議会活動

事業仕分けの推進について

平成 18 年 9 月定例会:代表質問 (2)

◯中小路健吾君

さて、こうした地方財政制度をめぐる議論の中で懸念を覚えるのは、財政再建、とりわけ国の財政再建がその目的となってしまっている感が否めないという点にあります。言うまでもなく、財政はあくまで手段であり、重要なことは行政サービスを効率的・効果的に行うためにはどのような財政制度であるべきかという点にあります。

そもそも問題の本質は、国と地方がそれぞれ実際に提供している行政サービスの配分とそれら行政サービスを担保する財源の配分のギャップが大き過ぎる点であり、そのギャップを解消するための配分メカニズムの中で、「非効率な行政サービスの提供」「国の強過ぎる関与による画一性」「地方側の自立性の欠如」など、さまざまな課題が出てきたわけです。

そうした原点に立ち返ってみれば、地方財政改革の出発点となるべきは、国の役割とは何か、都道府県の役割とは何か、市町村の役割とは何かを問い直すことから始めなければならないのではないかと考えます。そしてさらには、単に行政組織内での役割の見直しだけではなく、公的課題の解決の担い手として、民間企業やNPOも含めた上での役割分担を議論していく必要があるのではないでしょうか。その意味で、本年6月補正予算に計上した政策調整推進費を活用し、「事業仕分け」を実施されるという点について、高く評価す る次第です。

そこで、事業仕分けについてお伺いいたします。

事業仕分けは、周知のとおり、行政が行う個々の事業を、そもそもその事業が必要かどうか、必要であるならばだれがそれを行うべきか、つまり、民間が行うべきか、行政が行うべきか、行政が行うとすれば、国が行うべきか、都道府県が行うべきか、市町村が行うべきかという視点で、まさに文字どおり「仕分け」をしていく作業です。より具体的には、一つ一つの対象事業について自治体の担当職員が事業の説明を行い、それに対し住民や他の自治体の職員、経営者、NPOなど外部の視点から質疑・応答を行い、最終的に、先ほ ど述べた基準に基づき、その事業の評価・仕分けを行います。そして、その特徴は、事業 を単なる印象や先入観ではなく、より具体的な中身として判断していく点、その作業を外 部の視点から行っていく点などにあります。こうした事業仕分けは、他の都道府県や市町 村においても数多く実施されつつあり、それらの事例を調べてみますと、そのやり方にも 幾つかのパターンがあるようです。

そこで、まず、これから実施されようとしている事業仕分けのスキームについて、どのような事業を対象とするのか、事業の評価をだれが行うのか、どのような手法で評価を行うのか、いつごろの実施を考えておられるのかなど、現時点でのお考えをお伺いいたします。

私は、こうした事業仕分けの目的は大きく2つあると考えています。

その1つは、事業仕分けの結果・アウトプットを活用することで、今後の府政運営に結びつけていくことです。他府県での実施例を参考にすると、全事業を対象に事業仕分けを行った岩手、秋田、宮城、新潟、長野、岐阜、三重、高知の8県の平均値を参考とすると、およそ1割の事業が不要及び民間がやるべき事業に仕分けられ、およそ3割の事業が他の行政機関の事業、残り6割が引き続き都道府県で行うべき仕事に仕分けられたという結果が出ています。もちろん、ここで不要とされた事業がダイレクトに次年度以降廃止という形で直結するものではありません。しかし、知事並びに我々議会が仕分けの結果をしっかり受けとめ、何らかの形で府政運営に生かしていくことが重要になるかと存じます。また、先ほどから議論をしている地方財政制度の改革に際しては、財源保障という観点から国に 対して何を主張していくべきかという点の論拠にもなり得るものではないかと考えます。

他府県でも数多く実施されている状況もかんがみれば、それらの結果を照らし合わせていく作業が必要になるのではないでしょうか。

そうした観点からも、知事はこれから行われる事業仕分けの結果をいかに活用しようとされているのか、御所見をお伺いいたします。
事業仕分けの目的の2つ目は、そのプロセスにおける自治体職員の意識改革にあると考えます。仕分けのプロセスにおいて、外部の視点にさらされる中で、事業の必要性やその有効性などを改めて考える作業というのは、「京都府行財政改革指針~かいかくナビ~」の中でもうたわれている「府民ニーズを素早くとらえた京都府ならではのオンリーワンサービス」を提供するためにも、「責任感に裏打ちされた満足度の高い行政サービス」を提供するためにも、欠かせない作業ではないかと考えます。

そうした観点からも、これから行われる事業仕分けのプロセスにおいては、より多くの職員の皆さんが参加できる枠組みを考えると同時に、そこで行われる議論が庁内においてよりオープンな形で見えるようなものにしていく必要があるのではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

◯知事(山田啓二君)

次に、事業仕分けについてでありますが、事業の要・不要を初め、国、市町村、民間等々の役割分担等について、府民の皆様の視点からもう一度見直すことにより、今の時代において真に京都府に求められている行政サービスに重点的に取り組んでいくことが必要であると考えております。これまで京都府行政経営改革推進本部におきまして、中期ビジョンの実現に向けた約 300 の施策、約 700 事業について、府民の目線から具体的に効果があるのかどうか、すなわち府民にとって価値のある本当のサービスになっているかどうかという内部検証を行ってまいりました。

今後は、この検証結果も踏まえまして、例えば公共施設の管理・運営や調査・研究開発事業などは、そもそも府が提供すべきサービスか、それともNPOの皆さんや民間、または市町村などが提供すべきサービスか、また、国の補助事業や市町村への補助事業は都道府県や市町村等に移管すべきではないか、統計調査や旅費等に関する事務は効率的に実施されているか、民間委託等をすべきではないかなどについて、それぞれ分野がありますので、代表的な例を抽出しながら、年内にも外部の複数の有識者で構成する委員会方式による事業仕分けを開始したいと考えております。

そして、これらの取り組みをモデルといたしまして、京都府の実情に合ったより効果的な形とし、来年度以降できるだけ多くの職員の参画と情報共有のもと、事業仕分けをしてまいりたいと考えております。事業仕分けの実施結果につきましては、他県の結果等にも照らし合わせまして、議会の御意見をいただきながら、事業の見直しにつなげるとともに、必要なものについては国への制度改正の提案や民間との協働の充実等を図ってまいりたいと考えております。

◯中小路健吾君

次に、事業仕分けでございますが、これは、私はまずやることが重要だというふうに思っています。もちろん、これをどのスパンでやるのかという議論はありながらも、まずやる中で、やはりそのプロセスこそが大事だというふうに私は思っています。その中でこそ、本当に必要なサービス、そして、本当に何を求めているのか、ここがはっきり見えてくるはずだと思います。そして、先ほど申し上げたナショナルミニマム、あるいは地方自治体はどこまでやるべきかという議論はまさにここからある程度見えてくるはずなんです。ぜひともこの点、来年度以降の実施ということでございますが、積極的なお取り組みをお願いしておきたいと思います。