議会活動

学校評価について

平成 17 年 6 月定例会:一般質問 (3)

◯中小路健吾君

最後に「学校評価」についてお伺いします。

本府においては、学校評価の取り組みが本年度から本格実施されます。この間、府内の小・中学校では、平成 15 年度に小学校 5 校、中学校 5 校を実践研究協力校として指定し実践研究をされ、平成 16 年度には全校で試行されました。また、府立学校においても平成 15 年度・16 年度の二ヵ年にわたり 10 校の研究校の指定をして調査研究を行ってこられました。

こうした学校評価の導入の背景には、学校とりわけ公立の学校に対する「硬直的、画一的、柔軟性にとぼしい」、「閉鎖的で地域や保護者との連携が不十分」、「自ら改革に取り組む意欲が不足している」といった批判があります。そうした批判に対して、「多様な選択肢」「説明責任」「開かれた学校」というキーワードに基づく改革がすすめられており、その一つとして学校評価が導入されています。

今回導入される学校評価システムは、学校教育目標、中期経営目標としての学校経営方針、短期経営目標としての年度学校経営の重点、重点目標の設定、具体的方策の検討、年間の教育計画の立案といった「プラン」、計画に基づく実践、学校評価会議や児童生徒、保護者や地域の人々の意見、学校評議員などによる外部からの評価を通じた自己評価、そしてその結果を次年度の計画に反映させていくというマネジメントサイクルになっており、その過程で教育委員会に対する報告、児童生徒・保護者・地域の人々などへの公表、情報提供、意見聴取などを行うことになっています。

本府でのこうした取組の一つの特徴は、評価活動を各学校の主体的な活動に求めている点だと考えます。評価のガイドラインは示すものの、具体的な評価活動のデザインについては学校の裁量に任せることによって、自発的な創意工夫を求めるという点においては「分権化」という流れを考慮しても高く評価されるものだといえます。

しかし、一方でそれが故の課題もあるのではないかと考えます。 学校評価制度の意図するところは、当然評価の結果を分析し今後の活動にフィードバックさせていく点にあるわけですが、これは単に学校の運営が「いい」「わるい」ということを短絡的に判断するものではありません。それよりもむしろ、評価のプロセスにおいて校長・教員・児童生徒・保護者・その他の地域の人々がコミュニケーションを行うことに意味があり、評価結果やそれに関連する情報はそのコミュニケーションが円滑に行われるためのツールであるという点に意味があります。まさに評価活動は「情報を共有化するため のプロセス」なわけです。

そこで、まずお伺いします。こうした児童生徒や保護者、地域の人々との連携はどのよ うに行われているのが実態であるのか、この間の試行的な取組の中での総括をお聞かせい ただきたいと思います。
また、情報の共有化というのは、ある一つの学校とその関係者のみでの共有化にとどまらず、さらに広い範囲での共有化あるいは情報の公開、比較というものが必要になります。その意味でも、ある程度の評価のルール、例えば調査のやり方や対象範囲、結果の公表範囲などは共通化する必要があるように思いますがいかがでしょうか。

府立学校の先行実施校 10 校を例にとっても、何らかの方法で評価結果の公表をされているとは思います。ただ、今回、評価結果の比較を行おうと思い、10 校のホームページを見ましたが、評価結果が公表されているのは京都すばる高校、八幡高校、北桑田高校、久美浜高校の4校であり半数にも満たないのが現状でした。学校評価が一つの学校あるいはその関係者のみにとどまらず、多くの目にさらされていくことが評価の質や客観性を高めることにつながります。また、他校との比較によって「ベストプラクティス」を知ることも重要になります。

そうした観点からも何らかの共通化された情報の提供を教育委員会が積極的に行う必要があると考えますがいかがでしょうか。ご所見をお伺いします。

以上で私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

◯教育長(田原博明君)

中小路議員の御質問にお答えいたします。学校評価についてでありますが、学校評価の目的は、学校が教育活動や学校運営の状況について自ら点検・評価を行い、その結果を公表することにより、地域社会の支援を得ながら、学校教育の質をより一層高めるとともに、地域に開かれた信頼される学校づくりを進めることにあります。

このため、各学校では評価の実施に当たって、児童・生徒による授業の評価や保護者へのアンケート、学校評議員からの意見聴取などを行い、その結果を自己評価に反映することを通して、評価の客観性を高めるようつとめているところであります。

これまでの先行実施や試行の段階では、明確な重点目標が設定されていないなど、課題が見られる学校もありました、本年度の本格実施に向け、評価体制の整備が着実に進んできたものと考えております。

御指摘の評価項目等の共通化につきましては、特色ある学校づくりを進める上で、教育方針や課題、児童・生徒の実態や地域の実情等に応じて、基本的には各学校がそれぞれの重点目標や評価項目、公表する内容などを設定することが適切であると考えておりますが、現在、国においても学校の外部評価の実施や結果公表に係るガイドラインの作成について検討が進められており、その状況把握にも努めながら、京都府の実状にあった、一層効果的な評価制度となるよう検討を深めて参りたいと考えております。

府教育委員会といたしましては、ホームページを有効に活用するなど、適切な方法で公開し、学校評価を円滑に実施することにより、府民に信頼される学校づくりが一層進展するよう、今後とも各学校の取組を積極的に指導・援助して参りたいと存じます。