議会活動

「予防」という観点からの高齢者対策について

平成 16 年 9 月定例会:一般質問 (2)

◯中小路健吾君

次に、高齢者対策に関して、とりわけ「予防」という観点からお伺いいたします。
今後、本府においてもさらなる高齢化が予測されます。本府の 65 歳以上の高齢者数と高齢化率は、平成7年の国勢調査では 38 万 6,976 人、14.7%であり、平成 14 年の本府による調査では 48 万 2,058 人、18.2%、今後平成 19 年には 55 万 9,030 人、21.0%になると予想されています。そうした状況の中、医療における受療率は着実に上昇し、介護においても要介護認定者数、サービス利用者数も増加しており、それぞれの分野で財政的な負担を強いている事実は否定しようがありません。

さて、こうした高齢者の医療や介護における状況をもう少し詳しく見てみると、医療では、糖尿病や高血圧などのいわゆる生活習慣病による入院や通院の増加、介護では、要支 援者、要介護1の増加が指摘されています。このような点を考慮すれば、そうした医療や介護を利用せざるを得ない人の増加をいかにして抑制していくかという予防の視点がますます重要になると言えます。これはよくよく考えれば、単に財政的な面からというだけではなく、高齢者対策の基本である、いかに高齢者が生きがいを持ち、安心して健康に過ごすことができるかという目標の達成にほかなりません。

さて、本府においては、高齢者対策のアクションプランとして「高齢者地域活性化推進計画」が平成 14 年度に策定され、高齢者の知識や経験を地域活動に活用する「仕事おこし」、寝たきりの予防や心身機能の回復を図る「健康づくり」、閉じこもりや孤立を防ぐ「なかまづくり」を3本の柱とした施策が展開されています。しかしながら、実施されている具体的な事業を見る限り、このアクションプランは「仕事おこし」や「なかまづくり」など、高齢者がよりアクティブに暮らすための環境整備、あるいは「健康づくり」においても啓蒙的な活動に焦点が当たっているのではないかと思われます。もちろん、これらの活動も重要なわけですが、より健康という点に特化した具体的な施策も必要となります。

現在、そうした観点に立った上で「きょうと健康長寿日本一プラン(仮称)」というアクションプランを検討いただき、今定例会で報告されるとお聞きしておりますし、アクションプランの策定に先駆けて、今年度から「健康づくり府民総参加事業」「きょうと健康地図作成事業」「健康長寿・生活習慣見直し事業」などが既に実施されているとお聞きしております。また、先般の経営戦略会議においても、健康寿命日本一の推進など「人づくり」が来年度予算の柱となる重点施策に盛り込まれるなど、積極的に施策を展開されている姿勢は高く評価されると存じます。

そこで、数点お伺いいたします。このアクションプランの策定においては、具体的で、かつ、わかりやすい施策・事業、予防に重点を置いた施策・事業、費用対効果が明確な施策・事業をモデルとするとされております。そこで、まず、このアクションプランに基づき実施を予定されている具体的な事業はどのようなものか、お伺いいたします。

次に、これらの施策・事業が来年度も重点的に取り組まれるという中で、やはり効果の高い施策や事業が期待されるわけですが、これら健康づくりあるいは「予防」という観点からの取り組みは、その効果があらわれるのに長い期間を要するものと存じますが、これらの施策や事業を評価する期間やその指標についてはいかがお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。

さて、こうした「予防」という視点からの取り組みの中で、痴呆予防への取り組みというものがあります。痴呆は進行的に脳機能が衰えていく病気であり、発症一歩手前の「前痴呆」や初期の「軽度痴呆」の段階で早期に対応することによってその進展を阻止することが可能となります。しかも、早期の段階であれば簡単な運動やゲームによって進展を予防することが可能ということで、「明るく、頭を使って、あきらめない」というスリーA方式による「脳活性化痴呆予防教室」といった取り組みが全国的に注目を集め、広がりつつあります。その関係者の方にお聞きすると、「これらの取り組みは間違いなく成果を生んでいるものの、難しさは、前痴呆や初期の痴呆段階においては、みずからが痴呆であることを認識することへの抵抗があったり、周りからはその症状に気づきにくいものであり、こうした段階での対応をおくらせる結果になる点だ」ということでした。この点は、何も痴呆だけに限らず、「予防」という観点から健康づくりの取り組みを行う上で普遍的な問題かと思います。そうした認識に立つと、健康づくりにおいては早期の発見が極めて重要であり、そのためのシステムづくりが重要になるかと考えますが、いかがでしょうか。

先般行われました「SKYふれあいフェスティバル」を私も見学させていただきましたが、その中で、「くらしと健康展」として健康相談コーナーなども設けられており、多くの参加者が見受けられました。このような取り組みはまさに、健康づくりへの啓蒙活動であると同時に、問題の早期発見への第一歩ではないかと思います。今後こうした取り組みが活発化することを期待しつつ、積極的な御答弁をよろしくお願いいたします。

◯保健福祉部長(地上進君)

高齢者対策についてでありますが、健康長寿を目指すためには健康づくりや介護予防対策が重要であり、体系的、戦略的に取り組みを進める必要があることから、今回「きょうと健康長寿日本一プラン」を策定することとし、保健予防活動に取り組んでおられる方々の御意見に加え、京都府立医科大学の医学的・専門的見地からの検討もいただいてきたところであります。プランにつきましては4つの柱で構成いたしておりまして、1つには、予防医学センターの設置や総合的なリハビリテーション機能の整備など「京都府立医科大学を核とする基盤の整備」、2つには、健康出前講座や健康づくりを支援するリーダーを育成する府民の「自主活動等の支援」、3つには、健康食事メニューの開発や学校との連携による食育の推進を図る「生活習慣病等の対策」、4つには、高齢者の「げんき度」をチェックする新たな健診プログラムの開発や健診結果に基づいた事業プログラムの普及を図る「介護予防等の対策」を盛り込んでおりまして、今後議会の御意見やパブリック・コメントの結果を踏まえまして、本プランを取りまとめてまいりたいと考えております。

事業の評価や指標につきましては、議員御指摘のとおり、健康づくりや介護予防対策が中長期の取り組みで効果のあらわれるものでありますことから、現在作業中の「きょうと健康地図作成事業」によりまして、健康寿命の状況、疾病の状況、介護認定の状況など、地域の健康度を総合的・経年的に評価する仕組みをつくることといたしております。また、筋力トレーニングや転倒予防の取り組みなど、個々の施策あるいは事業の内容や効果について、毎年PDCAサイクルによりまして検証・評価をいたしながら、取り組みを進めて まいりたいと考えております。

また、痴呆予防など、健康づくりのための早期発見システムにつきましては、今年度から実施しております「脳の健康づくりモデル事業」や「げんき度」チェックの健診プログラムに基づく事業成果も踏まえまして、地域の特性に応じた健康づくり、介護予防システムづくりを進めてまいりたいと考えております。