議会活動

障害者の雇用対策について

平成 16 年 2 月定例会:一般質問 (2)

◯中小路健吾君

2点目に、障害者雇用対策についてお伺いいたします。先ほどの村井議員の質問と若干の重複があるかもしれませんが、お許しをいただきまして、質問に入ります。

障害のある人がそれぞれの地域で自立した生活を送ることを可能にすることは、ノーマライゼーションという価値観から見ても極めて重要なことです。そうした自立した生活に欠かせないのは、一定程度の所得を確保した上での経済的自立であり、そのためにも適性と能力に応じた職業につき、さらにはその職業に生きがいを感じて充実した毎日を送ることです。そのためにも、障害のある人が働く場や機会をつくることが重要であることは言うまでもありません。

そこで、まず第1に、授産施設・共同作業所の福祉的就労についてお伺いいたします。

京都府立の盲・聾・養護学校高等部の卒業生のうち、平成 12 年度で 40.6%、平成 13 年度で 42.1%、平成 14 年度で 49.7%の人が授産施設や共同作業所など、いわゆる福祉的就労につかれている現状から見ても、これらの施設が障害者の社会参画への大きな支えとなっています。現在、府内における福祉的就労施設の状況は、平成 15 年4月1日現在で、京都市内を除き、身体障害者授産施設が9カ所、知的障害者授産施設が 37 カ所、精神障害者授産施設が6カ所、障害者共同作業所が 34 カ所あります。

そこで、まずお伺いいたします。新府総では、2010 年にすべての市町村にこうした授産施設や共同作業所を設置することを目標とされていますが、現時点での進捗状況はどうなっているのでしょうか。今後の課題とあわせてお聞かせください。

次に、民間企業を中心とした一般就労についてお伺いいたします。

本府における障害者雇用の現状は障害者雇用率 1.57%であり全国平均の 1.48%よりは高いものの、新京都府総合計画において目標とされている 1.8%、すなわち「障害者の雇用の促進等に関する法律」で規定されている常用労働者数 56 人以上の企業での法定雇用率に達していません。こうした現実に対し、本府においては、障害者雇用アドバイザー事業、障害者就職面接会の開催、障害者雇用促進セミナーの開催、障害者雇用促進事業助成などの施策を展開し、民間企業への啓蒙活動等に御尽力いただいているところでありますが、実際には雇用率が足踏みし、伸び悩んでいるのが現状です。
さて、この民間企業の雇用率を産業別に見た場合、本府においては、建設業 1.89%、運輸業 2.0%、医療・福祉業 2.46%などに対して、情報通信業 1.11%、卸売・小売業 1.03%、 飲食店・宿泊業 1.0%など、産業ごとでの大きな差があります。この数値から見て、産業あるいは業種や職種によって、障害者の雇用になじみやすいもの、なじみにくいものがあるのかと推測できます。しかしながら、障害者の雇用になじみにくいからといって、現状に甘んじ、免罪符的に雇用納付金を納めることを是としては制度そのものの趣旨から外れるわけであり、企業の社会的責任を果たしたとは言えません。

そこで、そうした民間企業が障害者の雇用をしやすい環境をつくることが必要になります。障害者雇用納付金制度においては、その一つの制度として「特例子会社制度」が設けられています。これは、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たしている場合には、その子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなす制度です。

そこで、お伺いいたします。本府においてこの「特例子会社制度」の活用はどのような状況になっているのでしょうか。私は、この制度の活用が今後の障害者雇用を生み出していく上で有効であり、法定雇用率未達成企業へのさらなる働きかけが必要かと考えます。

また、例えばこうした特例子会社を一企業単独でつくるのが難しいのであれば、複数企業の共同出資によって設立されたものも出資比率によって雇用率に参入できるような制度改正等を国に対して働きかけることも可能かと存じますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。

私は、障害者の自立というテーマを考えた場合、福祉的就労から一般就労へというサイクルをうまくつくっていくこともまた必要であると考えます。そのためには、就労先の確保、職場定着に至るまでの相談、援助を行うような仕組み、すなわち障害者雇用支援センターのようなものが必要かと考えます。

