議会活動

府有財産の活用について

平成 17 年 12 月定例会:一般質問 (2)

◯中小路健吾君

それでは、2点目の質問に移らせていただきます。

次に、府有財産の活用についてお伺いいたします。 府有財産の活用については、新しい財政健全化指針でもある「京都府経営改革プラン」の中において、「府所有の財産(施設・土地)を経営資源として促え、府有財産の状況を総合的・一元的に情報管理し、戦略的な利活用・維持保全により府民サービスの向上と施設維持管理の経費節減を図る『ファシリティーマネジメント』の推進に取り組む」とされ、積極的に推進されようとしています。ここでいうファシリティーマネジメントとは、「組織 活動のために施設とその環境を総合的に企画・管理・活用する経営活動」と定義され、これまでの伝統的施設管理が、対象施設の維持管理及び問題への対応を主な目的とし、時間軸においても保有施設の現状及び現在の問題にのみ焦点を当てていたのに対し、ファシリティーマネジメントの考え方では、施設全体の活用方法の最適化、当該施設のライフサイクル全体からの視点で維持管理を行おうとするものであり、近年、民間企業の多くもこうした方法を活用しています。

こうした状況の中、本府においては施設の有効利活用、施設の最適な維持保全・長寿命化の推進、未利用地等の府有財産の適正処分と幅広い利活用を目的とした「府有財産戦略活用推進本部」を本年度に設置し、出納管理局資産活用プロジェクトを中心に、全庁を挙げその推進が図られています。

そこで、その取り組み状況及び進捗状況について、数点お伺いいたします。

こうしたファシリティーマネジメントの目的の1つは、現在の利用そのものの効率化を施設面から図ることであり、さらにはその維持管理の効率化・低コスト化にあります。こうした観点から、現在、前者については、出納管理局会計課の執務室を対象として改善モデルの提示や改善項目の抽出を行ったり、全庁的に職員の意識改革を図るための研修を行うなどの取り組みが進められています。また、後者の施設の維持管理については、現状の課題として「老朽化に伴い、維持保全コストが増大傾向にある」「一時しのぎ的な修繕や更新の実施により、財政負担の平準化が図られていない」「施設群全体に視点を置いた効率的な長期修繕計画が立てられていない」「財産台帳や保全情報などの必要情報がそれぞれ別途管理になっており、施設全体の現況が把握できていない」などが上げられ、今後、「不具合・危険箇所の早期発見による事故防止」「大規模修繕になる前に予防措置を施すことによるコスト低減と長寿命化の推進」「施設群全体としての計画的修繕によるコストの平準化」などを進めるためにも、「簡易診断自主点検の手法の開発」「ライフサイクルコストによる詳細な分析を行うためのマニュアル化」「総括管理を行うためのデータシステムの整備」などを行うとされており、既に一部試行的に行われているとお聞きしています。

そこで、まず、こうした施設管理の低コスト化、長寿命化への取り組みの進捗状況がどのようになっているのか、お伺いいたします。

また、こうした施設管理の低コスト化については、維持管理業務等の形態やその委託方法、あるいはその入札方法なども大きな要素となり得るわけですが、そうした点はファシリティーマネジメントの中においてどのように位置づけておられるのか、御所見をお伺いします。

ファシリティーマネジメントの目的のもう1つは、有する財産全体を有効に活用していくという点にあります。そのためにも、まずは現有財産の状況をしっかりと把握する必要があります。現在、府有財産、とりわけ土地・建物については、平成 17 年3月 31 日現在で、行政財産・普通財産合わせて、土地が 1,496 万 4,622 平方メートル、建物が 287 万 4,937 平方メートルあるとされています。こうした財産のうち、地方機関の再編に伴い、とりわ け総合庁舎においては余剰スペースが発生しており、その現況調査を行われたとお聞きしております。

そこで、まず、調査の結果、どの程度の余剰スペースが発生しており、今後どのように利活用されようとしておられるのか、御所見並びにそのスケジュールについてお伺いいたします。

また、府有財産のうち未利用施設等の調査もされ、新たに 16 件の未利用施設を把握し、計 65 件の未利用施設等があるとお聞きをしております。そこで、これらの未利用施設全体の規模並びにその資産価値についてどのように把握されているのか、お聞きしたいと思います。

また、こうした未利用施設の中には、暫定的に未利用となっているものや長期間にわたって未利用となっているものもあるかと存じますが、その状況についてもお教え願いたいと存じます。

あわせて、そうした未利用施設等の利活用あるいは処分については、ワーキンググループを設置し検討されておられるということですが、その検討状況についてもお聞きしたいと思います。

本年の予算特別委員会の総括質疑における私の質問に対して、知事は「ファシリティーマネジメントによる府民サービスの向上という点に関して、財政状況の厳しい現状の中、補助金など金銭という形態によって提供されてきた府民サービスの提供を、その代替策として、資産そのものを府民に還元することによって府民サービスを向上させていくという視点、あるいは資産を活用し収入を得ることによって府民サービス向上の原資にしていくという視点の2つの方向性から検討を進める」と御答弁いただきました。こうした考えはまさにそのとおりだと考えますが、とりわけ後者の視点、すなわち民間貸し出しも含め、何か収入を得ていくような具体的活用方法は御検討されているのでしょうか、お伺いいた します。

