議会活動

教育現場における学校図書館の活用について

平成 15 年 6 月定例会:一般質問 (2)

◯中小路健吾君

次に、教育現場における図書館の活用についてお伺いいたします。

昨今の教育をめぐっては、さまざまな改革の議論がなされているわけでありますが、その改革の一つの方向性は、「学ぶ楽しさを体験し、学習意欲を高める」「学びの機会を充実し、学ぶ習慣を身につける」という点にございます。私は、この観点からして、「本が持つ教育的な力」「読書が果たす教育的な役割」というものが重要になってきていると考えるものであります。子供たちは、読書を通じて文字を覚える、さまざまな情報を得る、さらには思考力や想像力を身につけるなど、まさに読書は学習の源と言っても過言ではありません。そういう意味からも、学校図書館は子供たちにとって知識の宝庫であり、その役割はかつてないほどに高まりつつあると思うのであります。そこで、まず京都府の読書活動に係る推進計画の策定についてお伺いいたします。今年度の当初予算において読書活動推進事業費が計上され、今年度中に京都府読書活動推進計画を策定するとされておりますが、この計画は、子供たちの読書離れの深刻化が叫ばれる中、子供たちが自主的に読書活動を行えるような総合的・計画的な施策の推進を図るために策定されるものとお聞きしております。

そこで、どのような計画を策定されようとお考えになっているのか、学校図書館の位置づけや役割についてどのような内容を盛り込もうとされているのか、現在までの検討状況や今後のスケジュールとあわせてお聞かせください。

既に御承知のことと存じますが、学校図書館法の改正によって、本年度から 12 学級以上の学校には司書教諭を配置しなければならない旨の規定がなされたところでございます。

これを受けて府教育委員会では、府立学校に関して、高等学校 48 校、盲・聾・養護学校 10 校すべてに対して司書教諭の発令が行われ、小・中学校におきましても、全学校 356 校中 192 校、およそ 54%の学校に対して司書教諭の発令がなされ、必置基準である 12 学級に満たない学校に対しても積極的に司書教諭を配置されているとお聞きしております。

私はこうした積極的な姿勢は高く評価されるものの、一方で「司書教諭の機能が存分に発揮されていないのではないか」という、いささか気になる声も耳にいたします。と申しますのも、司書教諭は、学校図書館法第5条第2項の規定をかりれば「司書教諭は、教諭をもつて充てる」と規定されています。つまり、司書教諭は学校図書館の専任ではなく、これまでどおり教員としての業務に当たりながら図書館司書的な役割も担うわけであります。

先ほども申し上げましたが、今、国を挙げての教育改革が進められている昨今、学校の教員は日々の業務に追われ、現実問題として、新規図書の購入や図書の整理、図書資料の授業での活用、子供からの相談の対応など、本来の図書館業務にかかわる時間を物理的にとれないケースも少なからずあるわけです。

そうした状況の中、学校図書館の活用を図るため、市町村独自の取り組みを進めているところがございます。府下におきましては、長岡京市が「学校図書館司書配置事業」として平成 12 年度より市内すべての小・中学校に月8回、夏休みには5日間、図書館司書を配置しております。また、宇治市においても同様の制度が導入されたとお聞きしております。

こうした制度が図書館の充実という意味で子供たちに喜ばれていることは申すまでもありませんが、子供たちにとって「先生」ではない「図書館の先生」に相談できるという副次的な効果を生み出しているという面もあるとのことです。また、教員の間からも、「授業で使う教材に迷っていたら、思いがけない資料を提供してくれた」「生徒が『図書館の先生に教えてもらったんだよ』と言って、まだ教えていない漢字を得意そうに書いている姿に驚いた」などの声も聞かれているところでございます。このほかにも、学校図書館に指導員を配置して「読み聞かせ」を行う学校も出てくるなど、学校図書館に専任の職員を配置し、生徒たちとのきめ細かな触れ合いを大切にする取り組みが徐々に芽生えているのではないでしょうか。私は、先ほど述べた学校における図書館の役割の高まりからしても、こうした制度は大変有意義ではないかと思うのであります。

そこで、教育長にお伺いいたします。府教育委員会では、こうした専任の職員を活用した読書活動などの取り組みをどの程度把握されているのか、今後こうした取り組みを一層進められるよう積極的な普及を行うべきであると考えますが、今回策定される京都府読書活動推進計画の中にこうした取り組みをどのように盛り込んでいこうと考えておられるのか、御所見をお聞かせください。

◯教育長(武田暹君)

中小路議員の御質問にお答えいたします。

読書活動推進計画についてでありますが、推進計画の内容については、学校、家庭、地域社会を通じた社会全体での取り組みの重要性や読書活動推進のための体制整備などを盛り込みたいと考えております。その中で、学校図書館は、児童・生徒の自発的、主体的な学習活動を支援する学習情報センターとしての機能と、創造力を培い豊かな心をはぐくむ読書センターとしての機能をあわせ持つものとして位置づけを明確にしてまいりたいと考えております。

読書活動推進計画の策定スケジュールにつきましては、現在、本年3月に実施をした学校や公共図書館の活動状況や子供の読書活動の実態等に関する調査の結果分析を行っているところであります。今後は、学識経験者、市町村の図書館や学校関係者、読書ボランティアなどで構成する子供読書推進会議をこの7月末を目途に設置し、専門的な立場から検討していただくとともに、府議会や府民の方々の御意見もお聞きしながら、今年度中に策定してまいりたいと考えております。

また、議員御紹介の長岡京市を初め、専任の職員やボランティアの活用など多様な形態で本の読み聞かせや読書に適した環境づくりに取り組まれ、成果を上げておられる市町村があることは承知をしております。推進計画の策定に当たりましては、こうした市町村の先進的で多彩な取り組みも十分参考にしながら、子供の読書活動が一層推進されるよう検討を深めてまいりたいと考えております。