議会活動

シックハウス・シックスクール症候群対策について

平成 15 年 6 月定例会:一般質問 (3)

◯中小路健吾君

最後に、京都府のシックハウス・シックスクール症候群対策についてお伺いします。

シックハウス症候群とは、住宅の建材や壁紙、家具やカーテン、芳香剤・消臭剤・防虫剤など生活用品を発生源とした化学物質が原因で引き起こされる頭痛、めまい、吐き気、息切れなどの体調不良の総称であり、いまだ医学界においてもその定義が確立されていないのは周知の事実でございます。また、シックスクール症候群とは、同様の症状が学校を取り巻く環境の中で生じるものの総称として用いられているところでございます。

科学的には未解明の部分が多いシックハウス症候群・シックスクール症候群ではございますが、NPO団体等にも多くの相談が寄せられていると聞き及んでおりますし、本年4月には、大阪市東淀川区に住むきょうだいが通っていた市立小学校と私立中学校を相手取り、病状を学校側に説明したにもかかわらず配慮してもらえず、病状の悪化で通学ができなくなったことに対して損害賠償を求め大阪地裁に提訴がなされたところでもあります。

これまで国におきましても、厚生労働省がシックハウス症候群に対して、医学的研究、室内空気中の化学物質濃度の指針値等の策定、専門の医療設備の整備、相談体制の整備などを進めているところであり、国土交通省も、シックハウス症候群の原因物質とも言われているホルムアルデヒドに関する建材、換気設備の規制強化、そして同じく原因物質と言われているシロアリ駆除剤などに用いられるクロルピリホスの使用禁止などを定めた建築基準法改正を行い、本年7月1日より施行されるなど、その対策が強化されつつあるところでございます。また、シックスクール対策としても、文部科学省が学校環境衛生の基準を厳しくするなどの対応もなされているところでございます。

さて、こうしたシックハウス・シックスクール症候群に関して、科学的に未解明な部分が多いこと、対応すべき範囲が余りにも広過ぎることなどを考慮すれば、その対策が難しいことは容易に想像できるものの、危機管理という視点から言えば、そうした事象が起こっていることに対して行政として何らかの対策をしておかなければならないことは言うまでもありません。京都府においては、シックハウス・シックスクール症候群への対応として、保健所健康相談窓口の設置、啓発パンフレットの作成など啓蒙活動、化学物質測定機関や医療機関など関係機関との連携が行われております。また、対策を所管する関係部署が多岐にわたることから、保健福祉、商工、農林、土木関係部局による庁内連絡会議を 13 年度より設置し、14 年度からは教育庁関係課も加え、年に2回の会議をされているとお聞きしております。

そこで、まずお伺いいたします。現在設置されている保健所の相談窓口には、13 年度の設置以来 14 年度末までに 83 件の相談が寄せられています。相談内容の内訳は、基礎知識の提供 18 件、症状軽減のためのアドバイス7件、医療機関の紹介7件、ホルムアルデヒドの簡易測定 28 件、原因特定のための標準測定機関紹介 13 件、その他 10 件ということでございます。このように、実際に相談窓口に寄せられる相談の内容には、実際に疾病の可能性のある方も含まれているわけですが、そうした方々の情報はどの程度把握されているのでしょうか。さらには、そうした方々のその後の経過というのは把握されているのでしょうか。また、把握されている情報は、関係各部署において連絡会議などを通じて共有されているのでしょうか。もちろん、個人情報との兼ね合いから細かな事項までの把握は難しいとは思いますが、現状と相談窓口業務における課題認識をあわせてお聞かせください。

先ほど申し上げましたように、シックハウス・シックスクール症候群というのは、医学的にもいまだ確立された疾病ではないがゆえに対策が難しいわけですが、危機管理という視点からしても、疑わしき事象に対する情報を収集し、関係者がその情報を共有しておくことがとりわけ重要になるものと考えます。そうした観点からも、関係研究機関やNPO団体等からの情報もまた大事になるわけですが、そうした外部からの情報収集はなされているのでしょうか。もしなされていないのであれば、庁内連絡会議等を通じて、そうした関係機関、関係団体からのヒアリング等を行われるべきではないでしょうか。

そのことを御提案申し上げまして、私の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

◯保健福祉部長(戸田雄一郎君)

シックハウス対策についてでありますが、各保健所の相談窓口に寄せられております相談内容には予防のためのアドバイスを求めるケースや、現に症状を訴える方の生活環境にかかわるケースなどさまざまな事例がございますので、ケースに応じ、現地を確認の上、また簡易測定も行いながら実態の把握に努めているところであります。こうした相談には継続した対応が求められる場合もございますので、いつでも気軽に相談していただくようアドバイスを行い、相談後の状況把握に努めているところであり、必要に応じて関係部局等とも情報を共有するとともに、問題解決に取り組んでおります。
これまでの健康相談を通じて、治療法の早期確立とともに、住宅や学校などの生活空間 における環境改善の総合的な取り組みが重要であると考えております。このため京都府といたしましては、関係部局等により構成する庁内連絡会議におきまして、この間、国において整備されつつある関係法令や各種基準の規制内容に関する情報を交換しながら、施策に的確に反映させるべく取り組んでいるところでございます。

また、医師、建築士、弁護士など多彩な有識者で構成される研究会を初め、環境問題に取り組むNPO団体等とも、講師の派遣や会議へのオブザーバー参加などを通して連携を強めながら、情報の提供・収集に努めているところでございます。今後とも、こうした庁内外におけるネットワークの拡充及び連携のもと、府民の健康で快適な生活環境を確保するため努力してまいりたいと存じます。