議会活動

社会貢献活動の促進について

平成 16 年 9 月定例会:一般質問 (1)

◯中小路健吾君

民主党・府民連合議員団の中小路健吾でございます。さきに通告しております数点につきまして、知事並びに関係理事者に質問をいたします。

質問に入ります前に、議長のお許しをいただいて、一言申し上げます。

台風 21 号は猛威を振るい、全国で甚大な被害を与えました。本府においても浸水などの被害が発生しております。本年は、異常気象の影響か、多くの降雨による被害が発生しており、先般も大山崎町におきまして浸水被害が発生しております。こうした被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧を関係者の方々にはお願い申し上げます。

それでは、質問に入ります。

まず、社会貢献活動の促進についてお伺いいたします。

近年、我が国においてもNPOやNGOを中心とした社会貢献活動がより活発化してきています。こうしたNPOやNGOなど非営利セクターの台頭は、「公」の問題をこれまでのように「官」が独占して対処してきた統治構造が限界に来ており、「公」の問題を「官」と非営利セクターとの役割分担、あるいは協働によって解決する社会システムへと変化しつつあることのあらわれではないかと考えられます。その意味で、おのおのの統治レベル、あるいは地域において、いかにこうした非営利セクターを有するかというのは、極めて重要な問題ではないかと思われます。

本府においても、昨年には「京都府社会貢献活動の促進に関する条例」が制定され、さらには今定例会では「NPO協働推進アクションプラン」の中間案が報告されるとお聞きしております。また、本年度予算ではNPOとの協働事業として 18 件、計1億 1,385 万円の予算が計上されるなど、社会貢献活動を促進していくための施策が展開されているところであります。

そうした中で、本府での特定非営利活動法人の認証数も8月末現在で 460 団体と、新府総で掲げた 2010 年までに 500 団体とする目標を上回るペースでふえており、現実に社会貢献活動が活発化していることがうかがえます。

こうした流れは全国的にも同様であり、NPO等の活動の活発化に伴い、国もまたこれら非営利セクターとの協働に注目しつつあります。そのことは、本年度の国の各省庁の予算にもあらわれており、我が党が行ったNPO関連予算の公開ヒアリングの結果では、省庁ごとに、経済産業省 36 億 7,000 万円、国土交通省 25 億 2,190 万円、総務省 454 億 3,700 万円、環境省9億 8,200 万円、農林水産省 25 億 9,600 万円、厚生労働省1兆 1,337 億 5,200 万円、文部科学省 77 億 6,600 万円、法務省 49 億 7,400 万円、外務省 182 億円、内閣府2 億 4,500 万円で、単純に足し込めば合計1兆 2,201 億 4,390 万円であり、そのうち各事業を精査すると、NPO等が直接的に関連する予算がおよそ 3,000 億円になるとされています。全体として政府予算が縮小されている中で、NPO関連予算はほぼ横ばいか微減であり、また新規事業も一定の広がりを見せつつあります。

このように、予算額だけを見れば、かなりの社会貢献活動を促進させる事業が行われているように思われます。しかし、実態面を見れば問題が浮かび上がってきます。それは、国の事業の情報が肝心のNPO団体におりておらず、その結果として予算がNPOの事業に有効に活用されていないという点です。
その理由として考えられるのは、1)各省庁や外郭団体を通じての助成事業等の情報が関係する公益法人やNPOにしか届いていない。2)予算が省庁ごとに細分化されているため、地方自治体の関係部局にしか情報がおりず、NPO関連部局やNPO団体まで届かない。3)NPOに情報が伝わったとしてもタイミングが遅く、申請時期に間に合わないなど申請手続上の問題。4)地方自治体が情報をつかんでも、国からの助成に加え都道府県や市町村がさらなる財政負担をしなければならないような仕組みも多くあり、その結果として自治体の判断で事業実施を見送るケースがあるなどです。

