議会活動

難病患者支援の充実・強化について

平成 26 年 6 月定例会 : 一般質問 (2)

◯中小路健吾君

次に、難病患者支援の充実・強化についてお伺いします。

さる5月、「難病の患者に対する医療等に関する法律」、いわゆる「難病医療法」が、国会において可決・成立いたしました。

今回、成立した法律では、「難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保及び難病の患者の療養生活の質の維持向上を図る」ことを目的とし、難病患者の社会参加の機会が確保されること、地域社会において尊厳を保持しつつ他の人々との共生を目指すという基本理念が示されております。

難病対策については、昭和47年に「難病対策要綱」が示されて以降、医療費の助成を含め、40年近くの歴史を積み重ねてきたわけではありますが、あくまで「特定疾患治療研究事業」という名称からもわかるように、治療法が確立していない希少な疾病に対する調査及び研究という位置付けであり、法に基づくものではなく予算措置の範囲で実施してこられました。

また、現在56指定されている特定疾患の対象と指定されていない他の疾患との公平性をめぐる問題や増加傾向にある難病患者の長期にわたる療養と社会生活を支える総合的な対策が不十分であるなどの課題も指摘をされてきたところでありますし、制度を運用する都道府県の立場からすると、医療費助成における財源の超過負担が続いてきたことは、制度の安定性からも課題であるとの主張を本府も行ってきたところであります。

今回、社会保障と税の一体改革の議論の中で、その費用としての消費税収入が担保されたことが法定化への大きな契機ではあったわけですが、法の成立は、難病患者支援対策の充実・強化に向けた大きな一歩であり評価できるものだと考えます。

とりわけ、私自身は、法の目的、理念として調査研究の一環との位置付けに加え、長期の療養による医療費の経済的な負担が大きい患者の方々を支援するという福祉的な視点が取り入れられたことは大きな前進だと思っています。

その意味で、今後、具体的な支援制度や事業を運営していくこととなる本府としても、是非、この理念を踏まえた取り組みを進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。まず、お伺いします。

さて、今回制定された難病医療法の柱は、「難病に係る新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立」、「難病の医療に関する調査及び研究の推進」、「療養生活環境整備事業の実施」の3点にあります。

そこで、まず、難病支援の医療費助成制度についてお伺いします。

今回の新制度においては、対象疾患は、「患者数が人口の0.1%程度以下であり、客観的な指標に基づく一定の診断基準が確立しているもの」とされ、これまでの「特定疾患治療研究事業」が対象としてきた56疾患がおよそ300程度に拡充されると予想されており、具体的な対象疾病については、来年1月1日の法施行に向け、現在、検討がすすめられているところでありますが、一方で、対象患者については、「症状の程度が重症度分類等で一定程度以上の者、もしくは高額な医療を継続することが必要な者」とされ従前の事業と比較をすると一部限定される可能性を含んでいます。また、患者負担については、負担割合を3割から2割に軽減、所得に応じて負担限度額等を設定されます。

このように、今回、大幅な制度の改定がなされますが、本府においては約1.8万人おられる現行制度の対象者をベースとすると、対象疾患の拡大により対象患者数は増加することが予想されるものの、個々のケースとして対象患者となり得るかどうかについては、未だ不明な点も残されています。

その意味では、最新の情報の速やかな提供が必要となりますが、来年の法施行に向け、本府としてどのように取組まれるのかお伺いします。併せて、現時点における対象患者数の変化、および本府の財政負担の見通しについてどのように考えておられるかご所見をお伺いします。

健康福祉部

難病患者支援の充実・強化についてでありますが、去る5月制定された新法は、難病の治療研究を通じた疾患の克服に加え、難病患者の社会参加を支援し、地域で尊厳をもって生きることができる共生社会の実現を目指すものであります。

このため、京都府では、新たに医療費助成制度に対応した医療提供体制を整備するとともに、難病に対する府民の理解促進や福祉、介護、就労等、療養生活の環境整備を図るなど、難病患者の皆様の視点に立った総合的な対策を市町村や関係団体と連携して取り組むこととしています。

来年1月の法施行に向けて、患者や御家族の皆様からのお問い合わせに対応するため、既に電話相談窓口を開設したところでありますが、今後、国から更なる詳細な情報が届き次第、速やかに京都府のホームページに掲載するとともに、患者の皆様や医療機関に対する説明会についても適宜開催するなど、きめ細やかな情報提供に努めてまいります。

また、京都府内の対象患者数は、現在の約1万9千人から約2倍の3万4千人程度になるものと見込まれ、これに伴う本府の財政負担は、詳細が明らかでない現時点において正確な見込みをお示しすることが難しいですが、国からは、事業費の増加が見込まれる一方、いわゆる超過負担の解消が図られることから、都道府県の負担額に大幅な増減はないものとお聞きしております。

また、医療提供体制につきましては、対象疾患の拡大に対応できる総合型の難病医療拠点病院や地域における地域基幹病院などを今回新たに指定することとなっておりますが、今後、関係医療機関などの御意見も十分お聞きし、難病患者の皆様方が安心して、適切 治療を受けることができる体制整備に努めてまいります。

さらに、府内各地域で患者の皆様を支援するネットワークを構築するため、難病相談・支援センターの機能を一層強化するとともに、今回新たに保健所単位に、医療関係者や福祉団体などが参画する難病地域対策協議会を設置するなど、こうした取組を通じて、難病患者の皆様の社会参加を一層促進し、難病になっても安心して暮らすことができる社会を目指してまいります。