さて、京都府障害者雇用促進協会によれば、障害者雇用納付金制度に基づき、平成 14 年度に府内の対象企業が納めた雇用納付金が 124 社、計4億 4,125 万円であり、それに対して雇用調整金の支給が 64 社、計 8,167 万 5,000 円、報奨金の支給が 73 社、計1億 619 万 9,000 円となっています。さらに、この制度には障害者雇用推進のための各種助成金が用意されており、同じく平成 14 年度、府内においては、作業施設設置等助成金、福祉施設設置等助成金、重度障害者介助等助成金など計 385 件、計1億 5,950 万 4,000 円が支給されております。ところが、この助成金の中にある障害者雇用支援センター助成金は京都府においては使われてはおりません。

そこで、こうした助成を活用しながら障害者雇用支援センターのような機能を整備していく必要があるかと考えますが、いかがでしょうか。

さらに私は、単に雇用だけではなく、「自立」という観点から障害者のライフサイクルにあわせたさまざまな相談や支援を行う仕組みが必要だと思います。本府においては、こうした障害者の生活を支援する仕組みとして「障害者地域生活支援センター」があります。

そこで、お伺いいたします。新府総では 2010 年に障害者地域生活支援センターを府下の6つの障害保健福祉圏域にそれぞれ3カ所以上設置するという目標を掲げているわけですが、現状はどうなっているのでしょうか。

障害者の自立とライフサイクルに合わせたサポートという観点からすれば、行政における福祉部門や雇用部門、あるいは教育部門が円滑に連携することが必要であり、既存の障害者地域生活支援センターを活用しながら、そこに雇用や就労に関する支援機能をあわせていくことが障害者行政のワンストップサービス化実現のためにも必要かと存じますが、いかがでしょうか。

また、その実現に際してはさまざまな課題があろうかと思いますが、そのための課題認識についてもお聞かせください。

◯府民労働部長(東昌司君)

障害者雇用対策についてでありますが、特例子会社制度の活用につきましては、京都府内では昭和 61 年に特例子会社が1社設立され、現在 14 名の障害者が雇用されております。

本制度につきましては、民間企業の法定雇用率達成のために有効であると考えられますが、親会社の理解がまずは必要であることから、京都労働局や障害者雇用促進協会と連携し、その普及に努めてまいりますとともに、必要な制度改正について国に働きかけをしてまいりたいと考えております。

障害者雇用支援センターにつきましては、障害者の職業的自立を支援するために必要な施設であると考えておりますが、京都府におきましては、身近な地域で、就業面だけでなく生活面との一体的、かつ総合的な支援を提供する障害者就業・生活支援センターを昨年 4月に指定し、整備したところであり、京都府独自に障害者就労定着推進員を配置するための予算を今議会にお願いしているところであります。

なお、障害者雇用支援センターの助成を活用してセンターを整備するためには、これは公益法人が整備の主体となっているものでありまして、現在の時点でその申請に手を挙げている公益法人がありませんので、今後、障害者雇用促進協会等関係機関とも連携しながら、雇用調整金を活用した整備に向けて研究してまいりたいと考えております。

◯保健福祉部長(戸田雄一郎君)

次に、障害者雇用についてでありますが、授産施設等の整備につきましては、今年度通所授産施設3カ所、共同作業所5カ所の整備が進められており、この結果、京都市内を除く府内 33 市町に 90 施設が整備される予定であります。今後の施設整備における課題といたしましては、府内のどの地域においても施設サービスを必要とする障害者のニーズにこたえることができるようにすることが大切であることから、府独自の施設整備や運営に対する加算措置等を講じる中で、市町村や関係団体とも連携をしながら計画的に施設整備を進めてまいりたいと考えております。

障害者の生活支援センターにつきましては、現在府内に、身体、知的、精神の障害種別ごとに計 18 カ所の設置になっております。なお、一部地域において障害種別の配置バランスの整っていない地域があることなどに対応するため、京都府といたしましては、相談窓口の再編整備等によるサービス向上を視野に入れた支援体制を新たに構築するための経費を今議会にお願いいたしているところであります。今後、各障害保健福祉圏域、6圏域ございますが、その圏域ごとに設置しています障害者生活支援ネットワーク推進会議において、市町村や関係団体等と協議を行い、障害のある方々やその家族などにとって真に利用しやすい相談支援体制となるように、地域の実情を踏まえ、障害種別を越えた総合的なサ ービス向上策を進めるため、議員御指摘の、福祉と雇用、教育等、各部門の連携強化を図ってまいりたいと考えております。