本府においてもNPO法人の数がふえつつある状況は先ほども申し上げましたが、今後、より必要となるのは、そうしたNPO法人の活動そのものが拡大していくことと、さらにはその活動の質が一層向上していける環境を整えていくことであると思います。

そこで、お伺いいたします。NPOの活動分野も拡大しつつある現在、その活動と直結する部局は本府の中においても多岐にわたります。また、先ほど述べたように、国においても省庁ごとに多様な事業が実施されています。そこで、こうした縦割りになってしまった状況を横断的に一元化して把握し、その情報を府内のNPO団体に提供できるような仕組みが本府においても必要ではないかと考えます。そうした仕組みによって、NPO団体への情報提供が迅速かつ効率的にできるだけではなく、協働化を目指している関係部局にとってもさまざまな団体との交流が可能になり、より活発な社会貢献活動が促進されるのではないかと思われますが、いかがでしょうか。

さて、このように行政の各レベルにおいてNPO等との協働の道が志向されており、そのことが新たな公的問題の解決にとって必要であることは間違いありません。しかしながら、一方で、協働というのも、認識を間違えてしまうとNPOが本来有する自主性や自立性というものを損なってしまう点が懸念されます。行政側がみずからの考えに固執し過ぎてしまう、あるいはNPOが行政に過度に依存してしまう、そういう伏況になってしまうことはお互いにとって不幸なことであり、真の意味での協働とは言えません。

そこで、協働が本当に行われるためには、行政とNPOとの双方向性が確保されていることが必要であると考えますが、いかがでしょうか。今後の施策展開あるいは事業執行上、NPOの自主性・自立性を確保していくために留意されている点があれば、教えていただきたいと思います。

さらには、こうした協働化の流れとは別に、行政とはある程度一線を画して活動するNPOも数多く存在し、そうしたNPOの存在もまた、今後の京都府のガバナンスを考えた場合、必要不可欠なものであり、NPOの自主性・自立性の尊重という点を考えれば、社会貢献活動の促進策として、行政からの助成や委託といった手法以外にも独自の支援策が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。

◯知事(山田啓二君)

中小路議員の御質問にお答えいたします。

社会貢献活動の促進についてでありますが、府民本位の地域づくりを進めていく上で、NPOと行政との協働関係は大変重要であると考えております。実際にあらゆる分野で行政とNPOの協働関係は広がりを見せており、京都府におきましても、今年度の当初予算で 18 件、1億 1,300 万円の予算がNPO関係で計上されております。府は、NPOに対しましてはこうした情報を公開しておりますけれども、国においても御指摘のように多くの予算が計上されているものの、各省の縦割りの中で情報が整理されていないのが現状だと思います。担当の内閣府のNPOのホームページをのぞきましても、法律の解説や設立支援の情報だけでして、こういったものがございません。今後、情報提供のデータベースが必要でありまして、NPOサポートセンターや国とも連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。

NPOが地域づくりに積極的な役割を果たすためにも、御指摘のように、行政とNPO との関係は両方が主体性を持ってお互いに協力し合う関係が本来望ましいと考えます。このため、現在「NPO協働推進アクションプラン」の検討を進めておりまして、NPOと府との役割分担を明確にする中で、協働の基本的な考え方や協働の推進方策等を示していくこととしまして、中間案を今議会に報告させていただきたいと思っております。

また、お互いの役割につきましても、例えば府政円卓会議などを通じまして相互理解を深めながら、協働事業の結果について公平性を確保する第三者評価を行うとともに、広く情報公開をして、NPOの本来持っている自主性を損なうことがないよう留意していきたいというふうに考えております。

さらに、委託や補助といった従来からの手法に加えまして、御指摘のようにNPOとの幅広い関係を築くためにも、例えば運動公園の管理などに際しまして、NPOと府がお互いの役割分担等を定めました協定書を取り交わしまして、双方が行う事業協力の手法など、NPOや府のみならず、住民や地域にとりましても効果が出るような新たな協働のあり方をこのプランの中でも検討しているところでございます。