さて、こうした資産を有効に活用していこうとする方向が「税を効率的かつ効果的に利用すべき」という観点から重要であるということは言うまでもありませんが、私はさらにこれらの取り組みが今後の自治体にとって大きな課題提起を行うものであると考えます。

それは「機会費用」という概念です。機会費用とは、本来得られるべきであった利益の喪失を費用、すなわちコストとする考え方です。機会費用は予算に計上されるような事業費用とは異なり、目に見えにくいものであり、そうした意味からも、これまで余り行政では意識されてこなかったのではないでしょうか。こうした機会費用を行政活動の中で意識することは、知事がおっしゃる「自治体経営」という観点からも極めて重要な考え方であり、事務事業評価などさまざまな評価の場面においても重視されるべきものであります。また、こうした機会費用が発生していることを意識することによって、さまざまな政策判断のスピードアップにもつながるものと考えます。今回取り上げた未利用施設など資産の有効活用というのは、まさにこうした機会費用を極小化させるということであり、その意味でも積極的かつ迅速な取り組みが必要であります。ぜひとも積極的な御答弁をよろしくお願いいたします。

◯出納管理局長(泉谷隆信君)

府有資産の活用についてでありますが、まず、施設の維持管理につきましては、安全性・快適性に留意しつつ、維持管理の低コスト化と建物の長寿命化を図ることが求められております。このため、適切な時期に予防的な修繕を行うことにより、大がかりな修繕に陥ってより費用がかさむことを避けるため、特別に専門的知識がない職員であっても建物の状況を点検できる簡易診断手法を今年度から開発しているところであります。これまでに田辺総合庁舎で試験を行い、点検項目の整理を図ったところであり、今月から主要施設での試行を開始し、今年度内に 100 カ所程度の施設で簡易診断を実施したいと考えております。

あわせて、この簡易診断を活用したライフサイクルコスト分析のマニュアルにつきましても、今年度内に整備することとしております。

さらに、京都府の施設について、財産台帳や建物の保全情報、簡易診断結果等の情報を一元化し、総括的に管理するシステムづくりに取り組んでおりますが、現在建物の保全情報システムの整備を終え、今年度内には全体のシステムを立ち上げ、データ入力を終えた部分から稼働させたいと考えております。

また、ファシリティーマネジメントの観点から、維持管理業務に関しても、低コストとともに安全性とサービス水準の確保を図るため、複数年にわたる契約方式や競争入札を本庁庁舎のエレベーターの保守管理などに導入したところであります。

次に、総合庁舎の現況調査についてでありますが、執務室の1人当たり面積は平均約 6.9 平方メートルで、本庁よりも約1平方メートル広くなっているほか、利用頻度の低い会議室があるなどの実態が把握できたところであります。この調査結果からすれば、ほとんどの総合庁舎で新たな利用スペースを生み出すことが可能になると考えておりまして、現在、執務室や会議室の効率的な利用についての検討を進めており、今年度内には数カ所の総合庁舎において府民利用の試行を図ってまいりたいと考えております。

次に、未利用施設等についてでありますが、建物がある 29 件のうちおおむね半数が使用可能と考えられます。土地については、洛東病院跡地や府立医大伏見診療所跡地など、現在利活用を検討しているものを除くと 41 件で、登記簿上の面積は約8ヘクタール、評価額は路線価を用いた試算では約 30 億円となっております。また、未利用施設等の中には既に利用計画があり暫定的に未利用と取り扱っているものも6件あり、条件が整えば速やかに解消してまいりたいと考えております。

なお、長期間未利用となっているものは境界確定が整わないものや不便地にあるものなど、それぞれ利活用や売却の条件が不利なものであります。これら未利用施設等の利活用・処分を促進するため、ワーキンググループを設置し、主要な施設ごとに利活用の検討を進めてきており、今年度内には方向性の整理を行ってまいりたいと考えております。そうした中で、将来にわたり利用予定のないものについて、今年度は 10 件程度の売却を行う予定であります。

次に、資産活用による財源確保についてでありますが、未利用施設等の売却を促進するため、現地での説明会の開催や入札の実施など工夫を加えることとしております。また、民間への貸し出しとして現在、銀行ATM、自動販売機の設置場所などへの貸し出しを行っておりますが、府民の利便性や業務との関連から、一部民間の事務所として貸し出している例もあります。今後、幅広く利活用について検討する中で、財源確保の観点から貸し出しに適するものについては積極的に進めてまいりたいと考えております。

次に、ファシリティーマネジメントの取り組み姿勢でありますが、財産が価値に見合う利用ができているかという視点で常に検証し、最適な利活用を目指すことにより、府民サービスに最大限還元していくこととしており、このことは議員御指摘の「機会費用」の最小化に通じるものと考えております。厳しい京都府財政の運営においては、今後とも府民サービスの向上につながりますよう、ファシリティーマネジメントに積極的に取り組んでまいる所存でございます。

◯中小路健吾君

多岐にわたる御答弁、ありがとうございました。

推進本部も立ち上がって1年目ということでもありますので、ぜひとも積極的なお取り組みをお願いしたいと思うのですが、特に使われていない土地で、中にはなかなか売れないものとか不便地にあって価値が低いものもあるとは思いますけれども、そうしたものの活用とあわせて、やはり今現在使っている中身についても、本当にそれが一番有効に使われているのかどうなのかという視点からも、さらに今後2年目、3年目の御検討をしてい ただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います

御清聴ありがとうございました。