げられた意識や行動原理というのは一朝一夕に変わり得るものではないのかもしれません。そして、もしかしたら、その点こそが地方分権を阻害する大きな一因となり得る可能性も否定できません。もちろん知事はこれまでも意識改革の必要性を訴えてこられましたが、本府における現状と課題についてどのように認識されているのか、お伺いいたします。

◯知事(山田啓二君)

次に、府と市町村の分権についてでありますが、地方分権の基本は、「住民に身近な行政はできる限り住民に身近な公共団体が行う」、それが一番効果的で、住民の皆様の意思を踏まえたものになる、こういう考え方であります。京都府はこの考え方をもとに、さきの地方分権一括法の施行に先立ちまして、御指摘のように平成 11 年2月に「知事と市町村長との分権意見交換会」を開催いたしまして、市町村からの希望を踏まえ、住民生活に密着した事務 114 項目につきまして市町村への権限移譲を行ってまいりました。さらに他の事務につきましても、より身近なところでの決定が行われるように、平成 16 年5月の地方機関の再編にあわせて、府といたしましては一番住民に身近な行政機関であります広域振興局に本庁から大幅な権限委譲を行ったところであります。今後、これからの権限移譲でありますけれども、今申し上げました事業仕分けも踏まえなければなりませんし、移譲と申し ましても相手のあることですから、市町村の希望ということも踏まえなければなりません。

私はそのためにも広域振興局と市町村との連携・協力を進めていく中で、市町村が具体的にこういう事務だったら確かに広域振興局からさらに移してもらってもいいなというようなイメージが描けるようにして、さらなる市町村への権限移譲を進めてまいりたいと思います。

そしてまた、分権推進のためには府から市町村への権限移譲だけでは私はかえって広域的なバランス上問題を生じる恐れもあると思っておりまして、同時に、地方自治をともに担う京都府と市町村が緊密な連携・協力関係のもとに、一体となって住民本位の地域づくりに取り組んでいく体制づくりも重要であると考えております。このような見地から、京都府では、府内市町村の参画のもと「京都府・市町村行財政連携推進会議」を設置いたしまして、府と市町村における業務のあり方の見直しや行財政連携についての検討を進めてきているところでありまして、業務支援システムの共同導入や地方税の一体的な徴収といったような、府民から見て本当に簡素で効果的な行政運営体制の構築を目指して進めてまいりたいというふうに考えております。

次に、職員の意識改革についてでありますが、国も非常に財政的に厳しい状況の中、また、国において統一的な基準や施策を設けることがかえって地域の力をそぐ時代に入っているというのが現状だと思います。私ども都道府県は、国の方針を市町村に伝えていくというような中間行政意識を変革して、府民本位・市町村本位の意識に変えるため、平成 15 年にいわゆる「かいかくナビ」を策定いたしまして、府民発・府民参画・府民協働の行政システムの実現と職員一人一人が現地・現場、府民視点に立って、みずから考え、みずから行動できるような意識改革の取り組みを進めてまいりました。

このために、府民と協働による課題対応型のアクションプラン、府民にとって最も価値のあるサービスを提供することに主眼を置く行政経営品質への取り組み、分権時代に求められる能力を育成する研修体系への移行、すべての部局におきまして数値化など明確な運営目標の設定、そして、職員の自由な発想力を引き出す庁内ベンチャー事業の展開、また、職員のやる気に応じるポスト公募の実施、そして、職員と府民の対話を促進する出前語らい制度、こういったような形で意識改革に取り組んできたところであります。この結果、もう既にアクションプラン等におきまして、4年間で約 170 の新規事業が生み出されておりますし、出前語らいは既に 800 人を超える職員が約3万 3,000 人近い府民と語らいを持っております。優良職員表彰も前年度の倍増となるなど、私は一定の成果も上げているところだというふうに思っております。ただ、やはりこれは長い間の今までの経過がありまして、私どもも職員と話をしている中で、「これは国の指針によるから」とか、「これは国がこう決めたから」という話がやはりまだ多いのも現状であります。私はそういったことを踏まえた場合には、さらに市町村職員との積極的な交流など、府民・職員同士の対話を通じまして、さらなる意識改革に取り組んでまいりたいというふうに考えているところで あります。

◯中小路健吾君

次に、地方分権あるいは意識改革という部分でありますけれども、まさに知事がおっしゃったように、やはり我々もいろんな意味で行政の皆さんと、あるいはこれは市町村の皆さんも含めてですが、やりとりをさせていただく中で、どうしても国の制度がこうだ、法律がこうだという話がやはり出てきます。もちろん、そういう法律に基づきながら、制度に基づきながらやるということは重要なわけではありますが、じゃその制度自体が果たしていいのかどうかということをやはり常に考えていくこと、ただ、ある仕事を淡々とこなすということではなくて、その問題の本質は何なのか、それはどうあるべきなのか、こういうことを提案する能力というのが今行政の職員さんにも求められているのだというふうに私は思っています。その意味でも、ぜひともそうした意識改革をしっかり進めていただ きたいと思いますし、その意味では、やはりまずそれは上からの意識改革といいますか、知事を初めやはり理事者の皆さんの意識の中でそういうことが言いやすい職場環境というのをぜひつくっていただきたい、そういうふうに思っております。